一人ひとりの“ありたい” “やりたい”を解放し
社会が多彩な色で彩られる日を目指して
執行役員加々美 祐介


今のミッションにつながる、主体的にはたらくカルチャーづくり
私は2014年7月から2019年3月まで人事を担当していました。当時従事したのは、「一人ひとりの社員が主体的に生きる・仕事をする」という会社のカルチャーづくり。どうして、そのようなカルチャーづくりが必要だったのかというと、きっかけはリーマン・ショックにさかのぼります。
リーマン・ショック前、人材業界は活況であり、旺盛な需要を目の前に、当社も今思えば身の丈を超えた成長を志向し、業績を上げること、無駄を省き効率的に事業運営することにフォーカスしていました。そうして効率を重視するあまり、社員自らが考えて仕事をする機会を奪ってしまっていたのです。それを変えたい、というのが当時の代表からのオファーでした。実は、このカルチャーづくりが、今のミッションにつながっています。
キャリアオーナーシップは、自分の“やりたい”を解放することから
カルチャーづくりでは、社員一人ひとりが、自らの主体性(意志・考え)に基づいて行動する、はたらく、生きる、ということを基軸に、さまざまな仕組みや施策を導入してきました。しかし、成果につなげることは簡単ではなく、なかなか変化の実感を持つことが難しい状況でした。それもそうです。カルチャーづくりは終わりなき旅であることに加え、そもそも人は、人に変えられることは好きではなく、自身で変わりたいと思わなければ変わらないと思うのです。では、どうすれば人の主体性は自然に上がるのか。そこで興味が湧いたのが、人の変わろうという気持ちにつながるwillの源泉が何かということ。私は、目的意識やメンタルモデル(=誰もが無意識に持っている価値観や思い込み)を探求する社外プログラムに参加することにしました。そこで、自分を振り返り向き合った際に、思い出したのは幼いころの出来事です。
私は幼少期、宇宙や遺跡、恐竜などが大好きでした。そんな私に対し、両親も祖父母も、国語や算数などのいわゆる勉強のほうを薦めるのではなく、宇宙や恐竜の本をたくさん用意してくれました。私の「好き」「興味・関心」を尊重し、受容し、その世界に没頭できるようにしてくれたのです。私は、本を読む中で生まれた、宇宙はいつどうやって生まれたのか?何の物質で出来ているのか?どこまで広がっているのか?恐竜は何がきっかけで絶滅したのか?どういう生態系だったのか?といった疑問に対し、また新たな本で解消するとともに、本に書いていないことについては、「きっとこうなんじゃないか?」と想像をふくらませて考えていました。そのおかげで、「なぜ?」を探求していくことの楽しさを覚えることができました。そして大人になった今、テーマは変わりましたが、自分のこうありたい、これをやりたいというwillを解放することや、ヒトや組織という「なぜ?」が多く存在し、探求心がくすぐられる領域で、事業開発やプロダクト開発を担当できていることで、主体的に楽しく仕事ができているんだと実感しています。
一人ひとりが“ありたい”、“やりたい”ことに気づき、気持ちを解放し、自分自身を受容していく。これができれば、人はきっと自然と主体的になり、なりたい姿に向けて変わろうと行動できるのではないか。そして、自分の価値観を軸に「はたらく」を決めて生きていければ、幸福度も上がり、自分自身だけでなく、周囲の人も幸せになるのではないかと考えています。それをかっこよくいうとキャリアオーナーシップ。それが私の解釈であり、思いです。蛇足ですが、自分軸で生きられると、人と比較することが少なくなり、争いもなくなるんじゃないか、とも思っています(笑)。

より貢献するために、ゲームチェンジャーになる
自分の“ありたい”、“やりたい”を解放する。言葉にするのは簡単ですが、実際は容易ではないでしょう。これまでずっとふたをしてきた人もいるでしょうし、そもそも、自分の気持ちに気づいてさえいない人もいるかもしれません。また、“ありたい”、“やりたい”を解放できたあとも、それを実現するために必要なスキルや経験、市場や法人のニーズを把握することも必要になります。そんなときは、キャリアカウンセリングなど、私たちのサービスを大いに活用していただきたいです。
ただ、今のサービスやプロダクトは、まだまだ十分とはいえません。より貢献するために、これまでの概念や顧客体験を大きく変えるようなゲームチェンジャーになりたいと思っています。
たとえば、ハイクラス転職サービス「doda X(デューダ エックス)」では、転職サービスに閉じないことに挑戦しています。転職はキャリアオーナーシップを育むための一つの手段ですが、手段はそれだけではありません。ですから、「はたらく」にまつわるあらゆる情報が得られるコンテンツや、自分と向き合い、気づきを得られるコーチングサービスの提供もしています。転職活動を視野に「doda X」に登録した方に、外部人材活用サービス「HiPro(ハイプロ)」の副業やフリーランスなどの業務委託案件をご紹介するといったことも、今後やっていきたいと思っています。こうして、今の職場で経験を積む、副業をする、転職をする、あらゆる選択肢の中から、自らの可能性に気づいていただく。「doda X」は、そんなプラットフォームを目指していきます。
さまざまなタレントの力で、社会を多彩な色に染めていく
ゲームチェンジャーになるためには、社員のキャリアオーナーシップも大切。社員一人ひとりが持つ赤・黄色・緑――いろいろな色のタレント(才能)やスキル、キャリアを持った人が集まることで、単色では生み出すことができなかったサービスやプロダクトが生まれます。誰にだって可能性があり、個性、能力がある。だから社内においても、“ありたい”、“やりたい”を解放し、可能性や能力を引き出すことに力を尽くしていきたいと思っています。そうして、多彩な仲間と創ったサービスやプロダクトを通して、「『はたらく』を自分のものにしている人」を増やす挑戦、社会を単色から多彩な色にしていく挑戦をしていきたいです。

※掲載している内容・肩書・社員の所属は取材当時のものです。
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