PROJECT

テクノロジーで描く、
次の時代の働き方。

ブロックチェーンを活用した副業支援アプリケーション実証実験

仮想通貨やICOの基盤技術として注目を集める「ブロックチェーン」。パーソルキャリアは2018年3月、同技術を活用した副業支援アプリケーションの実証実験を開始した。最先端の技術を使って、日本の働き方にどんなインパクトを生み出せるのか。プロジェクトメンバーとして立案段階から関わっている斉藤が描くテクノロジーの未来とは。

斉藤 孝章

経営戦略本部
データ戦略統括部
データソリューション部
データビジネスグループ
マネジャー

テクノロジーで
生き方の選択肢を広げたい。

—今回のプロジェクトが始まった経緯を教えてください。
ひと昔前までは、一般的なサラリーマンは一つの会社で一つの仕事をすることが当たり前でした。現在は、エンジニアをはじめ、フリーランス化が加速し会社への帰属意識よりも、個人の興味や関心の高い仕事へ参加する意識の働き方やその他多様な働き方を選択する方々が増えている。そんな現状に疑問を抱いたことがきっかけでした。例えば、“副業”のような働き方が選択肢として増えれば、日本の労働市場はもっと効率化できますし、生き方の幅はもっと広がります。そこに対して、テクノロジーでできることがあるはずだと思っていました。
—「ブロックチェーン」に着目したきっかけは?
最初に、副業制度の導入が進まない理由をリサーチしました。すると、企業にとって労働時間や給与管理の煩雑さが大きな障壁だということが見えてきたのです。そこで目をつけたのが、金融業界で注目を集めている「ブロックチェーン」でした。副業を管理するためには多数の雇用契約を同時に行い、なおかつ個人情報を管理するため極めて高い安全性が求められます。高い安全性を保ちながら多くの契約を円滑に管理するというのは、金融系のシステムが特に得意とする部分。だからこそ、今回のプロジェクトには「ブロックチェーン」が最適なのではないかと考えました。

前例がないなら、
自分たちでつくればいい。

—実際に開発をはじめてみていかがでしたか?
金融系のシステムならまだしも、目指していたのは副業の管理です。「ブロックチェーン」を活用した事例なんて世界を見渡してもほとんどありません。海外の論文を読み漁り、既存の事例にアレンジを加えることからはじめていきました。例えば、商社の与信管理で使われていた“スマートコントラクト”という考え方。特定の条件がそろうと契約を自動化するその仕組みなのですが、これを雇用主と被雇用間の契約に活用できないかと思いました。書面で契約を交わすことなくリアルタイムで情報を把握できれば、企業にとっても個人にとっても管理コストが大きく下がります。そんな工夫をすこしずつ繰り返して、開発を進めていきました。
—前例のないシステム開発、苦労することも多かったのでは?
もちろん大変なことも多かったですが、それよりも新しいものをつくるワクワク感の方が大きかったように思います。チームみんなで楽しみながら開発に取り組み、2018年の3月にやっと実証実験という形で世に出すことができました。
—世の中からの反応はどうでしたか?
予想をはるかに超えた反響がありました。リリースしてすぐに100以上のメディアから取り上げられ、導入を検討したいという会社からの問い合わせは数十件。副業制度を導入するハードルが高かっただけで、本当はみんなが求めていたんだなと実感しました。これまでは、単に仕組みがついてきていなかっただけなんです。ここまで反応があるということには少し驚きましたけどね(笑)。

「はたらく」は、
課題解決の宝庫。

—振り返って感じる、プロジェクトが成功したポイントを教えてください。
チームメンバーの頑張りはもちろんですが、開発環境もよかったと思います。パーソルキャリアに集まってくる「はたらく」に関連するデータは毎月5万件以上。実は、そのデータは私たちの大きな資産なんです。人が一生のうちに多くの時間を使う「はたらく」という行動の裏には、さまざまな課題を解決するヒントが隠れています。今回の開発が成功したのも、データの質と量が大きな要因の1つだったかと思います。
—今後の展望に関してお聞かせください。
ご存知の通り日本は課題先進国です。少子高齢化や労働力問題、それ以外にも世界で類を見ないような課題が多く残されています。しかし、さまざまな社会課題に対して、テクノロジーの力でできることは沢山あると感じています。テクノロジーでいまの社会にある障壁を取り除くことで、世の中が変わるきっかけをつくっていく。そこに、少しでも力になれればと思っています。我々のチームは、あくまでも黒子として、会社や世の中のはたらく人たちが輝ける成長創造インフラを構築していきたいと思います。