セミナーレポート 2022/6/1 公開

自分らしく生き生きはたらくための秘訣は「セルフリーダーシップ」を身に付けること!~セルフリーダーシップの理解を深め、実践するヒントとは?~

自分らしく生き生きはたらくための秘訣は「セルフリーダーシップ」を身に付けること!~セルフリーダーシップの理解を深め、実践するヒントとは?~ 自分らしく生き生きはたらくための秘訣は「セルフリーダーシップ」を身に付けること!~セルフリーダーシップの理解を深め、実践するヒントとは?~

パーソルホールディングスが実施した「はたらいて、笑おう。」の実現度を測る調査(※1)によると、「日々の仕事に、喜びや楽しみを感じている」と回答した日本人は77.1%、116カ国中95位でした。

「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げるパーソルグループは、社員に自分らしく、楽しみながらはたらいてほしいと強く思っています。そこで今回は女性社員向けに、コーチングのプロである木村 純子さんを講師にお迎えし、社内オンラインセミナー「セルフリーダーシップを知り、自分らしく生き生きとはたらこう」を開催しました。今回は、本セミナーの内容の一部をお届けいたします。
(※1)https://www.persol-group.co.jp/news/20210929_8855/

「セルフリーダーシップ」とは、自ら自分を導き育てていくこと

「『セルフリーダーシップ』とはなに?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。よく耳にする「リーダーシップ」は、「新しい選択と行動を自分に取らせる影響力」のこと。私たちに馴染みのあるこの言葉に“セルフ”が付け加えられると、そのベクトルが変わります。

――「みなさんきっと、他者に働きかけることが『リーダーシップ』だと思っているでしょう。しかし『セルフリーダーシップ』は、自分で自分に新しい選択と行動を取らせること、自分を自分で導き、育てていくことを指しています」(木村さん)

セルフリーダーシップ 自分で自分に新しい選択と行動を取らせる力

言葉だけみると簡単に思えるかもしれませんが、実践するのはかなり難しい、と木村さんはいいます。「セルフリーダーシップ」を実行するには、どのようなハードルがあるのでしょうか。

生き物の本能である「安全安心欲求」が、「セルフリーダーシップ」の一番の妨げに

「セルフリーダーシップ」を実践するうえで最も大きなハードルは、無意識レベルの「安全安心欲求」。これは人類全員に共通する本能の一つです。

生き物としての本能「安全安心欲求」

――「人は物理的に危険な状態にさらされたときだけではなく、心理的にも安全な状態を選択しようとする本能があります。例えば周囲から評価されていない、人とつながることができていないなど、心理的な“痛み”を感じると、それを避けて心地よい方向に向かおうとするのが普通です」(木村さん)

人は過去の記憶を情報源として、無意識のうちに自分にとって嫌なこと、痛みを感じることを避ける選択(とある研究によるとその判断時間はわずか0.02秒)するのだそう。 記憶や体験がない(=情報がない)新しい選択と行動をしようとするとき、未知の状態に飛び込むことに対して、無意識に「危険」であるというサインを察知します。すると私たちは、無意識レベルでの「安全安心欲求」に突き動かされ、0.02秒と瞬間的に、安全に向かう選択をし、過去の行動を繰り返すのです。

頭では新しいことに挑戦した方がいいとわかっていても踏み出せなかったり、一歩踏み出しても途中で行動が失速してしまったり。これは個人の意思の強さ・弱さとは関係のない、今ある安全にしがみつこうとする、わたしたちの本能なのです。 しかし、本能的に安全な状態を選択したとしても、「やっぱり変わりたいな」「こんな私では嫌だな」という気持ちが無くなる訳ではありません。そして、「どうしよう」と悩んでいるうちに時間が過ぎていきます。

――「将来の自分を生み出すのは、今でしかありません。もし自分自身を変えたいのであれば、今までと違う選択と行動をしていかない限り、これまでと同じような結果を繰り返し引き寄せるだけです」(木村さん)

そこで大切になるのが、「セルフリーダーシップ」だと木村さん。具体的に「セルフリーダーシップ」がどのような考え方なのか、今回は一例を紹介してもらいました。

「セルフリーダーシップ」発揮の第一歩は、自分のスタンス・受け止め方を意識的に選ぶこと

「セルフリーダーシップ」を発揮するために必要なことの一つが、「自分のスタンス・受け止め方を選択する」こと。これは、「主体的態度」と「被害者的態度」の2つに大別できるといいます。木村さんは車に例えて、次のように説明してくれました。

主体的態度 被害者(傍観者)的態度

この2つのスタンス・受け止め方には、それぞれメリット・デメリットがあります。

双方のメリット・デメリットを俯瞰的に把握したうえで、「本当は、自分はどうしたいのだろう」と改めて考え、自らを受け止め、どちらのスタンスを選択するかを決める。それが「セルフリーダーシップ」を発揮するための一歩になると、木村さんはいいます。

被害者(傍観者)的態度と主体的態度のメリットデメリット

4タイプの障害を理解することが「セルフリーダーシップ」発揮に繋がる

これまでとは違う選択、行動をすると、「障害」にぶつかることが多々あります。うまくセルフリーダーシップを発揮して、その「障害」を乗り越えるためには、「障害」が大きく4タイプに分かれること、そして、どの種類の「障害」に直面しているのか認識することが大切だと木村さんはいいます。

障害の4タイプ

タイプ1、2、3は混同されがちです。例えば、誰かに協力してもらわないと越えられないのに、自分一人で背負いこんでしまっている。もしくは、無理だと思って諦めてしまっているけれど、じつは協力者を募れば何とかなる。この認識のズレによって、うまくいかないことも多いのです。

この認識のズレを生んでいる最大の壁が、“自分劇場”と木村さんは話します。

“自分劇場”とは自分自身の想像で展開を作り上げ、きっとあの人はこう言う、だから結局ダメだよね、と思い込みで結論づけてしまうこと。すごく高くて厚い壁があると考えていたのに、勇気を出して一歩を踏み出してみると、思っていたよりもあっけなく状況が好転したという経験もあるのではないでしょうか。

――「“自分劇場”の存在に自分で気が付くのは、なかなか難しいことです。自分自身を客観視するために、ときには人に話を聞いてもらう、周りからフィードバックを得る機会をつくってみてください。そうすると、意外と突破口が見えてくるものですよ」(木村さん)

セミナーの最後に木村さんから次のようなメッセージをいただきました。

――「急に大きなことにコミットすると、『安全安心欲求』に跳ね返されてしまいます。まずは『安全安心欲求』に気が付かれない小さいことから、少しずつチャレンジしてみてください」(木村さん)

セミナー後、参加者からは「前向きになれるきっかけとなりました」などという感想が寄せられました。

「セルフリーダーシップ」については、木村さんのYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCdl7r4Q0X-kWmB9cm4La0lA)などでさらに詳しい解説を聞くことができます。ご興味のあるみなさんは、ぜひ参考にしてみてください。

パーソルグループでは今後も、社員一人ひとりが自分らしくはたらくためのヒントや機会の提供を積極的に行ってまいります。

木村純子

木村 純子Sumiko Kimura

株式会社ピュア・エッジ 代表取締役/株式会社 CHANCE for ONE 取締役
国際コーチング連盟(ICF)マスター認定コーチ(MCC)/米国NLP協会認定マスタープラクティショナー

1963年生まれ。新卒入社した外資系企業で、営業をはじめ複数の職種の現場経験を積んだのち、人事・広報・総務の統括本部長として最年少かつ女性初の執行役員・取締役を歴任。コーチ型マネージャーの先駆けとして経営改革、風土変革のリーダーシップを執る。2009年末に退職、独立。2001年にコーチングと出会い、会社員時代からプロとして活動を開始。パーソナル・ビジネスのテーマを分け隔てなく扱う個人コーチングの他、企業の経営層・上級管理職を対象としたエグゼクティブ・コーチング、管理職向けワークショップ、リーダーシップ研修およびグループコーチング、“組織をコーチする”手法による理念経営の組織開発が専門。代表を務めるピュアエッジ社は2020年ダイバーシティ&インクルージョンを推進する企業Top10に選出された。

セミナー概要

セミナー名:セルフリーダーシップを知り、自分らしく生き生きとはたらこう
開催日:2022年1月18日
主催:PERSOL Womenʻs Meetup(※2)
(※2)パーソルグループ内ではたらく女性の気づきときっかけ作りを行っている、有志の社員によるコミュニティ

※掲載している内容・肩書・社員の所属は取材当時のものです。

私たちと一緒にはたらきませんか?