|パーソルキャリア
女性の働き方とヘルスリテラシーに関する調査 vol.1
女性特有の症状が理由で「働き方を変えた・諦めた経験あり」54.1%
~PMSや生理による症状で働き方を変えた人のうち「転職した」21.5%~
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:峯尾 太郎、以下パーソルキャリア)は、女性の働き方とヘルスリテラシーに関する調査を実施し、第1弾の結果をまとめましたので、お知らせいたします。第1弾では、女性特有の症状を理由に働き方を変えたり、諦めた経験の有無および納得度を明らかにします。なお本調査は、パーソルキャリアがキャリアオーナーシップ推進支援を行うにあたり、はたらく女性が直面している実態と課題を理解するために実施し、コミュニティ「はたらく女性の活躍と健康を考える会(仮称)」有識者の方々(岸畑 聖月氏、高尾 美穂氏、難波 美智代氏)、コミュニティファシリテーター猪熊 真理子氏から、調査結果をもとにした課題提起をしていただいています。
調査結果概要
1.女性全体のうち、何らかの女性特有の症状を自覚している人が74.9%
女性全体のうち、何らかの女性特有の症状を自覚している人は74.9%でした。(【グラフ①】)
【グラフ①】女性特有の症状に関する自覚
2.PMS(月経前症候群)や更年期症状など女性特有の症状を自覚している人のうち、5割超が「仕事に支障がある」と回答
何らかの女性特有の症状を自覚している人のうち54.4%の女性が、仕事への支障があったと回答。(【グラフ②※2】)
【グラフ②※2】女性特有の症状による仕事への影響
3.女性特有の症状を理由に働き方を変えた・諦めたことがある女性は54.1%
女性特有の症状によって仕事に支障があると回答した人に、「働き方を変えたり、諦めたりしたことはあるか」を聞いたところ、54.1%の女性が該当することが明らかになりました。(【グラフ③※3】)
【グラフ③※3】女性特有の症状による働き方変化・諦めへの影響
4.PMSや生理による症状によって、「働き方を変えた」9.3%、「症状があったが、我慢/無理して仕事を続けていた」23.1%
女性特有の症状の中でも、PMSや生理に関する症状によって「働き方を変えた」と回答した人は9.3%、「症状があったが、我慢/無理して仕事を続けていた」と答えた人が23.1%いることが分かりました。(【グラフ④】)
【グラフ④】PMSや生理に関する症状※4による働き方への影響
5.PMSや生理に関する症状で働き方を変えた人のうち、23.7%は「難しそうな・チャレンジングな仕事をしなかった/諦めた」。21.5%は「転職」したと回答。
PMSや生理に関する症状で働き方を変えた人に、どのように働き方を変えたかについて尋ねたところ、最も多い回答は「職場での役割分担を軽くしてもらった」、次いで「難しそうな・チャレンジングな仕事をしなかった/諦めた」でした。(【グラフ⑤※5】)この結果から、PMSや生理に関する症状が仕事上の挑戦を妨げる要因になっていることが明らかになりました。また、「転職」した人が21.5%、「離職」した人が5.4%と職場を離れることにまでつながってしまっています。
【グラフ⑤※5】PMSや生理に関する症状でどのように働き方を変えたか
6.PMSや生理に関する症状で働き方を変更したことによる納得度では、時短勤務に変更した / 昇進昇格を諦めた・断った 女性のうち4割超が「納得できなかった」ことが判明
PMSや生理に関する症状で働き方を変えた人に対し、その選択に対する納得度を確認したところ、時短勤務に変更した女性のうち42.0%、昇進昇格を諦めた・断った女性のうち48.5%が「納得していない」と回答しました。(【グラフ⑥※6】)PMSや生理に関する症状によって“やむを得ず”働き方を変更したがゆえ、納得できなかったという女性の心理が浮き彫りになりました。
【グラフ⑥※6】PMSや生理に関する症状で働き方を変更したことによる納得度
■有識者による解説 ※五十音順
これまで女性特有の症状によってもたらされる様々な困難は「個人の問題」とされ、会社からの支援が必要だといった認知は十分に進んできませんでした。産婦人科医の高尾美穂氏をはじめとする本コミュニティの有識者は、女性自身がヘルスリテラシーを向上させることに加え、会社の適切な環境整備によって、働く女性がより生き生きと仕事に取り組むことができると述べています。
岸畑 聖月 氏
株式会社With Midwife 代表取締役/助産師・保健師・看護師
高尾 美穂 氏
医学博士/日本産科婦人科学会専門医/日本医師会認定産業医/イーク表参道 副院長
難波 美智代 氏
一般社団法人シンクパール 代表理事
コミュニティファシリテーター
猪熊 真理子氏
はたらく女性の活躍と健康を考える会(仮称)事務局:パーソルキャリア株式会社
■プロフィール ※五十音順
岸畑 聖月 氏
株式会社With Midwife 代表取締役/助産師・保健師・看護師
助産師として年間2,000件以上のお産を支える、関西最大の産科で臨床を経験。不妊や産後うつなどリアルな社会課題に直面し、課題解決は急務であるとプランを前倒し、2019年に株式会社With Midwifeを設立。現在も、臨床経験を継続しながら経営に携わり、その経験を生かして公益財団法人大阪産業局女性起業家応援プロジェクトのプランニングマネージャーも務めている。
高尾 美穂 氏
医学博士/日本産科婦人科学会専門医/日本医師会認定産業医/イーク表参道 副院長
働く女性の産業医。 婦人科の診療を通して女性の健康をサポートし、女性のライフステージ・ライフスタイルに合った治療法を提示し、選択をサポート。アプリstand.fmで毎日更新される番組『高尾美穂からのリアルボイス』では、体や心の悩みから人生相談までリスナーの多様な悩みに回答。
難波 美智代 氏
一般社団法人シンクパール 代表理事
銀行人事部勤務を経て、29歳で起業。女性向けサービスのPRやキャスティング事業を行うなかで2009年秋、自身の子宮頸がん罹患の経験によりNPO法人子宮頸がん啓発協会「シンクパール」を設立。第3期がん対策推進基本計画の策定やがん教育の推進に携わる。現在は、女性の健康教育と予防医療の啓発を行う一般社団法人シンクパールとして、企業や行政に向けたコンサルティング事業等を実施。
コミュニティアドバイザー/ファシリテーター
猪熊 真理子 氏
OMOYA Inc. 代表取締役社長/女子未来大学ファウンダー/一般社団法人 at Will Work 理事
主に女性消費を得意とした、経営・ブランドコンサルティングや企画マーケティング、組織のダイバーシティ・マネジメント改革、企業内の女性活躍推進などを行う。経済産業省「平成28年度地域創業促進⽀援研修」講師、「平成28年度中国地域中⼩企業・⼈材コーディネート事業」ダイバーシティ経営セミナー・ファシリテーターなどを歴任。
■調査概要
調査期間:2022年1月6日
調査対象:20~59歳
会社役員、正社員、契約社員、公務員・団体職員いずれかの雇用形態で働く現職中の女性 3,200名
調査方法:インターネットによるアンケート回答方式 *2020年労働力調査結果に基づき、ウェイトバック集計を実施
■パーソルキャリア株式会社について< https://www.persol-career.co.jp/ >
パーソルキャリア株式会社は、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス人材のキャリア戦略プラットフォーム「iX」をはじめとした人材紹介、求人広告、新卒採用支援等のサービスを提供しています。2017年7月より、株式会社インテリジェンスからパーソルキャリア株式会社へ社名変更。
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる持続可能な社会の実現に貢献していきます。