ONGROUND_MV

ミッション推進

「『はたらく』の選択肢を増やしたい」
スポーツ業界で育むキャリアオーナーシップ

パーソルキャリアは、約20年前からアスリートなどのセカンドキャリア支援を行ってきた。そこで培ったキャリア形成のノウハウを活かして、アスリートだけでなくスポーツ業界に携わる・携わろうとするすべての人々に「はたらく」機会を提供しているのが、2024年4月にリブランディングしたサイト「ONGROUND(オングラウンド)」だ。そこには、スポーツ業界への門戸が決して広くないこと、はたらく環境が整っていなかったことで、キャリアオーナーシップを育みにくいという背景がある。2018年に前身の「SPORT LIGHT by doda」の立ち上げ以来、スポーツをなりわいにしようとする多くの人々に、スポーツ業界で「はたらく」機会を生み出してきた担当者・山口世令奈にこれまでの歩みと今後の展望を聞いた。

山口さんプロフィール写真

山口 世令奈(やまぐち せれな)

カスタマーP&M推進部 スポーツビジネス推進グループ

自身も痛感したスポーツ業界の門戸の狭さ

――山口さんは、2018年にスポーツ業界ではたらく人と、スポーツ業界ではたらきたい人を支援するサービス「SPORT LIGHT by doda」をパーソルキャリア内で立ち上げました。まずは、山口さんのキャリアオーナーシップの原点である“スポーツとの接点”を教えてください。

山口: 私、昔からスポーツが大好きなんです。中学時代はバレーボール部で、高校時代は男子サッカー部の中で選手兼マネジャーとして活動していました。大学では、関西の大学生向けのフットサル大会の企画をしたり、大阪府サッカー協会でボランティアスタッフをしたりと、スポーツにずっと触れていました。また、スポーツから元気をもらうことも多く、将来はスポーツチームに就職したいと考えていました。

――それが、どうしてインテリジェンス(※現:パーソルキャリア)に入社することになったのでしょうか。

山口: スポーツチームの求人が、そもそも見当たらなかったんです。業界にいる周りの人に話を聞くと「女性には、はたらきづらい社会かもよ」と苦笑いで終わってしまう。そこで、就職活動ではスポーツ業界の人材について考え、さまざまな経験を積める人材業界に絞りました。会社の理念やどのような経験をできるかを比較して、当社に入社しました。入社後は、リクルーティングコンサルタントという「doda」の求人を扱う営業の仕事をしていました。

――山口さんが新卒で入社したのが2016年の4月で、「SPORT LIGHT by doda」の立ち上げが2018年11月ですね。その間に自身や環境に変化はありましたか?

山口: その2年半、上司に思いは伝えていましたが、環境は変わっていませんでした。でも私の「スポーツ業界ではたらきたい人々の支援をしたい」という気持ちは強くなるばかり。そこで、転職しようと思っていることを当時の事業部長に話したところ、「じゃあ、それ、うちでいっしょにやろうよ」と言われました。

――山口さんからアクションを起こすことで、キャリアオーナーシップにつながったのですね。そこから、メディア立ち上げの準備に入ったのでしょうか。

山口: はい、相談した上司のはたらきかけで、業務が少し変わりました。“スポーツ業界の求人を集めること”と“コンテンツの企画を考えること”が私の仕事となりました。また、私以外にも制作担当、マーケティング担当、事業部長と直属の上司の計5人で事業の立ち上げを目指すことに。特に上司には、予算の確保など自分にはできないことをサポートしてもらいました。

スポーツ業界で「はたらく」人にスポットライトを

――「SPORT LIGHT by doda」の立ち上げには、どのような背景があったのか教えてください。

山口: 私の就活時の経験どおり、スポーツ業界は求人の公募が極端に少なかったんです。スポーツチームなら、公式サイトの目立たないところに求人募集が載っている程度。きっと、業界の方もどのように採用活動をしたらいいかが分からなかったのだと思います。と言うのも、「SPORT LIGHT by doda」の求人情報を集めに伺ったところ、「人事専任の者がいないので、忙しい仕事の合間に採用活動をしなければならない」と内情を話してくれました。

求人サイトへの掲載を検討する時間もなく、自社ホームページのニュース欄に載せることが限界。だから、見る人が限られる、応募する方も限られる、という結果になってしまっていました。これでは、採用したい人材が集まる可能性は狭まります。そんな背景からも、スポーツ業界求人サイトの立ち上げに賛同してくださる方が多かったのを覚えています。

――自分がしようとしていることは間違いではなかったんだ、と確信を持てた瞬間とも言えますね。ところで、開始当時のサイトの名前には、どのような思いが込められているのでしょうか。

山口: スポーツ業界は、選手にスポットライトが当たりがちですが、選手を支える人たちもたくさんいます。そんな「スポーツ業界で『はたらく』すべての人々をスポットライト(LIGHT)で照らしたい」という思いからつけられました。

――この4月「SPORT LIGHT by doda」は、「ONGROUND」としてリブランディングされました。なぜ変更されたのでしょうか。

山口: 「SPORT LIGHT by doda」を始めてから5年以上が経過し、アスリートのキャリア支援が広がっていきました。「doda」内にある求人掲載メディアだけでなく、スポーツ業界に転職したい個人や、求人募集をする企業のエージェント事業、スポーツ業界への転職イベント、スポーツビジネスを学べるスクール運営など、多岐にわたっています。
また、支援が広がりを見せる中で、スポーツ業界ではたらくことの課題は個人にスポットライトを当てるだけでは解決しにくいことも見えてきました。そこで、スポーツ業界全体のはたらく環境を考えたいという思いのもと、「ONGROUND」としました。

ONGROUND_MV
▲「ONGROUND」のメインビジュアル。「スポーツと、はたらく。」をタグラインに
――スポーツ業界のはたらく環境の事業を進める中で、印象深かったことはありますか?

山口: 当社主催のスポーツ業界でのキャリアづくりと未来について考えるオンラインイベントで「選手でなくとも、ともに金メダルを獲れる」とある人が話されていたことです。選手を支える組織運営に携わる方で、組織が一丸となって縁の下の力持ちになり、アスリートが競技に専念できる環境を整える。そして、金メダルを目指せることを誇らしく語られていました。

夢を与えてくれる世界で「はたらきたい」人々へ

――表に見えない部分でアスリートを支える人がいますよね。だからこそ「ONGROUND」ではスポーツ業界全体のはたらく環境を整えていこうとされているのですね。

山口: はい。支援が実りスポーツ業界に転職した人が、今度はイベントに登壇する立場になっています。そして、今度は転職希望者に魅力を伝え、どんどんとスポーツ求人の間口が広がってきたことを感じます。今後は、スポーツ業界への転職だけではなくて、インターンや副業・兼業支援などのはたらき方も広がっていくでしょう。ただ、「はたらく」を取り巻く企業の環境は短期的には変えられないので、長い目で見ていくことが大切です。その間も一人でも多くの方の人生を、スポーツを通じて豊かにするために、取り組んでいきたいと思います。

山口さん写真
――最後に、山口さんの思い描く今後のスポーツビジネスを教えてください。

山口: スポーツビジネス推進グループの事業を、より強固なものにしたいです。心が痛むニュースが少なくない中で、人を元気づけてくれるのがアスリートたちの活躍です。人々に夢を与えてくれる、最も身近な存在ではないでしょうか。そんな世界だからこそ、スポーツ業界ではたらきたいと思う人は多いはず。同時に、スポーツ業界の仕事全体が評価されるようになってほしい、とも思います。そして、私たちの「ONGROUND」を通じて、「はたらく」の選択肢を増やしていければ、それ以上にうれしいことはありません。

編集:パーソルキャリア広報部 ライター:石川裕二

最新記事キャリアオーナーシップに関する最新の取り組みをご紹介!