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自分の可能性を知ることが、輝くための大切な一歩
私は20年間で8度の異動を経験し、さまざまな方と出会ってきました。家庭の事情で正社員を選べなかった人もいる。正社員から正社員を盲目的に目指す人もいる。置かれた環境は変えられないと諦めたり、刷り込まれた常識を疑うことなく今の状況を選んでいる人もたくさんいることでしょう。
でも、その人たちが選択している場所は、その時点での正解にすぎず、不変のものではありません。自分の可能性を知ることができれば、新たな選択肢が生まれるかもしれない。それによって、違う人生を歩み、今よりもっと自分らしくはたらけるかもしれない。私は、可能性が引き出されることによって、人が輝きを手にする瞬間を目の当たりにしてきました。だからこそ、それぞれが自分の可能性を知ること。それが、大切な一歩になると感じています。
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すべての人には、無限の可能性がある
私はかつて、全国的なプロジェクトを共にしてくれた派遣スタッフの方に「派遣は仕事ができないと思ってるんですね、仕事の任せ方が社員の方と全然違う」と言われたことがありました。そんなつもりはまったくなかったのですが、その言葉を聞いたときに、ハッとしました。どのような雇用形態であろうと、成長したい、頼りにされたいなどの気持ちがあるのに、私は派遣スタッフの方の可能性を知ろうとしていなかったんだ、と。
彼女は家庭の事情で高校を中退してはたらかざるを得なかった人でした。そのことが結果的に、正社員の道を閉ざしてしまっていただけ。明らかに優秀で能力が高かった。その可能性を引き出せるよう、やや難易度の高い仕事も任せていくと、彼女はその期待に応えて、次々とパフォーマンスを発揮していきました。そして、そのプロジェクトを機に自分の可能性や強みを知り、現在は正社員で経理のリーダーとして活躍されています。
また、初めははたらくことに興味がなかった人が、ある日を境に大きく変化したケースもあります。彼女は、何となくコールセンターの派遣スタッフを選び、何となく一日の業務を終える。そんな日々を過ごしていました。ところが、後輩の指導を担当し始めると、状況は一変。後輩の成長が楽しくなり、またその後輩がどんどん吸収して著しい成長を見せてくれたことで、彼女は周囲から期待されるようになりました。その経験が大きな転機となって、彼女は人材業界に興味を持ち、いまは当社の企画職として活躍するようになったのです。
この二人は、自分の能力や可能性にたまたま気づけた人で、それを生かす行動に移すことができた人でした。ですが、必ずしも彼女たちのように、自分の可能性に気づく機会があったり、選択ができる人ばかりではありません。だからこそ私たちは、すべての人が持つ無限の可能性を信じ、自分の仕事、ひいては自分の生き方を、自らの意思で選択しハンドリングできる、キャリアオーナーシップを持った人であふれる社会を築きたいのです。
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一人ひとりの能力を可視化し、個性のコラボレーションを
2022年4月より人事部長に就任し、これまで「事業」を通じて果たしてきた役割を今度は「人事」という立場で果たしていきます。
まず真っ先に取り組みたいと考えているのが、個人の能力を可視化し、そして可視化された能力を互いにコラボレーションさせることで、更なる価値を生みだせる組織にするということ。営業職や企画職、広報職というのはあくまで職種名であって、個人の能力が「見える化」されているわけではありません。今は、組織が大きくなったことで職種や役割の違いが際立ち、個人の価値観や強みを認識したうえでうまく融合させることが難しくなっています。異なる価値のコラボレーションが生まれる土壌を整備することは急務です。仕組みがあれば、個人も「自分にできること」を自覚し、コントロールする力を持つことができる。もっと豊かで自由、そしてユニークなコラボレーションが増えていくことでしょう。
ミッション・ビジョンに共感していただける人たちと一緒に個性のコラボレーションの場を作り、当社の掲げるミッション「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」の最大化を図っていく。つまり、キャリアだけでなく、自分の「はたらく」や「生き方」を自分の意志で決める人であふれる社会を創造する。そして未来につなげる。そのために、一人ひとりの可能性を見出せる人事部になる、と心に誓いました。
人生100年時代、世代ごとに変化する価値観。これからの労働市場は大きな変革期を迎えています。みなさんには、パーソルキャリアのビジネスを通じて、キャリアオーナーシップあふれる社会へと変えていく。その難しさ、苦しさ、奥深さ、楽しさ、そして喜びを体感しながら、自分自身の大きな展望を実現したい。そんないい意味での青臭さを持った人とはたらけることを楽しみにしています。