社員インタビュー
2025.12.16
未経験から挑んだHR業界で、ゼネラルマネジャーに。マネジメントで広がったキャリアの可能性
データ・AIソリューション本部 組織開発部 ゼネラルマネジャー
井上 テイ子 (いのうえ ていこ)
開発現場で技術を磨く中で、自らの特性を見つめ直し、未経験領域への挑戦を続けてきた井上 テイ子さん。自分の信じるスタイルで人と組織に向き合い、現在はゼネラルマネジャーとして新たな組織づくりに挑んでいます。そんな井上さんに、キャリアの転機や価値観の変化、そしてこれから実現したい組織のあり方について聞きました。
“好き”で進んだエンジニアの道。その先に見えた“得意”を活かせるPMという選択
新卒でSIerに入社したのがキャリアのスタートです。そこでは、開発エンジニアとして、証券会社のバッチ処理や銀行合併に伴うシステムの開発などを担当し、技術を磨き続けました。しかし、7年ほど勤めたタイミングで、一度リセットしようと考え、あえて転職先を決めずに退職しました。その後、友人の住むフランスで数カ月を過ごし、帰国後、父の知人に紹介されたECのベンチャー企業に入社します。当時はまだ、自分のキャリアをどうきずいていきたいのか、明確には見えていなかった気がします。
社員数名のその会社では、メインのシステム開発・運用以外に、カスタマー対応や商品梱包、店舗での操作説明など、ECサイトの幅広い業務を経験しました。多くが初めての経験で、刺激的な日々を過ごしていましたが、事業は縮小となり転職を決意しました。
「次は安定した会社を探そう」と考え、人材紹介サービスを初めて利用し、パーソルキャリアと出会いました。職務経歴書の書き方やポートフォリオの整理など、キャリアアドバイザーが丁寧に伴走してくれたことを、いまでも覚えています。
一方、これまでのキャリアを振り返る中で、自分の特性にも気づきがありました。プログラミングは好きでしたが、完璧を求めるあまり、どうしてもバグが出るたびに落ち込んでいたんです。そこで、「コードを書くより、チーム全体を見てプロジェクトを前に進める方が向いているかもしれない」と考えるようになり、2008年、大手EC企業にプロジェクトマネジャー(PM)として転職しました。
ただ、新しい職場は想像以上にハードで、朝から終電まではたらき続ける日々が始まったんです。これまでにも1週間会社に寝泊まりしたことはありましたが、それ以上に過酷でした。1年半ほどで限界を感じ、上司に相談したことをきっかけに、検索エンジンの機能を担う部署に異動しました。
そこでは、膨大な検索ログを用いた新機能開発や検索精度改善など、データドリブンな業務に取り組みました。3年目には業務にも慣れ、プロジェクトの進め方やROIの考え方など、PMとしての基礎が自分の中でしっかりと形になった時期です。

積み重ねてきた経験に“価値”がある──10年の歩みが拓いた「HR×データ」の世界
入社から10年が経つ頃、日々の業務に追われていた中で、仲の良かった上司が転職することになったんです。理由を尋ねると、「年齢的にも、そろそろ次の環境にチャレンジしてみようと思って」と話してくれました。その言葉をきっかけに、「このままでいいのだろうか」と、自分のこれからを真剣に見つめ直したんです。
仕事はそれなりにやりがいを感じていたものの、「あと10年この職場ではたらき続けたいか」と自問した際、「10年も同じ環境にいるが、自分は他社でも通用するのか?」と考え、EC以外の事業も経験してみたいと思うようになったんです。また、当時は子どもがまだ小さく、長時間の通勤により家庭との両立が難しいことにも悩んでいました。
こうした背景から、「他の場所で自分の力を試してみたい」という気持ちが徐々に強くなり、転職を決意しました。試しにテレビCMで見かけた転職サービスに登録してみたところ、予想以上に多くの企業から声がかかり、「これまでの経験にも価値がある」と実感したのを覚えています。次は、ECとは異なる分野で「データの力を活かしたい」と考えました。
そのタイミングで出会ったのがパーソルキャリアです。「テクノロジーやデータ活用を担う新しい部署が立ち上がったばかり」と聞き、HR業界への関心が高まりました。さらに、同時期に相談していたパーソルキャリアのキャリアアドバイザーも非常に親身で、前回の転職時にお世話になったことも相まって「この会社なら安心して挑戦できそうだ」と自然に思えたんです。
自分のキャリアを見つめ直す、まさにそのタイミングで出会えた縁だと思います。こうして、2018年にパーソルキャリアへ入社し、新しい挑戦へと踏み出しました。

未経験から始まったマネジメント。きずき上げた「自分の軸」
パーソルキャリアに入社して半年ほど経ったころ、思いがけない転機が訪れました。PMとして業務を進めていた私に、「マネジャー職に挑戦してみないか」と声がかかったんです。入社前から「どんな機会も断らない」と決めていたので、迷いはありませんでした。
しかし、PMとマネジャーの両立は想像以上に難しく、どちらの役割も中途半端になっていくのを感じました。内部のエンジニアや企画担当と連携しながら外部のベンダーコントロールを行っていたものの、次第に品質のばらつきやチェック漏れが目立ち始めていたんです。そんなある日、同僚から「PMが機能していない。新しい担当者を立ててほしい」と率直な指摘を受けました。その言葉をきっかけに、自分の限界と真剣に向き合うことになり、悩んだ末、マネジャーとしての職務に専念する決断をしたんです。もちろん悔しさはありましたが、後任のPMが信頼できる方だったので、「任せよう」と素直に気持ちを切り替えられました。“自分がすべきこと”を見極め、前を向いた瞬間こそが、マネジャーとしての本当のスタートだったんだと思います。
とはいえ、マネジャーとしての挑戦は、まさに手探りの連続でした。何から手をつけるべきかも分からず、まずは上司の動きを観察しながら、目の前の課題一つひとつに向き合うところから始めたんです。当時はエンジニア採用に力を入れていた時期で、毎月20名近くの方と面接を行い、1〜2名が入社するというスピード感のある状況が続いていました。私も面接官として選考に携わっていましたが、判断に迷うことも多く、「パーソルキャリアにフィットする人物像」とは何かを模索しながら、試行錯誤を重ねる日々でした。
そんな中、10名ほどの仲間が加わったころ、環境に馴染めず退職していく方が出始めたんです。振り返れば、一気に増員したことでフォローが追いついていなかったのだと思います。その経験を通して、入社後のフォローや組織の課題改善なども少しずつ進めていきました。また、退職という選択に対しても、少しでも前向きな気持ちで次のステージに進んでもらえるよう、最後まで丁寧に一人ひとりと接することを心掛けました。我々は転職をご支援する会社ですし、転職をネガティブに捉えたくありませんでした。
私の原動力になっていたのは、パーソルキャリアという会社への信頼です。入社前にかかわった方々は、どんな相談にも親身に応じてくれる、本当に温かい人ばかりでした。「この会社は、人を大切にしている」という実感があり、だからこそ、入社時の面接では「何でもやります」と伝えたのを強く覚えています。その言葉に責任を持ち、自分がやれることは何でもやってみようと思ってやってきました。
マネジャーとしての“正解”は、まだ見えていません。ただ、自分なりに「最善とは何か」を問い続け、迷いながらも、誠実に役割に向き合い続けています。

信じられる仲間とともに、ゼネラルマネジャーとして“未来を変える組織づくり”へ
パーソルキャリアの魅力は、「変えていこう」という強い意志を持つ組織であることです。「ここを変えたい」と思ったことが、実際に改善されてきた実感があります。例えば、現場から上がった声をもとに、より良い人材を受け入れられるよう採用基準が見直され、今では多様な人材を積極的に迎え入れられる環境が整っています。
また、はたらき方の面でも、パーソルキャリアは変化への対応が早かったと感じています。実は、COVID-19(コロナウイルス)が流行する前からリモートワークの環境整備が進められていました。現在は、出社・リモートを自由に選べるはたらき方が当たり前になっています。こうした組織の柔軟さこそが、パーソルキャリアの強みです。
私自身、かかわってきたメンバーが、成果を上げて評価される姿を見たときに、何よりもやりがいを感じます。もちろん、それぞれキャリアの方向性は異なるので、パーソルキャリアの中で叶えられない目標があるのなら、転職という選択も前向きなステップです。ただ、不満を抱えたまま辞めてしまうような状況は、できる限り防ぎたいと考えています。
そのためにも、自分自身がネガティブにならないことを大切にしています。マネジャーが沈んでいると、チーム全体の空気が暗くなってしまいますからね。もうひとつ意識しているのは、「居心地のいい環境」づくりです。とはいえ、何が居心地よいと感じるかは人によって異なるので、普段の会話やふるまいから、それぞれが何を求めているのかを見極め、できる限りのサポートを心がけています。
これまではエンジニア組織のマネジャーを長く務めてきましたが、今期からは組織開発部のゼネラルマネジャーを任されています。経験の浅い領域については、理解し実践することを第一歩と捉えています。
また、組織開発部として私が担当するデータ・AIソリューション本部も大きくなり、現在は約130名の方が所属しています。そのため、これまでのように一人ひとりと直接やり取りすることは難しくなりました。だからこそ、マネジャーやリーダーを通じて、私の想いや方針をどう届けていくかが、これからの重要なテーマです。
これまでに培ってきたチームづくりや制度設計の経験を活かしながら、新しい方向性を組織全体に浸透させていく——そして、パーソルのグループビジョンである「はたらいて、笑おう。」を実現し続けるために、新しい挑戦を通じて、組織の可能性を広げていきたいと思います。
- ※社員の所属組織および取材内容は取材時点のものになります。
- ※社員の所属事業部名称は、2025年4月時点での名称となります。
監修者:HATARACTION!編集部
"はたらく課題"と"ビジネス"をつなげてとらえ、自分ゴトとして、その解決プロセスを楽しむパーソルキャリアの社員をご紹介します。
