社内／社外両方の視点を持つ、アルムナイ。退職後も協業することで、仕事をよりよく。

よく知っている人にお願いすることで お互いにスピーディ。

パーソルキャリアには、過去にパーソルキャリアを退職した方が集う「アルムナイコミュニティ」というものがあります。イベントやコンテンツ配信を行っている他、業務委託としてパーソルキャリアの業務をお願いすることも。アルムナイの方へ仕事の依頼ができると知ったときは「そういう方法もあるんだ！」と、私はとても新鮮な気持ちになりました。

以前、外部の方へ業務を依頼する際は、主にふたつの方法を取っていました。ひとつは外部のデザイン会社やコンサルティング会社など、パートナー企業への委託。もうひとつは、派遣社員の方に運用業務をお願いする方法です。もちろん、いずれも専門性を持つプロフェッショナルへの依頼として現在も有効です。ただ、始動までに必要となる事前のすり合わせや設定事項が多く、一定の段取りが必要でした。

外部企業にお願いする際は、まずパーソルキャリアのビジネスモデルや社内用語を一通り理解していただくところから始まります。そのうえで、スケジュールや予算を事前にしっかり決めてから動く必要があり、どうしても初動の調整が多くなりがちでした。
また、派遣社員の方へ業務を依頼する場合は、運用フェーズの業務が中心となるため、事前に業務内容を細かく整理し、工程を明確に設計しておく必要があります。これも立ち上げの工数に影響するポイントでした。

これらの点を解決できたのが、第3の選択肢。アルムナイの方への業務委託です。パーソルキャリアの業務や文化の双方を深く理解しているため、前提共有に時間が要りません。私たちのことをわかってもらった上で、スピード感を持って動いていただくことができます。退職した後もつながりを大切にしてきたからこそ、実現できる仕組みなのだと感じます。

最初の複業として、 実績になる仕事をしてほしい。

現在、私の所属チームは、リクルーティングアドバイザー（RA）が日々利用するシステム・ツールの開発や機能改修に加え、企業に提示する資料・ノベルティの企画制作も担っています。また、マニュアルのアップデートやAI活用の検討など、多岐にわたる業務が発生します。こうした業務の一部を、アルムナイの方2名に委託しています。おひとりは、RA企画に在籍していた方。もうひとりは元キャリアアドバイザー（CA）の方です。

マニュアルのアップデート業務では、元々のマニュアルが10年ほど前の内容をベースにしているものもあり、改訂の背景や過去の仕様を理解しているアルムナイの方にお願いすることで、作業の立ち上がりを大きく短縮できます。細かな意図や背景を説明しなくても理解が早く、こちらの負荷をかけずに作業を進めていただける点は大きなメリットです。また、柔軟な稼働が可能なことも利点です。正社員メンバーの産育休や突発対応が発生した際には、時間給契約であるため必要に応じて稼働時間を調整していただくこともできます。状況に応じて即座に動いていただけるため、チーム全体の運用安定にもつながっています。

アルムナイの方への業務委託は、私たちにとっての利点だけではないとも考えます。たとえばアルムナイの方が、複業をしたいと考えるとき。最初はハードルを感じたり、実績がない場合にはなかなか複業の仕事を受けづらかったりするものです。しかしパーソルキャリアでの業務委託は、彼ら彼女らの最初の複業実績をつくることにつながります。双方にとってWin-Winの関係を目指しながら、ともに仕事をする。パーソルキャリアとアルムナイの方の関係は、パーソルキャリアと従業員の関係だった頃から、一貫しているのかもしれません。

最初の一歩を超え、コミュニケーションをとるのがカギ。

アルムナイの方へ業務を委託するにあたり、ポイントは2つあると考えています。

ひとつは、最初の一歩を頑張ること。実は最初の一歩が大きなハードルとなり、この制度を活用できていない方が多いのではないでしょうか。たしかに最初に決めなければならないことは、たくさんあります。たとえば、どれくらいの金額で依頼すればいいのか。契約書の素案はどんなふうにつくるのか。使用するシステムの権限はどこまで許可できるのか。社内に資料はあるのですが、すべてが記載されたルールどおりというわけではなく、各業務やチームごとに決めなければなりません。ですが、最初のハードルを超えてしまえば、あとはスムーズになります。社内のことをよく知った人との協業なので、社内メンバーと変わらず、一体感を持って業務を進められるはず。お互い気持ちよくはたらくために、最初の踏ん張りどころです。

もうひとつのポイントは、コミュニケーションをとることです。アルムナイ社員とはいえ、社内メンバーと全く同じはたらき方をしているわけではないぶん、明確にしておいた方がいいこともあります。たとえば、人によっては平日に連絡が取りにくいという方もいますし、実は夜型で夜中の方が仕事は捗るという方もいます。連絡方法や稼働時間、望む仕事量などは、個々人と相談するのがいいでしょうね。

新たな企画から、ともに生み出す存在に。

アルムナイの方はパーソルキャリアをよく理解しているので、業務の委託がスムーズ。これは先程挙げたメリットですが、最近ではそれ以上のメリットも感じ始めています。それはパーソルキャリアを退職して他のフィールドで活躍する方々が、新たに身につけた視点や知見を活かしながら活躍してくださることです。

先日営業ツールのリニューアルに伴い、マニュアル作成業務をアルムナイの方とともに行っていたときのことです。アルムナイの方から、「初めて使う人の視点が抜けている」と、マニュアルへの指摘をいただきました。社内メンバーだけでは気づけなかったことです。「この点をスライドに追記することで納得感を高められる」とアドバイスを受け、改良することができました。社内のことはよく知っているけれど、社内とは異なるフラットな視点を活かしてもらうことができたと感じました。

また別のときには、転職先で人事をやっているアルムナイの方の意見が役立ちました。なぜなら、私たちRAが日々向き合うのは、企業の人事の方が多いからです。「人事から見るとこの資料はどう？」「RAからこういう説明をされたらどう？」とお客様の視点からアドバイスをもらえるのは、非常にありがたいです。

今後はアルムナイの方に、こちらから業務をお願いするだけではなく、意見交換をしながらよりよい仕事をしていけたらいいと考えています。たとえば、新しい企画の壁打ち役をしてもらえば、自分たちにはなかったアイデアも生まれてくるかもしれません。退職してからも、つながりを活かしながらともに何かに取り組む。そういったいい関係性をきずいていきたいです。