社員インタビュー
2025.12.19
土台固めと、提案の幅。同時に学べる、アルムナイによるロープレ研修とは?
採用ソリューション事業部 組織開発部
島野 真帆 (しまの まほ)
パーソルキャリアでは、退職した社員(アルムナイ)へ業務を委託し、協業することを推進しています。活躍の場はさまざまありますが、今回お話を聞いたのは、リクルーティングコンサルタント(RC)で新人教育を企画している島野 真帆さん。アルムナイへ教育を依頼するようになった経緯や、依頼して見えてきたメリットについて掘り下げます。
組織急拡大の結果、 標準化された新人教育の必要性に気づいた。
現在私は、企画職として広告営業を行うリクルーティングコンサルタント(RC)の育成施策を担当しています。以前は「自分次第で成果を出せるのってカッコいい」とRCとしてはたらいていました。自分の考えに基づいて営業活動を行い、成果を上げられることにやりがいを見出す一方で、育成制度の重要性に気づいたタイミングもありました。それが、パーソルキャリアの事業が急拡大し、その分組織もどんどん大きくなっていたときのこと。新卒社員だけでも、RC配属となる新人が当時は毎年100名ほどいて、「育成が間に合っていないのではないか」と感じたことがあったのです。当時は新人それぞれが、直属の先輩からアドバイスを受け、トライ&エラーを繰り返し成長するやり方でした。それでは、指導する上司や先輩次第で営業手法に偏りが出てしまうこともありました。ある程度標準化された営業スタイルやその指導が必要だと考え、私は組織づくりや育成施策に携わりたいと企画職にチャレンジしたのです。
現在の新人教育では、RCとして標準化された土台のスキルを固めながら、個々人のやり方を学んでもらおうと考えています。重要視しているのは、3ステップ。①知る ②わかる ③できる と、グラデーションの中で成長するステップです。①知る から ②わかる、は座学も用いながらRCとしてのスタンスを学ぶとともに、商品知識を身につけてもらいます。その後に、②わかる から ③できる へ。新卒社員も中途社員も、ロールプレイング研修(ロープレ)を中心に、学んだことをアウトプットしながらスキルを磨いてもらうのです。このロープレで協力いただいているのが、アルムナイの方。以前パーソルキャリアではたらいていた、20代後半から40代の10名ほどに依頼し、新規のお客さまとの商談ロープレを担ってもらっています。

RC自身を信頼してもらうために、 ロープレは大きなカギを握る。
アルムナイの方にご協力いただくようになったきっかけは、社内のリソースだけで新卒も中途も新人育成を行うことに限界を感じたことからでした。3つのステップのうち、①知る ②わかる の土台を内製で固め、②わかる ③できる のフェーズは、外部のプロフェッショナルにご協力いただきたいと考えたのです。
当時の私は、パーソルキャリアを退職された方のアルムナイコミュニティというものがあること自体を知りませんでした。最初は偶然で、私たちのビジネスモデルや商品についてよく知っている方に協力いただきたいと思い、会議で「パーソルキャリアを退職された『卒業生』の方に協力いただけたらいいですよね」と、アイデアを出してみたのです。そうしたところ、「アルムナイの方に仕事を依頼できる仕組みがあるよ」と、社内の方から教えていただきました。そこで早速、ご協力いただける方を探し、ロープレ業務を委託し始めたという経緯があります。
ロープレは、基本的にアルムナイの方と新入社員の方が1対1、オンラインで1時間。新規のお客さまを想定した商談を45分間行い、残りの時間でアルムナイの方からフィードバックがあります。フィードバックは、大きく分けて2種類の観点から行うものです。1つは、パーソルキャリアのRCとして基本的に身につけるべきスキル。「検定表」を策定しポイントを明確にした上で、アルムナイの方にチェックをお願いしています。2点目は、アルムナイの方ご自身のスキルや経験を踏まえた営業としてのアドバイスをしてもらうものです。2つの観点があることで、全員が身につけるべき土台スキルは固めつつ、RCとして柔軟に提案の幅を広げていくことができると考えています。RCの担当する商材は、人材紹介とは異なり、前課金制のビジネス。つまり、成果が出るか出ないかわかる前にお客さまから料金をいただくビジネスです。だからこそRC自身が、まずお客さまに信頼していただく必要がある。個人に期待を寄せてもらうために、徹底したロープレはスキルを伸ばすキーになるのです。

「自分だったら」のアドバイスに、 経験豊富な視点が凝縮している。
アルムナイの方にロープレを依頼するメリットは、大きく3点あると考えます。1つは、リソース不足の解消です。元々のきっかけとなったように、社内だけで研修の企画も実行も、双方を行うには限界があった。研修の実行・実践としてボリュームの大きいロープレ業務をアルムナイの方へ委託したことで、社内企画部門の業務負荷は大幅に改善することができました。数字にすると、50時間/月の工数削減に成功しています。企画部門が企画業務に集中できるようになりました。
2点目は、元はパーソルキャリアのRCでありながら、他社でも経験を豊富に積んでいる方に経験豊富な方に新人育成を担っていただけることです。ビジネスモデルや商品に関することなど、前提知識を持っていただけていることはもちろん、その方自身が磨いてきたスキルを基に、有益なアドバイスをいただくことができます。たとえば、「今回のお客さまの場合はここがポイント」と勘所を押さえたり、「自分がRCだったらここを重点的に提案する」と経験がないと難しい提案を教えてもらったり。それぞれがパーソルキャリアで培ったものを活かしたアドバイスは、外部委託サービスを利用するだけでは得られなかったものだと感じました。

社内の人ではないからこそ、 話せる本音や悩みもキャッチ。
最後の3つ目として、新人の方の本音や悩みをキャッチできる点があると考えます。新卒であれ中途であれ、新人のうちは誰しも悩んでしまうことがあるものです。中々受注につながらず落ち込んだり、ビジョンと目の前の仕事のつながりがわからなくなってしまったり。そういった想いは、直属の上司や先輩にこそ相談しにくいことがあるのではないでしょうか。アルムナイの方は、パーソルキャリアのことをよく知ってはいるけれども、所属としてはパーソルキャリアではない方。新人の方がふとしたときに、実は本音を話しやすい距離感にあるのかもしれません。
社風もあるのでしょうが、アルムナイの方は元パーソルキャリアの方なので、面倒見のいい方が多いです。新人の悩みへ真摯にアドバイスしてくださり、見逃せない気持ちの変化があれば人事へ共有してくれることもあります。「あの新人さん、最近悩んでいるみたい」「最近仕事が楽しいと喜んでいたよ」、と、アルムナイ社員と社内が情報共有をしておくことで、より質の高いマネジメントを行えると期待しているところです。
現在は ②わかる ③できる のアウトプットを中心としたフェーズでアルムナイの方へ協力をいただいていますが、今後は ①知る ②わかる のインプット中心のところでもご協力いただけたらと考えています。たとえばひとつのアイデアですが、みんなが憧れるような成果を上げていた方が、座学で「顧客志向」をテーマにエッセンスを語ってくれたら面白いかもしれない。アルムナイの方との協力の仕方も様々な可能性を探りながら、よりよい新人教育を考えたいです。
- ※社員の所属組織および取材内容は取材時点のものになります。
- ※社員の所属事業部名称は、2025年4月時点での名称となります。
監修者:HATARACTION!編集部
"はたらく課題"と"ビジネス"をつなげてとらえ、自分ゴトとして、その解決プロセスを楽しむパーソルキャリアの社員をご紹介します。
