ナレッジ・ノウハウ集
2025.10.09
キャリア採用とは?中途採用との違いやメリット・デメリットについて解説
キャリア採用とは
キャリア採用について
キャリア採用は、社会人経験を持つ人材を対象とした採用手法です。新卒採用とは異なり、すでに職務経験を積んだ方々が対象となります。一般的には、専門性やマネジメント経験を持つ人材を、特定のポジションに向けて採用する仕組みとされていますが、企業によってその定義や対象範囲は異なります。
実際には、キャリア採用の求人では「未経験歓迎」と記載されるケースも多く、異業種からの転職者を受け入れる企業が増えています。これは、異業種・異職種からの転職者を積極的に受け入れ、新たな視点や経験を組織に取り入れたいという企業の意図が反映されているためです。したがって、キャリア採用=即戦力採用と一概に定義することはできず、企業ごとの採用戦略や求める人材像によって、その内容は大きく変わってきます。
パーソルキャリアでは、キャリア採用を「中途入社者全体の採用」として幅広く捉えており、専門性の高い経験者から、新たな分野にチャレンジしたい未経験者まで、多様な人材を対象としています。
なぜ企業はキャリア採用を行うのか
企業がキャリア採用を実施する理由はいくつかありますが、まず即戦力の確保が挙げられます。市場環境が急速に変化する現代において、企業は迅速に事業を展開する必要があり、すでに必要なスキルや経験を持つ人材を採用することで、育成期間を短縮し、早期の成果創出を実現できます。
次に、組織に不足している専門知識やスキルの補完という側面があります。テクノロジーの進化により、これまでになかった専門性が求められるようになっており、社内での育成だけでは対応が困難な場合があります。例えば、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのIT人材や、グローバル展開のための国際経験豊富な人材など、特定の専門性を持つ人材をキャリア採用によって獲得することで、組織全体の競争力を高めることができます。
育成コストの観点からも、キャリア採用にはメリットがあります。新卒社員を一人前に育てるには数年の時間と多額の教育投資が必要ですが、すでに基礎的なビジネススキルを身につけている中途入社者であれば、より短期間で戦力化することが可能です。
キャリア採用と中途採用の違い
ほとんど同じ意味合いで用いられる
「キャリア採用」と「中途採用」は、実際のビジネスシーンではほとんど同じ意味合いで使われることが多いです。両者とも「新卒採用以外の採用」を指し、社会人経験のある人材を対象とした採用活動全般を表現する際に用いられています。
実際、多くの企業の採用サイトや求人情報を見ると、「キャリア採用」「中途採用」という表記が混在しており、明確な使い分けがなされていないケースが大半です。パーソルキャリアにおいても、キャリア採用=中途採用=未経験も含む中途入社者全体の採用として捉えており、両者を特に区別することなく使用しています。
中途採用とキャリア採用の違い
一方で、企業によっては、キャリア採用と中途採用を意図的に使い分けているケースも存在します。このような企業では、一般的に以下のような区別をしています。
中途採用は、幅広い経験レベルを対象とした採用を指します。これには、第二新卒と呼ばれる社会人経験3年未満の若手から、業界未経験者、そして経験豊富なベテランまで、多様な層が含まれます。未経験歓迎のポジションも中途採用の枠組みに含まれることが多く、ポテンシャルや人物面を重視した選考が行われることもあります。
一方、キャリア採用という言葉を使う場合、より高度な専門性や豊富な実務経験を持つ人材に特化した採用を指すことがあります。具体的には、5年以上の実務経験を持ち、特定分野での専門知識や実績を有する人材を対象とすることが多いです。管理職候補や、特定のプロジェクトをリードできる即戦力人材の採用において、この用語が使われる傾向があります。
キャリア採用で転職した人の例
パーソルキャリアでは、多様なバックグラウンドを持つ方々がキャリア採用を通じて入社し、活躍しています。ここでは、実際にキャリア採用で転職した方々の事例を紹介します。
・営業職:矢山 侑樹さんの転職ストーリー
(▶キャリア採用インタビューはこちら)
不動産営業、外車ディーラーを経て、3社目でパーソルキャリアへ転職しました。「もう転職で失敗したくない」という強い想いから、自身の経験を活かして「仕事選びで悩む人を支援したい」とHR業界を選択しています。現在は転職サービス「doda」求人広告のリクルーティングコンサルタント(RC)として、中小企業の採用成功まで伴走。新規開拓から既存顧客フォローまで幅広く担当し、月間売上ギネスも更新しました。「やりたいことがなかった自分」から「キラキラしている自分」に変わったと実感しています。
・企画職:川島 宏子さんの転職ストーリー
(▶キャリア採用インタビューはこちら)
音大でピアノを学んだ後一般企業へ就職し、複数社で経験を積み、事業企画のエキスパートを目指してパーソルキャリアへ転職しました。発達障害のある子どもの育児と仕事の両立を率直に伝えた面接で、「やるべき仕事をきちんとやってもらえれば問題ない」と即答された経営陣の姿勢に感動したそうです。現在は時短勤務のアシスタントマネジャーとして、経営層と直接議論しながら全社戦略を策定。ピアノの「伴奏」経験をマネジメントに活かし、メンバーの強みを引き出しているようです。
・IT職:吉田 雅俊さんの転職ストーリー
(▶キャリア採用インタビューはこちら)
SIerでエンジニアの基礎を築いた後、「自社の事業成長に直接貢献したい」という想いでパーソルキャリアへ転職しました。年間100億円規模の「セカンドマッチ」システムの全面刷新という大プロジェクトを任され、3年計画で挑戦。AIマッチング精度を高め、決定数1.5倍という成果を達成し、全社アワードのファイナリストになりました。「人の心に残る仕事を技術で実現する」という信念のもと、営業職がより良い支援ができるよう技術面からサポートしています。
キャリア採用のメリット・デメリット
メリット
1. 経験・スキルを正当に評価してもらえる
これまで培ってきた実績や専門性が評価の対象となるため、新卒採用とは異なり、自分の実力に見合ったポジションや待遇での入社が期待できます。即戦力として迎えられることで、入社時から重要な仕事を任せてもらえる可能性も高くなります。
2. キャリアアップ・年収向上のチャンス
現職では実現が難しい役職への昇進や、新たな事業領域へのチャレンジなど、自身のキャリアビジョンに合わせた転職が可能です。特に専門性の高いスキルや需要の高い職種での経験がある場合、転職によって年収アップを実現できることもあります。
3. 視野が広がり新たな成長機会を得られる
異なる企業文化や業務に触れることで、今まで気づかなかった自分の可能性を発見できます。新しい環境での学びは刺激的で、スキルや知識の幅が広がり、将来のキャリア形成において貴重な財産となります。
デメリット
1. 新環境への適応にストレスがかかる
企業文化、仕事の進め方、人間関係など、すべてがリセットされた状態から始まるため、慣れるまでには時間とエネルギーが必要です。特に入社初期は戸惑いや不安を感じやすく、精神的な負担が大きくなることがあります。
2. 早期での立ち上がりが求められる
企業側の期待値が高いため、入社から早期での成果を求められやすいです。自ら積極的に学び、短期間で適応していく必要があるため、相応のプレッシャーを感じることもあるでしょう。
3. 転職活動に時間と労力がかかる
通常は現職場に在籍したまま転職活動を行うため、現職との兼ね合いやスケジュール調整などに労力がかかることが多いです。そのため、有給休暇を適切に活用して、現職に影響がでないように配慮しつつ、無理のない転職活動をしていく必要があります。
キャリア採用で成功するための準備
実績とスキルの棚卸しを徹底する
キャリア採用で成功するためには、まずこれまでのキャリアで達成した具体的な成果を数値化・言語化し、明確なアピールポイントとして整理することが不可欠です。
実績の棚卸しでは、単に「営業成績が良かった」「プロジェクトを成功させた」といった曖昧な表現ではなく、「前年比120%の売上を達成し、部門内で1位の成績を収めた」「3ヶ月間で新規顧客を15社開拓し、月間売上を500万円増加させた」といった具体的な数値を用いることが重要です。数値化が難しい業務であっても、「業務効率を改善し、残業時間を月平均20時間削減」「顧客満足度調査で前年比15ポイント向上」など、可能な限り定量的な表現を心がけましょう。
市場価値を正確に把握する
自身のスキルセットや経験が市場でどう評価されるかを理解することは、適切な転職活動を行う上で極めて重要です。市場価値を正確に把握することで、現実的な転職戦略を立てることができます。
まず、同業他社や類似職種の求人情報を幅広く収集し、求められているスキルや経験、提示されている年収レンジを調査します。転職サイトや企業の採用ページ、業界レポートなどを活用し、市場のトレンドを把握しましょう。特に、自身の専門分野における需要と供給のバランスを理解することは重要です。
転職エージェントとの面談も有効な手段です。プロのキャリアアドバイザーは、多くの転職事例を見てきた経験から、あなたの経験やスキルが市場でどの程度の評価を受けるか、客観的なフィードバックを提供してくれます。また、隠れた強みや、意識していなかった市場価値の高いスキルを発見できることもあります。
志望する業界・職種を明確にし、幅広い企業を検討する
転職活動を成功させるためには、まず自身が目指すキャリアの方向性を明確にすることが重要です。ただし、最初から特定の企業に絞り込むのではなく、業界や職種という大きな枠組みから考え始めることをおすすめします。
自身の価値観や興味関心を整理し、どのような仕事にやりがいを感じるか、どんな環境ではたらきたいかを明確にしましょう。ワークライフバランスを重視するのか、キャリアアップを優先するのか、専門性を深めたいのか、幅広い経験を積みたいのか、といった観点から自己分析を行っていくのです。
キャリア採用は通年募集ではない場合も多いため、興味のある企業の採用情報は定期的にチェックすることが重要です。企業の採用サイトをブックマークし、定期的に確認する習慣をつけましょう。
パーソルキャリアでは、様々なバックグラウンドを持つ方々を積極的に採用しています。営業、企画、エンジニア、コーポレート部門など、多様な職種で募集を行っており、未経験からチャレンジできるポジションもあります。まずはカジュアルな面談から始めることも可能ですので、少しでも興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
キャリア採用による転職を成功させるために
キャリア採用は、社会人経験を活かして新たなステージへ挑戦する重要な機会です。
重要なポイントは、キャリア採用と中途採用は多くの企業で同義として扱われており、経験者から未経験者まで幅広い層を対象としているということです。企業によって定義は異なりますが、共通しているのは、新卒採用とは異なる評価基準で、社会人としての経験や実績が重視される点です。
転職は人生の大きな転機となる決断です。焦らず、じっくりと自身のキャリアビジョンを描き、それを実現できる環境を探すことが大切です。時には専門家のアドバイスを受けながら、客観的な視点で自身を見つめ直すことも有効でしょう。
監修者:HATARACTION!編集部
"はたらく課題"と"ビジネス"をつなげてとらえ、自分ゴトとして、その解決プロセスを楽しむパーソルキャリアの社員をご紹介します。