ナレッジ・ノウハウ集
2025.12.11
キャリアアドバイザーとは?未経験から転職する方法や必要なスキルについて解説
キャリアアドバイザーとは?
キャリアアドバイザーの役割
キャリアアドバイザーは、転職希望者のキャリア形成を総合的に支援する職業です。求人紹介や書類添削だけでなく、将来像の整理や強みの言語化など、本人が気づいていない課題を明確にする役割も担います。
また、企業との橋渡し役として条件交渉や日程調整も行い、転職活動全体を最適化する伴走者として機能します。幅広い業務が求められるため、高い傾聴力と的確な提案力が必要とされます。
内定後も、年収交渉や入社日調整、現職の退職手続きのアドバイスまでフォローします。カウンセリング(個人面談)を通じて5年後、10年後のキャリアビジョンを共に描き、目先の転職だけでなく、長期的なキャリア形成を支援する伴走型のアプローチが、キャリアアドバイザーの価値です。
キャリアコンサルタントとの違い
キャリアアドバイザーは資格不要で従事できる職種ですが、キャリアコンサルタントは国家資格が必要です。もともとは民間資格でしたが、2016年に国家資格となり、養成講習の修了や国家試験の合格が必要になりました。
扱う相談範囲も異なり、キャリアアドバイザーは主に転職支援や職業マッチングに特化していますが、キャリアコンサルタントは転職だけでなく、現職でのキャリアアップ、職業能力開発などキャリア形成全般を扱います。
ただし、キャリアアドバイザーがキャリアコンサルタントの資格取得をして業務に活かしているというケースも多いため、厳密に業務が分かれているかというと必ずしもそうではありません。
キャリアアドバイザーの具体的な仕事内容
キャリアアドバイザーの仕事は、初回カウンセリング(個人面談)での深いヒアリングから始まり、求人提案、選考準備、内定後フォローまで多岐にわたります。特にカウンセリングでは、転職理由の深掘りや価値観の整理を行い、本人が気づいていない強みや適性を引き出すことが重要です。求人紹介では企業文化やキャリアパスまで含めてマッチ度を確認し、必要に応じて新たな選択肢を提案します。
キャリアアドバイザーの業務担当範囲は、企業によって異なります。転職希望者と企業の両方とやり取りをするケースと、転職希望者とのやり取りがメインで企業担当者は別にいるケースがあります。パーソルキャリアのキャリアアドバイザーは後者にあたるため、転職希望者への支援に集中できるポジションとなっています。
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※パーソルキャリアにはPA(プロジェクトエージェント)という、企業と転職希望者双方を担当する職種も存在します。
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キャリアアドバイザーに求められるスキルと資質
コミュニケーション力と傾聴力
転職希望者の話を引き出し、本音を理解するためのコミュニケーション力と傾聴力は、キャリアアドバイザーにとって特に重要なスキルです。
コミュニケーション力とは、単なるトーク力のことではなく、適切な質問を投げかけることで、転職希望者が自分でも気づいていない潜在的なニーズや魅力を言語化できるよう支援する力を指します。そして、高い傾聴力によって相手の立場に立ち、否定せずに受け止めながら話を聞くことで、安心して本音を話してもらえる関係をきずき、良質なヒアリングを実現します。
臨機応変な対応力とマルチタスク能力
一般的に、1人のキャリアアドバイザーが20~50名程度を同時に担当することが多いため、複数の転職希望者や企業案件を並行して進めるマルチタスク能力が求められます。その際、誰のどの選考がどのステータスにあるのかを把握しながら、案件ごとに優先順位をつけて対応していくことが重要です。
また、転職活動の支援を行っていくうえで、「急遽、数日後の面接日が設定される」「企業側からタイトな内定承諾期日を設定される」「転職希望者から内定辞退の意向を示される」など、予期せぬ展開が起こることも少なくありません。こうした場面で慌てることなく、冷静に状況を整理し、最適な選択肢を一緒に考える臨機応変な対応力が求められます。
情報収集力と労働法の知識
転職希望者を支援するうえで、労働市場や各業界のトレンドを日常的にキャッチアップする姿勢は欠かせません。業界ニュースサイトや経済新聞、専門誌の定期的なチェックを通じて、市場動向や採用ニーズの変化を把握することで、今後のキャリアの選択肢について、より現実的で具体的なアドバイスができるようになります。
また、法令や労働条件に関する基本的な知識を持つことも重要です。企業が出している募集内容が妥当かどうか、転職希望者にとってリスクになり得る点はないか、法令遵守がなされているかなどを判断しながら、安心してはたらける企業を紹介する必要があります。
営業スキルと目標達成意欲
マッチング数・成約数など数値目標を達成するための営業スキル、目標達成意欲も必要です。キャリアアドバイザーと営業職は、一見別職種にも見えますが、転職希望者や企業の課題を深く理解し、転職や採用を通じてどのように解決できるかを提案するという観点では営業職の側面も持ちます。
求人企業や転職希望者との交渉力、最終的な意思決定を後押しするクロージングの具体的な手法も重要です。双方の希望を丁寧にすり合わせ、WIN-WINとなる着地点を一緒に見つけていきます。内定後に不安や迷いが生じた際には、単に入社を促すのではなく、その背景にある気持ちを言語化し、不安を解消できるよう支援する姿勢が求められます。

未経験からキャリアアドバイザーになる方法
人事部で経験を積んでから転職する
企業の人事部や採用部門で得られるスキルは、キャリアアドバイザーの仕事に直接活かせます。面接担当としての経験は、短時間で人物を見極める力や適性判断能力を養ううえで有効ですし、人事としての知識は、企業の評価基準や昇進・昇給の仕組みを転職希望者に説明する際に役立ちます。
現職で人事に配属されていない場合は、社内公募や異動希望の活用、人事関連資格の取得(ビジネス・キャリア検定等)などで人事経験・知識をつけるといった方法もあります。
パーソルキャリアでは、自ら異動希望を出すことができるキャリアチャレンジ制度があります。詳細は以下をご確認ください。
接客・営業など他職種の経験を活かす
接客業や営業でみにつく顧客対応力・提案力もキャリアアドバイザーに転職するうえで役に立ちます。
ホテル、飲食、小売での接客経験は、さまざまなタイプの人と接する力となり、クレーム対応経験は転職希望者の不安に寄り添う力につながります。そして、前述したように営業職としての経験はキャリアアドバイザーに必要とされるスキルを養ううえで有効です。
また、他職種でも、専門性があれば業界特化型人材紹介会社で活かせます。たとえば、IT業界経験者はエンジニアの転職支援に、医療業界経験者は医療従事者のキャリア支援に特化できます。どの業界での経験も、その分野のスペシャリストとして価値を発揮できるため、これまでの職種で経験したことは大なり小なりキャリアアドバイザーになるうえで活かせると言えるでしょう。
未経験可の求人に応募してOJTで学ぶ
未経験からキャリアアドバイザーに挑戦する際は、未経験可の求人に応募し、入社後の研修やOJTを通じて実務を習得していく方法がおすすめです。多くの企業では、基礎知識を学ぶ座学研修に加え、先輩社員によるロールプレイや面談同行など、段階的にスキルをみにつけられる育成体制を整えています。
実際の転職希望者 との面談では、 最初は先輩のサポートを受けながら進め、徐々に自分で案件を担当していきます 。また、企業理解や求人票の読み解き方、労働法の基礎知識などもOJTの中で学ぶことができ、実務を通して専門性を深めていきます。
こうした体系的な育成フローがあるため、未経験でも安心してキャリアアドバイザーとしての一歩を踏み出せる環境が整っています。パーソルキャリアでも定期的に未経験歓迎の求人募集を出しているので、ぜひチェックしてみてください。
キャリアアドバイザーに必要な資格はある?
キャリアアドバイザーになるために必須の資格はありません。これは多くの人にとってキャリアチェンジのチャンスがあり、未経験で挑戦しやすい職種と言えるでしょう。
ただし、国家資格「キャリアコンサルタント」を取得しているキャリアアドバイザーも多く存在します。国家資格化されたこの資格は、養成講習の終了や試験合格が必要で、体系的な知識とスキルを証明できますし、資格保有者限定のネットワークなどのメリットがあります。企業によっては、資格取得のためのサポートとして手当を出しているケースもあります。
活躍しているキャリアアドバイザーのインタビュー記事
大久保 怜明さん
新型コロナ禍に伴う体制変更を機に一度社外へキャリアを広げた経験を持ち、再びパーソルキャリアに戻ってハイキャリア領域の転職支援を担っています。自身が“キャリアを自分で選択できる環境”を実感したからこそ、転職希望者にとって最適な選択肢を一緒に探す伴走型支援に強いやりがいを感じています。
▶インタビュー記事はこちら
林 沙紀さん
両親が長時間労働を強いられていた環境を見て「はたらき方がその人の人生に影響を与える」と強く感じ、人や組織の「はたらく」を支援する仕事を選びました。求人広告営業を経て現在は新卒学生を対象にキャリアアドバイザーとして、個人の想いやキャリア理解に寄り添う支援スタイルを展開しています。
▶インタビュー記事はこちら

キャリアアドバイザーへ転職するために
キャリアアドバイザーは、転職希望者の人生の転機に寄り添い、将来像を共に描くやりがいのある職業です。人事・営業・接客など多様なバックグラウンドが活かせるため、未経験からでも挑戦しやすい点も魅力です。
求められるスキルは多岐にわたりますが、根本にあるのは「人を支援したい」という思いです。まずは情報収集から始め、小さな一歩を積み重ねていくことで、キャリアアドバイザーへの道が開けていきます。
監修者:HATARACTION!編集部
"はたらく課題"と"ビジネス"をつなげてとらえ、自分ゴトとして、その解決プロセスを楽しむパーソルキャリアの社員をご紹介します。
