日本の隅々にまで、
パーソルキャリアのミッションを
広めるために。

執行役員 藤田 芳彦

地方における「はたらく」選択肢を広げる必要性

2023年度で、インテリジェンス時代を含めて勤続22年目を迎えます。ここまで長くはたらくことができているのは、パーソルキャリアが掲げるミッション「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」と、僕のこうあってほしいという社会のあり方が一致しているからです。

僕の出身は広島県で、なかでも都市圏ではなく地方で育ちました。社会人になり、同窓会などで地元の友人と話をしていると、仕事の悩みや愚痴、キャリア相談といった「はたらく」に関する会話が当たり前のように出てきます。そんな中で、モヤモヤしている友人に「じゃあ、転職という選択肢は?副業という選択肢は?」と尋ねると、煮え切らない返事が返ってきます。地方に行くとまだ転職に対してネガティブなイメージがあったり、就職したい企業が限定的であったりと、画一的なキャリア観があるように思いました。日本の隅々にまで「はたらく」を楽しむことを広めていくには、僕たちの活動を毛細血管のように張り巡らさなくてはならない、と思った瞬間です。

好きな業界、好きな仕事を続けてもらうためにできることがある

現在、当社ではミッションの解像度を上げて、人々が自らの意思で「はたらく」を選択して生きていく「キャリアオーナーシップ」、これを育む社会を創造していくことを目指しています。
会社から、「キャリアオーナーシップ」という言葉を初めて聞いたときは、とても、しっくりきました。会社から仕事をやらされるのではなく、キャリアを選択したり、自分自身で仕事を作り出したりしていく。その考え方が、日本全体に広がっていくことで、雇用のミスマッチを解消できると思うからです。「早く定時にならないかな」と思いながらはたらくよりも、自分自身で納得感のある意思決定をして仕事をしていると、もっと目的意識を持ってはたらく人が増えたり、もっと仕事が楽しくなったりすると思いますし、労働生産性にも寄与できるはずです。

このように思えるのは、地元の友人の存在だけではなく、ファッション業界専門の転職・採用支援サービスを提供する株式会社クリーデンス(現パーソルキャリアのクリーデンス事業部)の社長執行役員を務めていた経験も大きいです。

ファッション業界は、好きで入る人が多いですが、今いる会社では思っていたような労働環境ではなかったり、柔軟な働き方ができなかったり。待遇面の向上もあまり期待できないほか、キャリアパスが画一的だったりして、その会社に長く居続けられないと感じた結果、業界自体を去ってしまう人が少なくないのも実情です。でも、もともと掲げていた目標や成し遂げたいこと、やりたいことは、同業界の他企業で叶えられることも多くあると思い、クリーデンスとしてはファッション業界内の転職にこだわって運営をしてきました。なぜなら、すごく好きで入った業界――「本当は続けたい仕事」にとどまってほしいからです。

そのため、現在のクリーデンスでは、アパレル販売員の価値向上に取り組んでいます。具体的には、販売に関する知識やスキルを向上させたり、賃金アップの働きかけを行ったり。またアパレルメーカーの売り上げを伸ばすための、コンサルティングもしています。クリーデンスは、ファッション業界における最大級の転職支援サービスとして、ファッションが大好きな個人の方のために何ができるか、企業のためにやるべきことは何かを考えながら、日々、向き合っている。そうして、本当にお客さまが欲していることに寄り添うことができる組織を誇りに思います。

キャリアオーナーシップを育み、「はたらく」を楽しむことを日本中に張り巡らせる

「キャリアオーナーシップ」を育むために必要だと感じているのは、その人の可能性を広げられているか、複数ある選択肢に対して“納得感”のある意思決定ができているかということ。これは、僕が携わっている「dodaプラス」のサービスにおいて、大切にしていることです。

たとえば、転職希望者が気づいていない可能性をスカウトという形で示す。それによって、新たな道への選択肢を提供するということが「dodaプラス」の役割の一つだと考えています。しかも、キャリアカウンセリングを希望されていない方々、過去にdodaにご登録いただき、よい案件があれば活動したいという方々など、さまざまなニーズのお客さま対して価値をお届けできる。何より、対面での求人紹介が難しいエリアにも選択肢を届けられることに、大きな意味があると感じています。

とはいえ、まだまだ十分ではありません。地域のさまざまな企業とのアライアンスを組むことで、もっともっと私たちのミッションを日本の隅々にまで広げていけると思っています。僕が思い描いているのは、都市部だけでなく、日本のどこに住んでいても、画一的なキャリア観ではなく、多様な価値観で、多様なはたらき方ができるようになる未来。私たちパーソルキャリアだけでなく、地域に根差した企業と力を合わせていくことで、それが実現できるのではないか、と。

日本の隅々まで、自分の納得するキャリアを自分で選択し、やりがいを持ってはたらく人であふれている。そんな未来に変えていきたい。まだまだ、僕たちにできることがあるはずだと思っています。

  • 掲載している内容・肩書・社員の所属は取材当時のものです。