キャリアは自由で開かれたもの。
自分の価値を見つけることが、
幸せにはたらく日々につながる。

執行役員 松丸 友生

「はたらく」と「幸福度」の関係性

「キャリアオーナーシップを育む社会を創造する」というアクションは、日本ではたらく人々のために欠かせないものだと感じています。理由はとてもシンプルで、「はたらく」に費やす時間は、人生において非常に長いものだからです。多くの人たちは、1日8時間前後はたらいています。睡眠時間が8時間と仮定すると、起きている時間の半分は、はたらいていることになります。その時間がネガティブであると、人生の幸福度が下がると思うのです。きっとポジティブにはたらく人からサービスを提供されたほうが、受け手側の幸福度も上がるでしょう。

それだけではありません、労働生産性にも影響があるはずです。今、労働力人口が減少している日本において、少しでも労働力不足を補うには、幸せにはたらく人を一人でも増やして、労働生産性を上げていくことが大事なのではないでしょうか。

このような理由から、私は「キャリアオーナーシップを育む社会を創造する」必要があると思いますし、その先にある私たちのミッション「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」を実現しなければならないと考えています。それに、キャリアって、自分の力でコントロールしていくことができると私は思っています。でもそれに気づけていない人も多い。だからこそ、「変わりたい」と思っている人には、一歩を踏み出してもらいたいですし、そのサポートができればと思います。

30代半ばで「キャリアオーナーシップ」を体現できた

自分の力でキャリアをコントロールしていくことができる、と言いましたが、私の経験をお話しさせてください。私が本当の意味でキャリアについて考え出したのは、30代半ばのころ。それまでの私は、会社の辞令に従って、フロント・ミドル・バック・新規事業など、さまざまな部署を渡り歩いていました。ある日、ふと自分のキャリアを振り返ったときに、急に怖くなったことがリアルに思い出せます。「30代半ばにもかかわらず、中途半端な経歴の自分には、キャリアの軸と呼べるものがない。これから、どんなキャリアをつくっていけるのだろうか」「自分はどうありたいのだろうか」

これまでの経験から、自分自身の適性は管理部門にあるものの、私の管理部門での専門知識/経験と呼べるものはIRのみ。それは上場会社でなければ活用しにくいものです。それ以外は経理、人事、総務、法務、システムなど、多岐にわたる業務がありますが、いずれも専門性がないことには、採用においても育成においてもマネジメントにおいても自信を持てないため、「管理部門で生きていく」という決意ができずにいました。

そんな中で、「会社における自分の価値は何か」「管理部門において、今どのような人材が必要か」ということを考え抜くようになります。結果、事業のことが分かり、専門性を持った管理部門を統率できる人材になることが、自分の価値であり、市場においても本当の意味で管理部門の役割を果たせる人材になれるのだと腹落ちしたのです。

以後、私はいくつかの資格を取得します。業務として専門と呼べるまでの経験がなくても、その経験がある人たちと建設的な議論ができるようになるためです。取得したのは、管理会計や財務会計にまつわる資格、内部監査に関する資格、そして、ITサービスマネジメントもその一つです。昨今、サイバー攻撃などによる情報漏洩が後を絶ちません。もしも大量の個人情報が当社から流出した場合、パーソルキャリアのサービスを安心して利用できるでしょうか。できないでしょう。すると、当然ながらミッションも実現できません。そこで、データガバナンス、ITガバナンス、ITマネジメントなどのフレームワークを学び、当社に不足していることが何かを把握したうえで改善していくことにしたのです。同時に、それは私自身のキャリアオーナーシップを育む選択でもありました。

私たちの会社は、変革の小さな灯をともす

2023年の4月からは、社長直轄組織として新たに組成したガバナンス推進部でデータガバナンス領域や情報セキュリティガバナンス領域の強化をするための業務に携わっています。
また、ありがたいことに、CISO(最高情報セキュリティ責任者)にも任命され、足りない知識を補うために、夜間の専門学校にも通っています。忙しい日々ではありますが、ミッション達成のための自らの役割、価値を感じられていると同時に、キャリアに向きあい、選び、自ら意思決定できているので、仕事の幸福度が上がったように感じています。

現在の日本は、いまだに終身雇用の神話を信じる人が少なくありません。そして、そのなかで年功序列社会がつくられています。仕事がつらい、楽しくないと思ったとしても、転職や副業といったほかの選択肢に気づくことなく、その環境ではたらき続ける人もいます。自分たちに、「はたらく』を選ぶ権利があることに気づかないなんて、とてももったいないことなのです。

では、そのような人たちにも「キャリアオーナーシップ」を持ってもらうには、どうすればいいのか、に思いを巡らせています。まずは、啓発活動で、キャリアが開かれた自由なものであることを浸透させていき、社会構造そのものを変えなければなりません。パーソルキャリアは、小さな灯をともすことができれば、と考えています。

その灯を大きくすることは、1社でできることには限界があります。私たちのミッションに共感してくださる仲間を少しでも多く見つけ、ともに創り上げていくことが大切になってくるはずです。私が管掌するガバナンス推進本部を強化すること、いわば灯の守り人。決して、突風によりその灯が消えぬように、自分たちの力で守っていきます。

  • 掲載している内容・肩書・社員の所属は取材当時のものです。