世界中の人が「遊ぶようにはたらく」を実現するために。

執行役員 森 宏記

「ミッション」はパーソルキャリアの存在意義

人々に「はたらく」を自分のものにする力を――これが、パーソルキャリアの掲げるミッションです。英語にすると、「GIVE PEOPLE THE POWER TO OWN THEIR WORK-LIFE.」。重要なのは、「OWN(自分の)」です。いろいろな選択肢を自分でつくっていける状況とはなんだろう、とみんなで考えた時に浮かんだのが「OWN」という言葉でした。このミッションは、毎月、経営陣でポジティブな議論を重ね、2年掛かりで考えたものです。

ミッションを決めることが必要だと考えたのは、2016年頃。当時の僕たちは「パーソルキャリアの社会的価値」を意識しながら仕事をしていたものの、それをしっかりとした言葉にはしていませんでした。ミッションを決めることは、社会における僕たちの会社の存在意義を明確にする、ということでもあります。なので、会社にとって、絶対に必要なものだという確信がありました。

ミッションを策定する上で大切にしたのは、経営陣から社員にトップダウンで伝えるのではなく、社員の心のなかにあるものを紡ぎ出すことでした。みんなが大事にしていることって、なんだろう。そんな思いから生まれたのが、「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」です。みんな、自分のキャリアは、自分の手で選択していきたいよね、と。その甲斐もあり、社員アンケートでのミッションへの共感度は約9割。企業一丸となって、ミッションを推進して、日本をよい方向に動かすことをめざしています。

「遊ぶようにはたらく世の中」を実現したい

ミッションには、一人の社員としての、僕自身の思いも込められています。

時間を遡ると、就職活動を控えた大学生だった僕にとって、「労働」はできれば避けたいものでした。ずっとサッカーをしてきて、やりたいアルバイトもして、楽しいことばかりをしてきたのに、大学卒業と共に無機質な毎日を送らないといけないだなんて……。

そんな風に考えていた時に、ふと頭のなかに浮かんだのが「遊ぶように、はたらければいいのにな」という思いです。当時の自分は、「遊ぶようにはたらく世の中」ではない今を変えたい、と思っていました。そんな思いを笑いながら「いいね」と言ってくれたのが、面接官を務めていた現執行役員でした。そんなわけで、僕は旧インテリジェンスに入社することになるのですが、まさか、その時の思いがミッションの根底に流れるものになるとは思ってもみませんでした。

誰かが感動するレベルで、自分のしたいことをする

僕がしきりに考えていた「遊ぶようにはたらく世の中」。それは、「誰かが感動するレベルで、自分のしたいことをすること」です。趣味に極めて近いもの、とも言い換えられます。芸術家のようなものでしょうか。つくりたいものをつくった結果、それに感動する人が現れ、作品を購入してくれる。結果、それが生業となります。

「したいことをしよう。したいことができていないなら、できる場所を紹介したい。スキルが足りないなら、習得できる場を用意したい」。入社5年目に、当時の事業企画部に異動してからの僕が考えていたことです。

世界中の78億人に「キャリアオーナーシップ」を

「したいことをしよう」という考え方は、パーソルキャリアが社外にも広めようとしている「キャリアオーナーシップ」にもつながっています。これは、自分のキャリアを主体的に選択できる世の中を育んでいこうという考えで、まずはパーソルキャリアがそれを世に体現していこうと努めているものです。

結局、なぜ、「キャリアオーナーシップ」が必要なのかと問われれば、「そのほうが楽しくはたらけるから」という答えに行き着きます。みなさんは、予防医学研究者の石川善樹さんをご存知ですか?「ウェルビーイング(心身ともに満たされた状態を表す概念)」を学問ととらえ、さまざまな角度から研究をされている、この分野の第一人者です。
現代においては、医療環境は過去に比べるとかなり進化を遂げており、その次のフェーズとして、人が生きるうえでの環境が重要になってきます。その一つが、労働環境だと僕は考えています。

ウェルビーイングがここまで取りざたされている背景としては、人生100年時代と言われて久しいですが、その長い人生を単に疾病がないという意味での健康ではなく、どう満たされていて、幸せな状態で過ごせるか。これまでよりもっと広い意味で健康であることがより良い人生を送るために必要だよね、ということだと捉えています。
はたらくことにおいても同じで、単に残業が少ないとか、給料が高いということじゃなくて、一人ひとりが持っているOWNがいかに発揮できることが大学生だった僕が考えていた「遊ぶようにはたらく」ことにもつながるのではないかなと。
僕は、世界中のはたらく人々は、それぞれに「こんなことをしたい」という思いを持っていると信じていて、それに対して「いいね」と言ってくれる人や会社があって、その“はたらく”を実現できている状態を78億人に提供したいと本気で思っています。

そのために必要なのは、ともに目標に向かって突き進める仲間をつくること。現在、パーソルキャリアでは「doda」に次ぐ、新しいサービスを準備している真っ最中です。みなさんのなかにある「OWN」を発揮できる世の中を、まずは日本からつくっていきたいと考えています。ご期待ください。

  • 掲載している内容・肩書・社員の所属は取材当時のものです。