
「回り道が強みになる」自分らしいキャリアを築ける社会を目指して
執行役員 森田 咲
30歳を過ぎて感じた焦りと葛藤
自分のキャリアを振り返ると、決して順調ではなく、迷いや回り道が多かったなと思います。ただ、それらが無駄だったとは思っていません。結果論かもしれませんが、数々の迷いや、回り道があったからこそ、自分らしいキャリアだと感じることができています。だからこそ、そうした回り道も強みになるような社会を実現したいと思っています。
大学卒業後、私はイタリアへ1年半ほど遊学しました。当時は、就職氷河期であったこと、卒業後の仕事のイメージが持てなかったこともあり、両親に泣きついて、モラトリアム期間をもらいました(笑)。帰国後、楽しかったイタリア生活を引きずりつつ、就職活動をして、雑貨を取り扱う小さな商社に入社しましたが、動機も不十分で、仕事もきつく、すぐに辞めてしまいました。
その後、別の商社に転職をし、そこで初めて仕事の楽しさに目覚めました。私は、ある大手小売店様のOEM商品の企画担当をしていましたが、先方の人材が少なかったこともあり、内部に入り込んでとにかくいろいろなことをやらせてもらいました。商品の仕様について夜遅くまで議論したり、海外に出張してサンプルを作ったり、倉庫で不良品の検品をして原因を追究したりと、忙しいながらもやりがいや成長を感じ、楽しい毎日でした。
30歳を過ぎたころに別部門に異動になり、法人営業を担当したのですが、これまでの企画とは勝手が違い、任せてもらえる仕事も限られていました。「もっと責任のある仕事をしたい」という思いと現実とのギャップに日々焦りが募る中、「現状を打破したい」という思いで、国内の大学院に通いMBA(経営学修士/経営管理学修士)を取得することを決めました。
つまづきや回り道が自分らしいキャリアにつながる
仕事をしながら大学院を卒業し、新しい機会を求めて、私は再び転職活動を始めました。当時、登録していた転職エージェントから紹介された会社の一つに誰もが知っている外資系戦略コンサルティングファームがありました。まさか受かるわけないと思いながら、エントリーしたところ、9回の面接を経て内定となりました。
コンサルティング業界に漠然としたあこがれはありましたが、まったくの未経験。入社してからの一、二年は分からないことばかりで、本当に苦労しました。今までのやり方はまったく通用せず、自信喪失するばかり。「明日にでも辞めてしまいたい」という気持ちと「まだ何も成し遂げていない」という思いの狭間で日々葛藤していました。今思えば、優秀な人達に囲まれ、圧倒されて、自分の意見や自分の強みを見失っていたのだと思います。
そんな時にあるクライアントの現場変革プロジェクトを担当することになります。これが私の転機となりました。背水の陣の覚悟で、自分の過去の事業会社での経験を踏まえ、忖度なしで提案してみたところ、上司やクライアントから思った以上に良い反応が返ってきて、プロジェクト最後には、クライアントから感謝の言葉をもらえるまでになりました。それまで回り道の多かった自分のキャリアに対して、どこかで恥ずかしいと思っていましたが、それが自分らしさなのだと感じられるようになった瞬間でした。
その後、出産・復職を経て、最終的には、大企業の変革プログラムをリードするような経験もさせてもらいました。企業変革は、自分にとって大好きな仕事でしたが、同時にコンサルタントとして関わっていくことの限界も感じ始めました。

多様な「機会」をつくり出し、キャリアオーナーシップを発揮できる社会へ
そんな中、2023年にパーソルキャリアに転職しました。転職理由の一つは、自分自身が主語になって、事業をリードしていきたいと思ったこと、もう一つは、コンサルタントとして複数の変革に携わった経験から、企業にとって、「人や組織」は非常に重要な要素だと感じていたからです。人や組織に関わる事業を展開している企業はほかにもありますが、その中でもパーソルのグループビジョンである「はたらいて、笑おう。」やパーソルキャリアのミッションに共感して入社を決めました。
パーソルキャリアのミッションである「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」は誰もが自らキャリアを選び、築いていける、キャリアオーナーシップを発揮できる社会の実現を目指しています。一本道のキャリアだけではなく、回り道をしたり、時に転んでも、それを糧にして乗り越えていくことを受容し、肯定できる社会をつくるというこのミッションに、自分自身の経験が重なり強く共感しています。
また、社会が大きく変容していく中で、企業にとっても、変革の実現や競争力の向上のためには、多様なバックグラウンドを持つ人々との出会いや協業が欠かせないものとなっています。
入社後は、中期経営計画の策定をリードしてきましたが、人に向き合い、転職、副業、リスキリングなど多様な人材サービスを展開するパーソルキャリアだからこそ、社会に対して自分らしい選択をしやすくなるための新たな「機会」を創出し、貢献できると実感しています。
私自身も、さまざまな人によってつくっていただいた「機会」によって今、自分らしいキャリアを歩めていると感じますし、パーソルキャリアのサービスを通してより多くの人に「機会」を提供していくことで、グループ全体で「はたらいて、笑おう。」を実現していきたいと思っています。

- ※掲載している内容・肩書・社員の所属は取材当時のものです。