あらゆる選択肢の「はたらく」を肯定する会社へ

CBO(最高ブランディング責任者) 永田 大輔

社会課題と自社のミッションが直結しているからこその使命感

2022年4月1日、パーソルキャリアは全社横断ブランディング統括組織「BX統括」の立ち上げを発表しました。私は、CBO(Chief Branding Officer/最高ブランディング責任者)に就任し、パーソルキャリアのミッションをすべての企業・業活動に接続し、一気通貫したブランド価値が提供できるよう推進しています。

私は2011年に電通を退職し、自身で会社を立ち上げました。経営や事業開発、ブランディングなど企業の川上から、マーケティング、プロモーション、メディア、コンテンツなどの川下まで、企業や団体が抱える多様な課題をワンストップで解決していました。

そのなかで数百社と取引をしてきましたが、パーソルキャリアほど経営陣と現場の距離が近く、そして一丸となり、同じ思いではたらいている会社と出会うのは初めてのことでした。経営陣の言っていることが難解であったり、距離が遠すぎたりして、現場の社員が自分事化できないケースがよくありました。しかし、パーソルキャリアは両者の距離が近い。だからこそ、同じミッションやゴールを共有できるのだと感じました。

そしてパーソルキャリアが向き合っている社会には、未来に向けて解決していきたい「はたらく」の課題がたくさんあります。
約120の国と地域を対象にした「あなたは、日々の仕事に、喜びや楽しみを感じていますか?」という質問において日本は103位。今、日本では楽しみながら自己効力感を持って仕事をしている人が少ないのが実情です。

パーソルキャリアは『人々に「はたらく」を自分のものにする力を』というミッションを掲げています。社会の中で「キャリアオーナーシップ」(自分のキャリアを主体的に考え、選択していこうという考え)を持つ人が増えれば、もっと日々の仕事は楽しくなり、その周辺のコミュニティや、ひいては日本全体も元気になってくると考えています。

つまり、パーソルキャリアのミッションがもし達成されたなら、今の社会課題を解決することにダイレクトにつながっていく。今注目されている社会課題と自社のミッションがこれほどまでに接続されている状態になる企業はまれです。だからこそ、使命感を持ちながら、日々のブランディング活動に取り組んでいます。

「はたらく」の多様性を根づかせたい

書店のビジネスコーナーへ足を運ぶと、平積みされているのは年収アップやキャリアアップを題材にした本ばかり。もちろん、それも大切なことなのですが、パーソルキャリアは、あらゆる選択肢の「はたらく」を肯定する会社です。

パーソルキャリアは転職サービス「doda」のイメージが強い分、パーソルキャリア=転職サービスの会社と思われがちです。しかし、『人々に「はたらく」を自分のものにする力を』というミッションは、「転職活動を検討した結果、今は転職しないほうがいい」という選択をする人も支援したい、ということにつながります。つまり「はたらくの多様性を前提としたキャリアオーナーシップ」を世の中に浸透させたいなと考えています。

たとえば、子どもが生まれた社員の「今はキャリアアップよりも、家庭を優先したい」という選択をサポートすること。昇進しなければならない、次のステップへ歩まないといけないという先入観から人々を解放することができれば、キャリアの選択はより広がっていきます。多様なキャリアの選択肢にあふれ、一人ひとりの価値観や人生のフェーズに合わせて自己決定しやすい世の中をつくることで、幸せにはたらく人を増やしていく。そのようなことを経営陣から現場まで一丸となって考えている会社なのだというイメージを持ってもらえるよう尽力していきたいですね。

社会から信頼されるブランドになりたい

パーソルキャリアのCBOに就任する際に、自身のキャリアオーナーシップを振り返る機会がありました。はたらく時間は、人生において占める割合がとても多い。だからこそ、私は、いかに能動的に、楽しみながらはたらくかが、人生の幸せにもつながると考えてきたように思います。

もちろん、若いときはつらく厳しい仕事もありました。仕事に対するスキルもキャパシティもまだまだ足りておらず、「仕事をやらされている」という感覚が強かったように思います。しかし、それでは仕事に自分が振り回されていると気づいたのです。そこからは、自分自身がひとつの仕事にどんな意味があるのかを考え、自分なりのこだわりを込めて仕事をするようになりました。結果、自分なりの能動的な選択とその結果の積み重ねによって、はたらくことが楽しいと思え、人生の楽しさの幅も広がっていきました。まさに、キャリアオーナーシップを持てたからこそ、人生が変わりました。

キャリアにはこう歩まなければならないという共通の地図はありません。それぞれが、人生のフェーズに合わせて、自身の目指す方角を指しているコンパスをもとに、それぞれの価値観で自由に選択することが重要です。そして、そこでパーソルキャリアは多様な選択肢を提供しながら、その姿勢や取り組みを通して社会から信頼されるブランドとなれるよう活動を続けていきたいと考えています。

  • 掲載している内容・肩書・社員の所属は取材当時のものです。