調査・データ

|doda

2022年の職種別「平均残業時間」を調査
ひと月の平均残業時間は22.2時間で、前回より1.4時間増
業務のオンライン化が進み残業が減った「広報/PR/IR」と 「学術/メディカルサイエンスリエゾン」は、平均残業時間の少ない職種として新たにランクイン
最も増えたのはコロナ禍でニーズが高まる「商品企画/サービス企画」で10時間以上増

転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:大浦 征也)は、20~59歳のビジネスパーソン15,000人を対象に、職種別に残業時間を調査しましたので、結果をお知らせいたします。

■調査結果の詳細:https://doda.jp/guide/zangyo/

【調査結果サマリー】
2022年の平均残業時間は1カ月22.2時間で、前回より1.4時間増
・2022年は緊急事態宣言の発出がなく、リモートワークを縮小させる企業もあったことが要因の1つ

残業時間が少ない職種ランキングでは事務/アシスタント系が最多で、TOP10内に6職種がランクイン
・事務/アシスタント系はこれまで同様、全体的に残業が少ない傾向に
・TOP20には、業務のオンライン化が進んだ「広報/PR/IR」(-8時間・20位)と「学術/メディカルサイエンスリエゾン」(-7.3時間・7位)が新たにランクイン

残業時間が最も多いのは「プロデューサー/ディレクター/プランナー」と「ビジネスコンサルタント」
・コロナ禍で、業務のデジタル化を進める企業が急増し、「プロデューサー/ディレクター/プランナー」と「ビジネスコンサルタント」の平均残業時間は37.1時間に

・前回調査より最も増えたのは、コロナ禍でWebサービスが乱立する中、新たな価値創出が求められるようになった「商品企画/サービス企画」で+12時間
最も残業時間が多い年代×職種は「30代×クリエイティブ」
・さまざまなサービスのWeb化が進んでいること、実店舗からEC店舗へ移行する企業が増加していることなどによるWebサイト制作の需要の高まりを受け、平均残業時間は32.5時間に

■平均残業時間は22.1時間/月で、前回から+1.4時間
リモートワークの縮小などにより、平均残業時間は増加傾向に
2022年4月~6月の平均残業時間は22.2時間/月で、前回2021年の20.8時間から1.4時間増えました。2022年は緊急事態宣言が発出されなかったため、一部においてリモートワークを縮小するなどコロナ禍で制限していた労働環境を緩和する動きが見られたことが、前回よりやや残業が増えた要因の1つと考えられます。コロナ禍の影響が大きかった2020年(20.6時間)・2021年(20.8時間)と比較すると残業は増えていますが、コロナ前の2019年(24.9時間)の水準までには戻っていないことが明らかになりました。

残業が少ないTOP20職種の平均残業時間は前回の13.5時間より1.5時間増え、15.0時間になりました。しかし、1カ月の実働日数を20日とする場合、1日あたりの平均残業時間は0.75時間となり1時間以内に収まっています。また、残業が多いTOP20職種の平均残業時間は29.3時間で、前回の28.2時間から1.1時間増という結果になりました。

■平均残業時間の少ない職種
事務/アシスタント系が最多で、TOP10内に6職種がランクイン

職種分類別に見てみると、事務/アシスタント系職種が10位までに6つ、20位以内では9つランクインしました。前回調査でも、上位に事務/アシスタント系が多くランクインしていたことから、本職種の残業時間は全体的に少ないといえるでしょう。

職種別に見てみると、残業時間が最も少ない職種は「秘書/受付」で10.0時間でした。前回「秘書/受付」とともに1位だった「医療事務アシスタント」は、前回より+1.7時間で5位に順位を下げています。一方で、前回18位だった「美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)」は前回より-5.7時間で2位となり、大幅に順位を上げています。

TOP20までには、前回より-8.0時間の「広報/PR/IR」が20位に、前回より-7.3時間の「学術/メディカルサイエンスリエゾン」が7位に新たにランクイン。「広報/PR/IR」は、業務のオンライン化でイベント等の準備・実施にかかる時間が短縮されたのが要因の1つと考えられます。また、「学術/メディカルサイエンスリエゾン」は、コロナ禍で医師との面談のオンライン化が進み、アポイントや移動に時間がとられなくなったことが残業時間減少の要因の1つと考えられます。

■平均残業時間の多い職種
残業時間が最も多いのは「プロデューサー/ディレクター/プランナー」と「ビジネスコンサルタント」

職種別に見てみると、残業時間が最も多い職種は「プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)」と「ビジネスコンサルタント」で、37.1時間でした。「ビジネスコンサルタント」は、前回の12位(27.0時間)から10.1時間増。コロナ禍で業務のデジタル化を進める企業が急速に増えたことで、需要が伸びていると考えられます。一方、前回1位だった「設計監理/コンストラクションマネジメント」は9.4時間減で、7位となりました。

前回調査から+12.0時間と最も残業時間が増加した「商品企画/サービス企画」は、圏外から4位にランクイン。新しい生活様式が確立されていく中、巣ごもり消費を支える食品メーカーなど商品サイクルが早い業種や、オンライン化で競争が激化しているWebサービス関連業種などの間で、新しい企画や付加価値が高い企画、競合と差別化された企画が求められています。そういった背景の中で需要が高まり、残業増加につながったと推測されます。

■平均残業時間が多い年代×職種
残業時間が最も多い年代×職種は「30代×クリエイティブ」

残業が多い年代×職種のTOP3は、1位が「30代×クリエイティブ」の32.5時間、2位が「30代×建築/土木系エンジニア」の31.1時間、3位が「20代×クリエイティブ」の30.9時間で、30時間超えという結果になりました。比較的残業が多いクリエイティブ職は、さまざまなサービスのWeb化が進んでいることや、コロナ禍によるEC市場規模拡大とともに、実店舗からEC店舗へ移行する企業が増加していることなどからWebサイト制作の需要が高く、残業時間が増えたことに影響していると考えられます。

【解説】
今回の調査では、全体の平均残業時間が22.2時間で前回の20.8時間より1.4時間多くなり、コロナ禍で抑圧された経済活動が戻りつつあることが分かりました。一方で、コロナ禍以前に調査した2019年平均(24.9時間)よりは平均残業時間が少ないという結果となりました。これは、2019年に働き方改革関連法が施行され、2020年4月から残業時間の上限規制が中小企業にも適用になったことで、企業もはたらく個人も、残業を含めたはたらき方への意識が高まったためと考えられます。

職種ごとの特徴を見てみると、「平均残業時間の多い職種 ランキング」で3位と7位にランクインした「施工管理」や「設計監理/コンストラクションマネジメント」などが属する建設業界は、残業時間の上限規制の適用に猶予期間が設けられていました。しかし、災害復旧や復興事業を除き、2024年4月には上限規制の適用が始まります。今後、業務負荷を軽減し、長時間労働を抑制するためにデジタル化や人材の確保が急がれます。

また、「平均残業時間の少ない職種 ランキング」で7位と20位にランクインした「学術/メディカルサイエンスリエゾン」や「広報/PR/IR」では、昨年と比較し平均残業時間の減少が見られました。これはリモートワーク導入などによる業務のオンライン化が、残業時間減少につながったと考えられます。

■解説者プロフィール doda編集長 大浦 征也(おおうら せいや)
2002年、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。一貫して人材紹介事業に従事し、法人営業として企業の採用支援、人事コンサルティングなどを経験した後、キャリアアドバイザーに。担当領域は、メーカーやIT、メディカルやサービス業等多岐にわたり、これまでにキャリアカウンセリングや面接対策を行った転職希望者は10,000人を超える。
その後、複数事業の営業本部長、マーケティング領域の総責任者、事業部長などを歴任。2017年より約3年間、doda編集長を務め、2019年10月には執行役員に。2022年7月、doda編集長に再就任。転職市場における、個人と企業の最新動向に精通しており、アスリートのセカンドキャリアの構築にも自ら携わる。
社外では、公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル(SHC) 理事、一般社団法人日本人材紹介事業協会 理事にも名を連ねる。

調査概要】
対象者:20歳~59歳の男女
雇用形態:正社員

調査方法:ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
     (ネットリサーチ会社保有のデータベースを元に実施、doda会員登録の状況については不問)
実施期間:2022年8月22日~8月30日
有効回答数:15,000件
※ウェイトバックは、正社員の地域・年代・性別に合わせて実施しています
※調査結果の詳細は、平均残業時間ランキング【94職種別】< https://doda.jp/guide/zangyo/ >にてご確認いただけます。

■「doda」についてhttps://doda.jp
「doda」は、「はたらく今日が、いい日に。」をスローガンに、転職サイトや転職エージェント、日本最大級のdoda転職フェアなど、各種コンテンツで転職希望者と求人企業の最適なマッチングを提供しています。

報道関係者向け
本件に関するお問い合わせ


パーソルキャリア株式会社 広報部

TEL 03-6757-4266