
※創刊当時の「日刊アルバイトニュース」
総合人材サービス、パーソルグループのパーソルキャリア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:峯尾 太郎)が運営するアルバイト求人情報サービス「an」< https://weban.jp/ >より、平成のアルバイト市場の振り返りをお知らせいたします。
「an」は創刊50年以上の、日本で最も歴史のあるアルバイト求人情報サービスです。前身の求人誌「日刊アルバイトニュース」が1967年(昭和42年)に創刊して以来、さまざまな企業の採用を支援してきました。平成が終わろうとしている今、これまでのアルバイト市場の歴史を振り返り、社会情勢の変動が人々の働き方に与えた影響を取りまとめて発表するにいたりました。過去「an」に掲載された多くの求人情報から、平成の社会情勢を紐解き、今後のアルバイト市場について考察いたします。
■バブル期:1986年~1991年(昭和61年~平成2年)
アルバイト市場 |
【全体】建設ラッシュとファストフード・コンビニの相次ぐ開業により求人増加。24時間営業の定着
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社会・経済 |
1974年(昭和49年):セブン‐イレブン1号店開業 1980年(昭和55年):大半のコンビニが24時間営業に 1985年(昭和60年):男女雇用機会均等法制定 1989年(平成 元年):消費税導入開始(3%) 1990年(平成 2年):スーパーファミコン発売。一大ブームを巻き起こした 1991年(平成 2年):フリーターが新語として広辞苑に追加 |
■バブル崩壊・平成不況:1991年~2002年(平成2年~平成11年)
アルバイト市場 |
【全体】不況により製造・建設・物流業の採用ニーズは低下。販売・飲食・サービス業が存在感を増す 景気後退と、それに伴う経営合理化政策の影響で、高度経済成長期を支えた製造・建設・物流業をはじめとする、基幹産業の採用ニーズが著しく低下。市場全体の求人数は減少した。一方で、販売・飲食・サービス業の求人が占める割合は増加した。 【女性】「共働き世帯」が「専業主婦世帯」を上回る 平成以前は専業主婦が当たり前だったが、1990年代後半(平成初期)になると景気後退のあおりを受け、「共働き世帯」が「専業主婦世帯」を逆転して上回った※1。以後現代までその差は拡大している。 【人気のバイト】携帯ショップで働くことがステータスに 90年代になると携帯電話が普及。最先端の機器である携帯電話に携わる仕事は人気となり、携帯ショップで働くことが一種のステータスになるような風潮も見られた。 【フリーター】バブル崩壊による就職氷河期の影響で、フリーターが増加 バブル崩壊の影響で、国内の企業は新たな人材を得て育成する余裕がなく、採用活動が鈍化。80年代に人気だった「かっこいいからフリーターになる」という状況が打って変わり、4大卒でも正規雇用の機会に恵まれず、フリーターや派遣など非正規雇用での就業を余儀なくされる人が増加した。 【求人誌】WEBやモバイル版求人サービスの台頭 90年代に入ると、Windows 95や株式会社NTTドコモのiモード普及により、インターネットの利用者が急増。WEBやモバイル版の求人サービスが開始された。また、この頃は学生、社会人、女性などターゲットの属性に合わせて明確に求人広告媒体を分ける傾向に。 |
社会・経済 |
1995年(平成 7年):阪神淡路大震災。Windows 95発売。インターネットの普及はじまる 1996年(平成 8年):アムラーブーム、コギャルブーム 1997年(平成 9年):消費税5%に 1999年(平成11年):携帯電話が普及。株式会社NTTドコモのiモードが日本でスタート |
※1:「就業構造基本調査」労働制作研究・研修機構調べ
■近年:2002年~現在(平成14年~現在)
アルバイト市場 |
【全体】インターネット全盛期。求人サイトが激増 【人気のバイト】個人のさまざまなニーズに応える求人が人気 |
社会・経済 |
2008年(平成20年):リーマンショック 2011年(平成23年):東日本大震災 2014年(平成26年):消費税8%に 2016年(平成28年):「一億総活躍社会」の実現に向け、政府主導で「働き方改革」がスタート |
※2:労働市場データ https://weban.jp/contents/an_report/wp-content/uploads/2018/11/shijou-data201811.pdf
※3:学生人気アルバイトランキング(2017年版)https://weban.jp/contents/an_report/repo_cont/trend/20171218.html
<an編集長 川合 恵太より>
平成のアルバイト市場を振り返ると、日本の社会情勢が如実に表れていることがわかります。たとえば、今では当たり前となっているシフト勤務。これは平成初期に台頭したファストフード店やコンビニなど、24時間営業という新業態の店舗の増加に伴うもので、当時のライフスタイルの変化が働き方に与えた影響が伺えます。また、アルバイトの人気職種には、その時々の流行が反映されてきました。平成初期には、当時流行したボーリングやカラオケが、平成中期には携帯電話の登場により携帯ショップが人気となりました。そして近年では多様化する趣味嗜好により専門店やインスタ映えするカフェ、SNSを活用してファンを増やすショップ店員などに人気が集中しています。これからのアルバイト市場は、「外国人の雇用」や「高齢者の活躍推進」「同一労働同一賃金」など、さまざまな社会的課題を解決するために、よりアルバイトという働き方の重要度が増すことが想定されます。「an」はこれからもさまざまな人と組織の最適なマッチングを目指してまいります。
■an編集長 川合 恵太(かわい けいた)プロフィール
1995年に大学卒業後、制作会社に入社。インターネット黎明期から、デザイナー、ディレクターとしてウェブビジネスに携わる。1998年にはウェブコンサルティング会社を設立し、九州地方でインターネットを活用した地域活性化プロジェクトに携わり、有田焼のECサイトの立ち上げなどをリードする。その後、2008年に楽天へ入社し楽天証券へ出向。スマートフォン向けのサービス企画部門を立ち上げ、証券業界で最も利用されるアプリの1つにまで成長させる。2017年パーソルキャリアに入社し、現職であるアルバイト求人情報サービス「an」のプロダクトマーケティング部門統括部長として従事。
■「an」について< https://weban.jp/ >
「an」は、1967 年「日刊アルバイトニュース」として創刊。現在は、PC・スマートフォンなどで、全国のアルバイト求人情報を提供し、より多くの人と組織の最適なマッチングを目指してまいります。
■パーソルキャリア株式会社について< https://www.persol-career.co.jp/ >
パーソルキャリア株式会社は、パーソルグループの「リクルーティングセグメント」中核会社として、転職サービス「doda」やアルバイト求人情報サービス「an」をはじめとした人材紹介、求人広告、新卒採用支援等のサービスを提供しています。2017年7月より、株式会社インテリジェンスからパーソルキャリア株式会社へ社名変更。グループの総力をあげて、労働・雇用の課題の解決を目指します。
■「PERSOL(パーソル)」について< https://www.persol-group.co.jp/ >
パーソルは、2016年7月に誕生した新たなブランドです。ブランド名の由来は、「人は仕事を通じて成長し(PERSON)、社会の課題を解決していく(SOLUTION)」。働く人の成長を支援し、輝く未来を目指したいという想いが込められています。
パーソルグループは、人材派遣サービスの「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」やアルバイト求人情報サービス「an」をはじめとし、ITアウトソーシング、設計開発にいたるまで、国内外の幅広い企業群で構成されています。グループのビジョンである「人と組織の成長創造インフラへ」を実現するために、労働・雇用の課題の解決に総合的に取り組んでいます。