
対談・座談会インタビュー
2024.10.01
重ねたキャリアはゼロにならない!古巣の同じポジションでキャリア再開できた理由は「専門性」
約5年間のブランクを経て、パーソルキャリアへ再入社した浅井 律衣。そのアルムナイを積極的に後押ししたのが、退職当時の上司だった近本 英人。夫の海外赴任に帯同して退職したことにより“キャリアがリセット”されたように感じていた浅井と、程よい距離感で寄り添いサポートした近本との、リファラル成功秘話をお届けします。
Profile
コーポレート本部 GRC統括部
1987年、学生援護会に入社し求人広告営業・管理職などに従事。2006年インテリジェンスとの経営統合後、営業管理職などを経て、2011年より審査グループ、2020年より契約・法務相談グループマネジャーとなり、GRCを推進中。同時に全求協やJARO等、業界団体の委員活動も兼任する。2024年8月からは定年再雇用制度を利用して現職。
コーポレート本部 GRC統括部 法務・コンプライアンス部
2007年、旧インテリジェンスに新卒入社。dodaの求人広告営業に携わったのち、請求・売掛業務から審査業務へ異動。以降、2019年に配偶者の海外赴任に伴い退社するまで、審査業務に従事。2023年の帰国後に再就職活動を開始し、2024年3月、に元上司のリファラルにより、アルムナイで再入社。以前と同じ求人審査業務に復帰。
「審査」はHR業界特有のニッチな業務。その経験値は持っているだけで貴重!
私は新卒で2007年にパーソルキャリアの前身のインテリジェンスに入社しました。最初の3年半ほどは求人広告の営業を経験し、その後は請求・売掛関連の部署に2年ほど在籍しました。そして2012年ごろから2019年に退職するまでずっと審査グループに所属していました。その審査グループにいた時の上司が近本さんです。
私は審査グループに2011年から、11年ほど在籍していました。ちょうど浅井さんがグループメンバーに着任した当時はネットビジネス台頭の副次的な影響として、不適正な広告も増えてきたころ。さまざまな業界・職種においてもサービスの形態が大きく変化していく中で、われわれ人材ビジネス業界も、サービスの運用面でさまざまな法規制を受けるなど、行政機関や社会からの監視強化がより高まった時期でした。
まさにそうでしたね!そして、審査の基準に少しずつ法律が絡んでくると、その周辺を調べて理解していくのが楽しくなっていきました。
また、もともと営業職だったため、営業担当が困りそうなポイントをイメージしやすく、求人審査に関する研修を任された時にはフロントと近いところで業務に携わるおもしろさと、審査とフロントの橋渡しとなる役割に、とてもやりがいを感じていました。
私たちとしては審査機能をより強化しなければならない時代の過渡期で、浅井さんには当時の重点施策だった審査の申請システム構築や全国のオフィスをまわって研修を行う情報発信業務を主導してもらっていました。
事業におけるリスクマネジメントの中核機能としての意識と強い変革心を持って、その役割を果たしていくことがグループに求められていた時期でもあり、浅井さんへの自身の期待値の高さだったり、もちろん活躍ぶりだったりは今でもよく覚えていますね。
審査グループの中には「企業審査」と「求人票・求人広告表記審査」、「広告苦情相談」の3つの領域が包括されています。媒体への広告掲載が適正かどうかを判断する掲載元企業の審査業務から、広告における表記ルールが守られているか、正しく表記されているかなどなどのチェック。それらを適正に訂正していくのがミッションです。
募集主の事業内容や募集情報について、しっかり事実と照らし合わせて審査・適正化を促進することで求人・求職のミスマッチを防止するのみならず、とくに、そのことによって個人ユーザーが危険な目に遭ったり、不利益な条件での就労を余儀なくされたりなどのリスクを回避することが、審査としてもっとも重要視している職責だと思っています。
そして、業界団体での協議・連携や勉強会なども盛んに行われている領域なんです。まさに、HR業界でしか通用しない非常にニッチな部分ではありますが、なくてはならない業務であるところも大きな特徴です。
海外生活で約5年のブランク。「キャリアがリセットされる」と焦る日々を経験
はい。もともと夫に海外赴任の可能性があることは知っていましたが、内示が出て初めて、「どうしよう……」と。そんな私に、「日本に残ってもいいよ」とか、妻には就労ビザは下りないのにもかかわらず、「向こうではたらけないか掛け合ってみるよ」などと、いろいろ考えてくれる夫を見て、やはり夫のそばで支えようという覚悟が決まりました。
これを機に、海外生活を通じて自身のことをゆっくり見つめ直し、やりたいことをしてみようという気持ちも生まれましたね。
私も上司として残念でしたが、浅井さんの決断は当然リスペクトしました。一方で、ご主人の任期は3~4年の時限的なものだと聞き、帰国の折には「ぜひ、連絡がほしい!」と伝えて送り出しました。
浅井さんが、生活拠点を海外に移して以降は、直接的なコミュニケーションはとっていませんでしたが、他のメンバーを通じてつながりを持つことを大切にしていました。
はい、正直最初からは考えていませんでした。海外生活では、私のように夫に帯同するために仕事を辞めてきた女性とたくさん出会いました。中には、帰国後のキャリアをとても心配している人もいましたね。
私がHR業界にいた話をすると、帰国後の再就職について相談されることが多くて。帯同する妻は海外生活ができて楽しそうで羨ましいと言われることも多いですが、海外生活ならではの苦労も多く、就労のブランクも不安です。私も現地で大学に通って学びましたが、帰国後のキャリアを考えて「履歴書に書くため」という理由で勉強する方もいましたね。
私は浅井さんが4年後に「予定通り、帰国する」となった時には率直にうれしく、メッセージをもらった時にはもう、「さっそく、パーソルキャリアへの復職を勧めよう!」と強く決意しました。まったく迷いがなかったです(笑)。でも、浅井さんは別の会社も検討したいとかで……。
まず帰国前に、HR業界の需要の高さと魅力を再認識したことで、「業界に戻ろう」という気持ちは固まっていました。ただ、30代後半で、ほぼ5年近いブランクができてしまったことをネックに感じていました。
帰国後、人材紹介サービスでカウンセリングを受けたり、人事部で採用のお手伝いのような仕事をさせていただいたりした時に、自分の経歴には市場価値がなく、「これまでのキャリアが完全にゼロになってしまった」という感覚だったんです。またイチから積み上げていかなきゃいけないんだ……という想いで、実はすごくマイナスの気分で再就職活動を始めていました。
仕事を通じた信頼関係や、人としての期待値の高さなどは、浅井さんをリファラルで支援したい理由の1つであったことは事実です。ですが、先にも触れたように求人広告サービスの適正化には、業界が一丸となり、自主規制によってこれを果たしてきた歴史があります。
やはりこのことに精通し、かつ継承する人材を持つことは事業として、また業界として、非常に価値のあることなので、浅井さんはとても貴重な人材なんです。審査業務はもちろん、研修資料の作成や実施を通じて、浅井さんが在籍時に果たしてきた役割を踏まえても「こんな貴重な人材を逃しちゃいけない」というのは、前々から抱いていた想いですね(笑)。
だからこそ、戻ってきてほしい気持ちは人一倍強かったんですよ。でも焦らず、ゆっくり話を進めることにしました。
止まっていたキャリアを再開できる。アルムナイを全面に活かし元上司がリファラル支援
元上司である近本さんに帰国報告をした際、アルムナイで戻ってくることを勧められて、本当にうれしかったです。現在の組織体制や会社の方針がどのように変わったのかを細かく説明してくれ、わざわざ現在のマネジャーやゼネラルマネジャーとの対話の場もセッティングしてくれました。
そして再入社したら、どんな仕事を任せてもらえるのか、私に期待する役割などもイメージできました。リファラルだからこそ、そこまでお膳立てしてもらえたのだと感謝しています。
HR業界のみならず企業社会全体として求められるレベルに沿ったGRC(ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス)が強化される動きの中で、パーソルキャリアでもその本質的な取り組みが始動しています。
現在、私は契約・法務相談グループに所属する立場となりますが、この組織を強くしていく上で、また連携してさまざまな施策を実行していく中で、浅井さんへの信頼度は非常に大きなものだったので、リファラルには迷いはなかったですね。
コンプライアンスに対する意識の高まりや多様なはたらき方が浸透し、以前より労働環境が大きく変わっていました。職業安定法の改正やフリーランス新法など、労働にまつわる法整備が続き、社会や法令の変化にあわせた基準の見直しを積極的に推進しているという現状の業務内容や今後の方針を聞き、このタイミングで基準改定に関わることにも興味が湧いてきました。
だから、パーソルキャリアを活躍の場として再チャレンジしてもらうことが、浅井さん自身のさらなる成長につながり、今後のキャリアの選択肢を増やすことにもつながると、私はシンプルにそう思っていたんですよ。
近本さんのおかげで、もともと従事していた業務に戻ることができて、ブランクを早く埋めることができそうだと知ったときはホッとしました。退職前はリーダーでしたが、復帰後はマネジメントをめざす道もできていて、他社でやり直すより明らかに近道だというのもうれしかったですね。
また、グループ会社も含めたキャリアチャレンジ制度を利用すれば、この先、自身の価値観に合った進みたいキャリアを模索できる可能性も示してもらい、近本さんが私の気になっていた懸念点をすべて払拭してくれる結果になりました。
パーソルキャリアだけではなく、パーソルグループ内でもキャリアパスを検討できる機会があるため、浅井さんが思っている以上の可能性があると伝えましたね。
最初は「リセットされてしまった」と思っていた自身のキャリアが、「パーソルキャリアなら再開できる」んだとわかった時は、うれしかったですね。当時、他に内定をいただいていた会社と比較しても悩むポイントは何もなく、「選ばない理由がない」という状態でパーソルキャリアへの再入社が決まりました。
アルムナイは紹介される側の心理的な負担にならないこと。イーブンな関係性が正解
浅井さんは、「今回が、年齢的にもターニングポイントになる」みたいな話をしていたんですが、それはちょっと違うなと伝えましたね。月並みだけど、今の時代、多様性をもっと活かせるはたらき方や選択肢は山ほどある。それは決してパーソルキャリアやHR業界に限らないし。なので、年齢を気にせず、もっと柔軟に考えてほしくて。
まさにその通りで、再就職には慎重でした。並行していくつか他社を検討していたので、「もうちょっと考えてみたい」と素直に伝えたところ、近本さんは嫌な顔ひとつせず、「そうだよね」って待っていてくれたのもありがたかったです。
そこはきっちりイーブンであることを意識していました。リファラルのデメリットとして、紹介された側が「責任を果たそう」「期待に応えよう」と過度なプレッシャーを感じてしまうことがあるとよく言われています。
あるいは、入社後にミスマッチを感じても言い出しづらく辞めづらいなども。それではお互いに幸せなリファラルにはならないですよね。「○○さんの紹介した人」だから恩や義理があるわけでもなく、もし退職することになったら逆に気楽に相談してもらえるくらいお互いにイーブンな関係がベストだと思うんです。
紹介する側は、相手の心理的負担を取り除いたコミュニケーションをとるべきで、単純に転職活動の1つの手段なんだと考えた方がうまくいくと思っています。だから浅井さんにも、ゆっくり考えてほしいと思っていました。
実は、退職してから外の世界に触れて、さまざまなコミュニケーションスタイルの方がいらっしゃることを再認識しまして。私は、新卒からずっとパーソルキャリアだったので、すっかりそのスタイルがフィットしていたんだと思います。なので、あらためて近本さんをはじめパーソルキャリアの社員の人たちと接してみると、やはり懐かしい“人の魅力”や“社風に合う”ということを実感しましたね。
仕事面はどうでした?ブランクがあることでの不都合や違和感はありましたか?正直に(笑)。
実務面では、とくに審査のレギュレーションが厳しくなり、パーソルキャリアにも“大手らしさ”を感じました(笑)。以前の審査では、フロントやお客さまとの調整に難航することも少なくなかったのですが、今はすんなり受け入れてもらえることがほとんど。審査への理解と介在価値が浸透していることに喜びを感じましたね!
それは良かった。パーソルキャリアはGRCの分野でも、しっかりとした組織戦略のもとで強化を果たすことで業界をリードできるようにこれからまさに組織が生まれ変わっていくタイミング。今回、浅井さんに自分なりの言葉でパーソルキャリアの良さや課題などを忌憚なく伝えられたことで戻ってきてもらえることになり、また何より、気心の知れた仲間とまた一緒に、仕事ができることをうれしく思っています。
本当におかえりなさい!一緒に頑張っていこう。
- ※社員の所属組織および取材内容は取材時点のものになります。
- ※社員の所属事業部名称は、2025年4月時点での名称となります。
監修者:HATARACTION!編集部
"はたらく課題"と"ビジネス"をつなげてとらえ、自分ゴトとして、その解決プロセスを楽しむパーソルキャリアの社員をご紹介します。