プロジェクトストーリー

2023.12.22

「採用広報はつくって終わりじゃない」。1人では限界でも、チームなら素晴らしい成果を導ける

採用ツールの企画・制作を通じて、顧客企業の採用広報・採用ブランディング支援を行う「採用プロモーショングループ」。2019年からお客さまであるNTTデータグループ様と採用オウンドメディア「人と仕事、キャリアを伝えるWEBマガジン『UpToData』」の企画・制作・運用をご支援している。

これまでに通算240本のコンテンツを安定的に公開し、メディアは年間100万PV、月100件もの直接応募を獲得するサイトにまで成長。2022年度にはIndeed主催「Owned Media Recruiting Award 2022」総合部門で入賞し、年間500名超もの「転職という意思決定」を下支えすることに貢献した。

その華やかな活躍の裏側にあった、決してスマートな成功譚ではなかったというチームにスポットを当てたプロジェクトスーリーをご紹介する。

このプロジェクトは「MISSION VALUE Award2023」でシルバー賞を受賞しました。

PROFILE

仁⽊ 俊輔

採用ソリューション事業部
制作統括部 制作部 採用プロモーショングループ エキスパート

新卒でSIerのSEとしてキャリアをスタートしたのち、⼈材業界の求人広告制作ディレクター、企画会社でのプランナー/ディレクター等を経て、2016年2⽉より現職。「世の中にインパクトを与える企画ができそう」と、ポートフォリオを持参し、“募集していない職種”を希望して面接を受け、旧インテリジェンスに入社した。以来、プランナーとして企業の採⽤広報の企画・制作の⽀援を担当。今プロジェクトでは顧客企業の働く魅⼒を⾔語化し、就職・転職市場でその魅⼒を正しく伝えるための採用広報企画を担当。

⻘⽊ 芙実⼦

採用ソリューション事業部
制作統括部  制作部 コンテンツビルドグループ 制作ディレクター

新卒でアパレル販売に従事するものの、⼤学時代に情報メディアを専攻しており、「メディアを通じて誰かの⽣活や⼈⽣を変える仕事に関わっていきたい」という思いも強く、2016年2⽉、パーソルキャリア(当時インテリジェンス)に転職。アルバイト情報メディアの営業、「doda」原稿制作を経て、制作部内で顧客の課題解決のための広告提案・制作を担当。2022年4⽉から、現職となり、プロジェクトでは「納期を厳守し、品質の⾼い制作物を提供する」ことをミッションにディレクターを担当。

遠藤 和徳

採用ソリューション事業部
SS統括部 SS第1営業部 エキスパート

あえて厳しい環境に身を置いて営業職で経験を積み、将来的にはどこに出ても通用するビジネスパーソンになりたいという想いを持って企業研究・選択をした結果、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を選び、2007年に新卒入社。以来、営業職ひとすじで2022年4月、本プロジェクトが「採用プロモーショングループの売上拡大につながる」という意義を感じ、通常のリクルーティング・コンサルタント(RC)業務を超えて参画を決める。

たった1人で始めたプロジェクト。お客さまにとってのあるべき姿を貫いた信念

まず、このプロジェクト発足のきっかけについて教えてください。

仁木
パーソルホールディングスのアカウント担当から、「NTTデータグループ様が約10年ぶりに経験者採⽤を再開される」とご紹介をいただいたのが2017年ごろでした。

当時は、SNSはもちろん、口コミ系のサービスやブログなどが盛んになり始め、まさに企業の「はたらく実態」がオープンになろうとしていた過渡期。僕たちもこの流れの中で企業自らが継続的に自分の言葉で情報を発信していく「採用オウンドメディア」の時代が来るんじゃないかと、いろんな会社にご提案を持ち込んでいたところでした。

どのようにプロジェクトが発足されたのですか?

仁木
2017年の時点で、NTTデータグループ様のキャリア採用活動は、まさに10年ぶり。年間20名程度しか採用をしていなかったところをグッと増やしていこうというフェーズでした。その中での僕のミッションは、採用活動の要であるキャリア採用ホームページを作り替えること。NTTデータグループ様のような IT業界を代表する企業様にこそ、率先してこうした新しい取り組みに挑戦いただく意義があると信じて、ご提案をしたのは3つのコンセプトです。

1:候補者に可能な限り情報を開示して「OPEN & FLAT」なコミュニケーションを取る。

2:「はたらく今」を発信し続ける「ALWAYS NEW」。

3:そして、現場社員も一体となって、全員で採用するカルチャーをつくっていく「ALL RECRUITERS」。

さまざまなご提案を続ける中で、このコンセプトに共感いただき、2019年1⽉ごろから採⽤ブランディングについてのご相談が徐々に具体化し、2019年12月、「人と仕事、キャリアを伝えるWEBマガジン『UpToData』」が公開されました。

しかし、公開後がもっと大変だったそうですね。

仁木
そうなんです。このころはチームも人数が少なく、組織体制の影響もあって実務担当者は私だけでした。自分で企画を考え、見積りや契約書の準備をし、外部パートナーのアサインや記事取材の立ち会い、メディア公開後のデータ分析、そして来期のご提案と──もう、やってもやっても終わらない状態でした。

お客さまはITのプロであり、プロジェクトマネジメントのプロでもあるので、プロジェクト進行やサイトの仕組みなど、当初想定していた以上に細かいご要望をひっきりなしにいただいていました。その一つひとつに応えることに必死で、「一歩先のご提案」にまで手が回らない日々が続きました。

大変な出だしの中で、何が原動力となったのですか?

仁木
NTTデータグループ様は、今年度には売上高4兆円を見据えるIT企業様です。当時この規模の企業様で、オウンドメディア型の採用広報に取り組んでいる企業様はほとんどありませんでした。転職希望者や人材紹介側から「会社が大きすぎて何が特徴かがわかりづらい」という声を耳にする中で、企業様の各組織がご自身の言葉で継続的にはたらく魅力を発信していく重要性を強く感じていましたし、実現することによるポジティブな成果を信じていたからですね。

この状況を打破するために、「社内でチームをつくるしかない!」という結論に至りましたが、人を増やすには相応の理由が必要でした。無理を承知で上司に協力を仰ぎ、今の採用プロモーショングループの “あるべきチーム像” を考えることから提案を始めて、2022年、ようやく8人の仲間がこのプロジェクトに加わってくれることになります。実に粘り強く、ここまで2年がかりでした(笑)。

選りすぐりのメンバーが集結。理想のカタチでプロジェクト再始動!

そして2022年、ようやく「プロジェクトチーム結成」となるわけですね。チームメンバーとその役割を教えてください。

仁木
企業の採⽤広報・採⽤ブランディングのご相談を受け、課題に基づく企画・戦略設計を⾏うのが私の役割です。プロジェクト受注後はディレクターや代理店様、デザイナー、エンジニアなどと協働し、クリエイティブディレクターとして企画を形に仕上げていくプロジェクトの全体指揮を執ります。
青木
私はディレクターとして、営業とプランナーが受注した案件の制作ディレクションを⾏っています。具体的には案件の進捗管理、ライター・カメラマン・デザイナーの調整・取材ディレクション、外部パートナーとの調整業務を行いながらお客さまに伴⾛し、制作物の蹴り出しから納品まで、責任を持って担う役割です。
遠藤
そして私が営業として、⼀次対応窓⼝となり、お申し込みや契約まわり、日々の調整などを全般的に担当しています。また⼈事本部や各分野のタスク管理、進捗管理なども私がやっています。
青木
ほかにデスク担当やインフラ担当、契約関連の担当など総勢8人のチームとなっています。

お2人がプロジェクトに参画したタイミングと理由・経緯について教えてください。

遠藤
僕は2022年4⽉に参画しました。もともと採⽤プロモーショングループの売上最⼤化のために、「仁⽊さんの負担をいかに減らせるか」がポイントになっていました。その介在意義を感じて、前任のRC(リクルーティングコンサルタント)からの引き継ぎを決意しました。

でも、それまでは側から見ていても業務が複雑で、RCの活動とは違うイレギュラーな対応が多いプロジェクトで、常にマネジャー陣が介入し、整理しながら進めているイメージがあって、正直な話、自分に担当できるか不安の方が大きかったですね。

青木
私は2022年7⽉、「UpToData」の記事出稿が増えてきたタイミングで、やはり仁⽊さんの負担を減らすべくジョインしました。当時の私は採⽤プロモーションチームに配属されてまだ3カ月程度で、正直オウンドメディアの運⽤は何をすればいいのかまったくわからない状況でした。とにかく最初はお客さまからの依頼に「即⽇対応」で真摯に向き合うことを意識して必死で⾷らいついていましたね。
遠藤
最初は何もルールやフローが決まっておらず、⼈⼒でその場の対応に終始していた印象でしたが、だんだん参画⼈数が増え、仕組化されてくると、仁⽊さんの⼿も少しずつ空き始めました。そして、やっとこちらからお客さまへのあるべきのご提案をできるようになってきました。
青木
そうですね。確かに、それまではプランナーと営業の⼈⼒で回していたプロジェクトでしたが、遠藤さんもジョインして、プロジェクトをすべてWBS(Work Breakdown Structure)上で可視化できるようになりました。お客さまや社内との定例ミーティングも毎週組まれ、運⽤がスムーズに進むようになり、NTT データ様の各分野からの「UpToData」記事掲載希望も順調に増え、⽉7〜10本以上の記事を安定して発信ができるようになりました。
仁木
実際、遠藤さんがプロジェクトマネジャーとして、全体を見てくれているんですよ。
遠藤
いや、そんな大したことはしていなくて、単純に仁木さんの弱みである進捗の管理をしっかりサポートしようというところで代わりにやっているというだけかなと思います(笑)。
仁木
僕はそこは異論を申し上げたいんですけど(笑)。ただ、企画に集中できるのはうれしいですし、進捗を細やかにウォッチしていただけるので遠藤さんのサポートは非常に助かっています。青木さんには担当人事の方と直接やり取りをしていただいて、制作面はお任せしています。ですから、僕のメイン担当は、お客さまの新たなご相談に対して企画・戦略を立てて受注してくることで、やっと本来の業務に集中できるようになりました!
遠藤
仁木さんに熱中してもらえるので、僕はちょっとだけ全体を見ながらサポートする感じで、ちょうど良い感じに落ち着いて、うまく走っていけているのかなと思いますね。

このチームは全員、専属ではないそうですね。

仁木
そうなんです。それぞれ皆さん、他のプロジェクトを持ちつつ、固定メンバーとして役割を持って入ってくださっていますね。
青木
私はほかにも複数社担当をしていますが、メインとなっているのはこのプロジェクトです。ご依頼もどんどん増えてきているので。
遠藤
僕もdodaの業務と半々くらいの割合ですね。RCとして、「doda」でもガンガン売ってますよ。「doda」はある意味、定型化されているものを販売するので売りやすく、売り上げも立ちやすいですが、このプロジェクトには型がなく自由です。その分、やり方もさまざまで時間もかかり大変ですが、想像以上におもしろいですよ!そもそも僕はRCの中でもマネジメントではなくエキスパート職を選び、新しい取り組みや、将来僕らが新たに担げるような商材開発も目標にしてやっているんですよね。
青木
「doda」を売るだけではなく、もっと自由度高く仕事ができることも、キャリアの幅が自然と広がっていくのもいいですよね!doda制作部も今まで「doda」の求人広告の制作で培ったスキルを、NTTデータ様の制作ディレクション業務のご支援に活かしていくという試みを初めて行っています。こういったプロジェクトを通して、doda制作部自体もどんどんキャリアの幅を広げていくことができるのではと感じています。
仁木
そうなんです。今回のプロジェクトは求人広告制作で経験を磨いた方々のネクストキャリアみたいな立ち位置として、上層部も捉えてくれています。メンバー交渉の過程でも、「そういう人材を投入して、貸し出すよ」という意味合いがあったんです。だからいいメンバーが集まったんですね(笑)。

「このメディアを軸に」と認めてもらえた達成感が、チームの自信と実績につながる

プロジェクトが成長するきっかけは何だったと思いますか?

仁木
やはり2022年の4⽉から営業担当や複数⼈の制作ディレクターをプロジェクトにアサインできたことですね。メンバーにボールを渡すことができるようになって、⼀気にすべてが好転しました!そして、みんながプロジェクトに参加してくれて少し安定してきた夏ごろに、お客さまから「この『UpToData』のメディアを軸に据えていきます」とうれしいお言葉をいただいて、僕の中でも大きく意識が変わったと思います。
青木
2022年までは掲載記事の品質⾯が課題になることが多く、記事に対して各分野の⼈事担当の方や責任者の方から厳しいお⾔葉をいただくこともあったんですよね。でも、クオリティチェックシートの運用の徹底や、制作ディレクターとデスクの2人でのチェック体制が功を奏し、品質が安定してきました。現在はお客さまから厳しい指摘をいただくことはなくなり、品質⾯でも⾼い評価をいただけるようになりました。
仁木
そうですね。そういう評価もあって施策の継続が叶い、その後の『Owned Recruiting Media Award 2022』の受賞などにもつながりました。⼈事本部と広報部の方々が密に連携できる雰囲気も、一気に高まっていきましたよね。

何が成功のきっかけ、要因だったと思いますか?

遠藤
僕は結局、やるべきことを、ちゃんとやったっていうことだと思うんですよ。
仁木
そうですね。何かあったときには報告をし、週次で定例ミーティングを実施し、その中でタスクをちゃんとこなし、積み上がってきたっていうのが理由なのかなと僕も思います。
青木
遠藤さんも細かくWBSで進捗をチェックしてくださり、管理体制も整ってきましたよね。私自身も、どんなに忙しくても、必ずその日のうちに電話を返すとか、メールを返信するとか、本当に些細なことですが、意識的に行動をするようにしています。
遠藤
今だと30〜40本のタスクが同時に進行していて、手を動かしている方々には、何をやっているのかもわからなくなるような状態ですから、やっぱりその整理が私の役目だと思っています。関わる人数も増えてきているので、社内での情報共有の場は大事にしていますね。

お客さまのミッションを “自分ゴト化” できたことで、どんどん広がる可能性

プロジェクトメンバーとしてのあり方や成長を感じる部分はありますか。

仁木
やはり、ここまでのことができたのは、プロジェクトメンバーが何より「自分がNTTデータの採用広報担当だったら」という意識で仕事に臨み、さまざまな失敗にもめげず、採用広報のありたい姿を追求してくれているからだと思います。
青木
個⼈的にはNTTデータの⽅々とお話する際に、多くの担当の⽅に「青木さん、かなりうちのこと詳しいから(笑)」と⾔っていただけることが増え、それもこの1年の成果だなと感じますね。
遠藤
青木さんも毎日のように、お客さま先へ訪問していますからね。私も2人のようにお客さまのことをお客さま以上に知った上で、攻めの姿勢で採⽤⽀援に取り組んでいくつもりです。
仁木
チームでは、お客さまと向き合う際の各メンバーのコミュニケーションの質を⾼めていく意識の引き上げ策として、NTT データ様の「Clients First」「Foresight」「Teamwork」などのvaluesについて学び実践することを目標にしてきましたよね。メンバーを見ていると、その外向きの努力で、自分たちの中にもグッと染み込んできたものを感じます。お客さまのミッションまで “自分ゴト化” できているんじゃないかなと思いますね。

これまでの一番うれしかったことと、今後の目標を教えてください。

仁木
何より一番うれしかったのは、70以上ある事業部の採用ご担当者様からのご相談を、タイムリーに受けられるようになったことですね。こうした体制強化の効果もあって、今では本当にさまざまな事業部様から多種多様なご相談をいただくようになりました。
青木
お客さまにとっては採⽤活動における⼀番のメディアが「UpToData」であり、転職希望者の⽅々にとっても、NTT データで働くイメージが⼀番イメージしやすい、わくわくするメディアが「UpToData」になればいいと。これが私の中ではこのプロジェクトの意義かなと思っています。
遠藤
むちゃくちゃご相談、増えていますよね。
青木
本当に!⼈事本部や各分野の担当の方々からの採⽤ピッチや LP、採⽤ポータルサイトのご依頼も多くいただいています。
仁木
もはや、インハウスのクリエイティブチームみたいになっていますね。でも、僕らの強みはまさにそこで、今やもう「UpToData」内の話だけでなく、事業部キックオフのプロデュースから組織エンゲージメントを高めるためのイベントや研修企画、組織クレドの開発などのお手伝いもしていますからね。
遠藤
現在社内で、「⼀番採⽤ブランディングが進んでいる企業はどこ?」とRCやRA(リクルーティングエージェント) などに聞いてみても、「NTTデータ」と答えてもらうことが増えました。それはオウンドメディアの運⽤で得た信頼を基礎に、いままでウチでやったことないような、さまざまな採⽤施策を実践できているためであって、これは他社への展開・汎⽤の視点でも⼤きいだろうなと思いますね。
仁木
時間はかかりました。そしてまだまだ道半ばだと思っています。採用広報は、「つくって終わり」ではありません。お客さまと一緒にベストな採用広報を考え続けるパートナーをめざして、もっともっとチャレンジングな仕事をしていきましょう。

  • 社員の所属組織および取材内容は取材時点のものになります。
  • 社員の所属事業部名称は、2024年4月時点での名称となります。
  1. TOP
  2. HATARACTION!for CAREER
  3. プロジェクトストーリー
  4. 「採用広報はつくって終わりじゃない」。1人では限界でも、チームなら素晴らしい成果を導ける