
独立直後に更年期の不調を経験された日本酒コンサルタントでLife for meプロデューサーでもある清永真理子さんに学ぶ、更年期の基礎知識と心とからだを大事にするはたらき方
23年間の会社員時代に出会った日本酒が、起業のきっかけに。また、自身の更年期の経験をきっかけに、企業研修や個人講座を通じて知識の普及にも取り組まれるなど、多彩なキャリアを歩むのが、株式会社WABI代表、そしてLife for meプロデューサー、清永真理子(きよまり)さんです。
昨年はご自身が体験された更年期に関する書籍『この不調、ぜんぶ更年期のせいだったの!?』を出版されました。長く活躍し続けるための心とからだの健やかな保ち方や、変化する自分と向き合いながらはたらくための方法や考え方を、パーソルキャリアのVoicy公式チャンネルのパーソナリティ 高山ゆかりさんと、当社 石井宏司がお聞きしました。
※本内容は、パーソルキャリアのVoicy公式チャンネル「はたらく応援ラジオ」から一部抜粋・編集してお届けします。以下より、全編視聴いただけます。
https://voicy.jp/channel/4657

清永 真理子(きよなが まりこ)さん
1969年1月生まれ。福岡県直方市出身。大学卒業後、株式会社リクルートにて23年勤務。営業・営業マネージャーとして、キャリアを重ねる。会社員時代に日本酒に魅了され、20年以上イベントを企画。2010年「5代目酒サムライ」叙任。夫の海外駐在に帯同するため退社し、1年間シンガポールに在住。
2016年「株式会社WABI」を設立。
女性にも男性にもある「更年期」と不調
初めに、誰しも聞いたことがある「更年期」とは具体的にどういったものなのか、清永さんに伺いました。更年期は女性・男性どちらにもあり、不調の現れ方はさまざま。女性の場合、更年期は閉経前後の10年間を指し、平均的には45歳から55歳の間に不調が現れる方が多く、これが“更年期の不調”と呼ばれています。一方、男性の場合は女性のように明確な期間はないものの、平均的に40歳から60歳の間に不調が存在するイメージとのことです。
「更年期の症状は200~300種類あるといわれ、多岐にわたります。不定愁訴も多く、ストレスや過労と誤解してしまい気づくのが遅れてしまいがちです。はたらきながら健康を維持するためにも、事前に更年期の正しい理解が必要」と語りました。
教師一家で育った子ども時代。初めて意思を持って挑んだ就活
「親戚一同が教師で、家と学校の境界線がない環境で育った」と清永さん。自分も教師になることに疑問を抱かなかったそうです。
初めて違和感を覚えたのは大学生のころ。教育実習に行き、学校というものと自身の考え方との間に違和感を感じた清永さんは、視野を広げるために一般企業への就職を決意し、親の反対を乗り越えて故郷の福岡から東京へ。就職活動を進める中で、第一志望を株式会社リクルートに決めたものの、不合格。他社から内定を得ていたが、偶然、採用説明会に遭遇し、飛び込みで参加したところ、なんと大逆転で入社が決まったとの驚きのエピソードが。清永さんは「補欠入社のようなものです」とお話しされましたが、この経験から、入社後は、他人の倍はたらき、周りの人に教えてもらって真似をするという意識が根づいたとのことでした。

営業一筋の会社員時代と、日本酒との出会い
清永さんは23年間にわたって、新卒で入社した株式会社リクルートにて、営業として、キャリアを歩み、個人・マネージャーとしてもMVPを多数受賞するなど、活躍されていました。そんな中、25歳のころ、地域活動の新規事業を通じて日本酒と出会い、その魅力に一気に引き込まれたそうです。そして、その魅力を発信するために日本酒のPRイベントの企画を決意。株式会社WABIを創業する前身の活動になっていきました。
清永さんはこうした自身のキャリアを振り返り、偶発的な出来事を活かした川下り型キャリアを築くことができた理由として、
1、「正解を求めない」:答えのない環境下でも、試行錯誤しながら自分の考えを磨く
2、「コンフォートゾーンを出る」:新しい環境や人間関係に適応することで成長できる
3、「体験してみる」:好きなことでも体験してみると違うと気づくこともある。まずは小さく体験してみるという3つがポイントだったと語りました。
47歳で始まった更年期の不調
清永さんが更年期の症状に気づいたのは、日本酒のPR活動で起業をして1年ほど経った47歳のころ。最初はただ疲れやすくなったのかと軽く考えていたものの、次第に倦怠感を感じることが増え、感情のコントロールが難しい、笑えない、パニック症状で飛行機に乗れなくなるなど、さまざまな不調に悩まされました。婦人科でも当初は更年期を疑われなかったため、症状の原因をつかむまでが大変だったといいます。更年期と分かってからは、ご自身のからだと向き合いながら、さまざまな治療法を試された経験談もお話しいただきました。

「更年期」とはたらく環境。回復のきっかけとはたらきやすい環境づくりのポイント
当事者としては、事前に更年期に対して知識を持ち、早めに気づけるようになること。そして更年期の不調を重くする要因である「身体」「環境」「気質」の3つを理解しておくことで更年期の不調に対処しやすくなる、とのこと。
また、更年期の症状と向き合いながらはたらき続けるためには、職場のサポートと理解が必要で、そのためには「知識」「話しやすい風土」「制度」が重要です。まず社員全員が必要な更年期を学び、共通言語を持つことで、相互理解を進めます。加えて、健康相談窓口や情報共有の場を設け、相談しやすい場を用意します。その上で、フレックスタイム制度や在宅勤務、休暇制度などを柔軟に活用しながらサポートを行うことで、キャリアを中断することなく活躍し続けることができるのです。こうした取り組みは、当事者がはたらきやすくなるだけでなく、多様性を尊重する職場風土の醸成にもつながると清永さんは更年期への職場の取り組み方をお話しされました。
清永さんからのメッセージ「体験は決して無駄じゃない」
「これから更年期を迎える方も、今まさに悩んでいる方も、決してその体験は無駄にはなりません。更年期は自分のキャリアや生き方を見直すチャンスです。からだと心の変化を前向きに捉え、再スタートの機会としてください」と清永さん。「私自身も更年期を通じてキャリアを再構築し、心身を大切にしながら社会に貢献する方法を見つけました。どんな体験も、将来への貴重な経験となります」。どんな時でも自分の体験を無駄にせず、前向きに捉える。キャリアオーナーシップを発揮するためのヒントを伺うことができました。

■清永真理子さんのご活動について
書籍:
・この不調、ぜんぶ更年期のせいだったの!?: 「ゆらぐ自分」とのつき合い方がわかる「読む処方箋」
・働く女性のための更年期講座 http://lifeforme.jp/
・きよまり更年期お役立ちメルマガ https://48auto.biz/kiyomari/registp/entryform1.htm
・Voicy「40代から人生を変えるラジオ」水曜8時パーソナリティ https://voicy.jp/channel/2571
・日本酒コンサルタント http://wabi-international.com/sake-consulting
■清永真理子さんのインタビュー全編は、Voicy「はたらく応援ラジオ」にて配信中です!
Voicyチャンネルの放送では、起業までのエピソードや、更年期不調の治療のために4年間で300万円を使われたお話、パートナーとしてのサポートをする上で大事にすべきことなど、貴重なお話がたくさん。ぜひ全編お聞きください。
※掲載している内容・社員の所属は取材当時のものです。