パーソルキャリアが企画・運営事務局を務める「キャリアオーナーシップ経営AWARD」(以下、AWARD)は、2025年で3回目を迎えました。2025年5月13日(火)にはグランプリと4部門の表彰式が行われ、33社・団体の代表者と、審査委員長の伊藤 邦雄 一橋大学 CFO教育研究センター長らが列席し、各企業の取り組みをたたえました。
今回は、AWARD事務局 兼 AWARDの共催である「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」(以下、コンソーシアム)事務局を務める当社の伊藤 剛と、本年度のグランプリを受賞したエーザイ株式会社の営業担当として表彰式に参加した、当社採用支援統括部ゼネラルマネジャーの末廣 聖子にAWARDやコンソーシアムの活動が、日常の当社での業務とどのようにつながっているかを聞きました。
キャリアオーナーシップ経営AWARDとは?
このAWARDは、2023年度から始まりました。創設の背景には、「はたらく」を取り巻く社会環境が変化する中で、一人ひとりの個人が自律的に成長し続ける「キャリアオーナーシップ」の重要性が再認識されたことがあります。
また、「キャリアオーナーシップ経営」とは、企業が経営戦略、事業戦略、人材戦略を連携させ、キャリアオーナーシップ人材を育成・活用することで、個人と組織の持続的な成長を実現する経営手法です。
AWARDは、「キャリアオーナーシップ経営」の先進企業の実践事例を共有することで、個人と組織の持続的な成長を実現する推進力を生み出すことを目指しています。
- 企画・運営:パーソルキャリア
- 審査委員長:一橋大学CFO教育研究センター長 伊藤 邦雄氏
- 実行委員長:法政大学キャリアデザイン学部・大学院教授 田中 研之輔氏
- 主催:キャリアオーナーシップ経営AWARD 2025実行委員会
- 共催:キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム事務局
第3回のグランプリ:エーザイ株式会社の取り組み
今回、エーザイ株式会社がグランプリを受賞しました。エーザイ株式会社では、社員一人ひとりが会社に依存するのではなく、「会社を活用する」という意識変革を促す仕組みや支援体制を整えています。特に評価されたのは、「エーザイ株式会社は人的資本経営の文脈において世界水準のレポーティングを行い、キャリアオーナーシップという観点でも先進的な取り組みを進めている」点です。

キャリアオーナーシップ経営AWARDとパーソルキャリアの日常業務のつながり
この表彰式を企画しているパーソルキャリアの伊藤 剛(以下、伊藤)とエーザイ株式会社の営業担当として参加した末廣 聖子(以下、末廣)に、AWARDの意義やエーザイ株式会社の取り組みについて聞きました。さらに、AWARDの共催である「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム※」の活動が普段のパーソルキャリアの業務にどうつながっているか、今後どのように企業側でのキャリアオーナーシップ醸成に寄与できるかについても深く掘り下げていきます。
※キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアムとは…多様な働き方と個人・企業の持続的成長を推進する任意団体です。パーソルキャリアが事務局となり、企業間の連携と情報共有を通じてキャリアオーナーシップを広める活動を行っています。(https://co-consortium.persol-career.co.jp/より)
伊藤 剛
マーケティング企画統括部 ミッション共創推進部 企画グループマネジャー 兼
キャリアオーナーシップ経営AWARD事務局担当

末廣 聖子
エージェントサービス事業部 採用支援統括部
ゼネラルマネジャー

――伊藤さんにお聞きします。エーザイ株式会社がグランプリを受賞した理由について詳しく教えていただけますか?
伊藤:
エーザイ株式会社で特に注目されたのは、先進的な人的資本開示や人的投資が企業価値に与える影響を数字で示している点、そして、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念実現のために、世界中の社員が就業時間の1%を用いて患者とともに過ごすことで、患者の喜怒哀楽を知り、患者にとっての価値の創出につなげる取り組みです。
この取り組みにより、患者とともに過ごす時間から患者の憂慮を感じ取り、それらを何とかして解消したいという強い思いを原動力に社員一人ひとりが主体的にイノベーション創出にチャレンジしています。これが、キャリアオーナーシップの実践として非常に高く評価されました。
――素晴らしいですね。末廣さんはエーザイ株式会社の取り組みについてどう感じましたか?
末廣: エーザイ株式会社の取り組みは以前から存じていました。患者との対話を通じて、社員が仕事の意義を再確認し、主体的に業務に取り組む姿勢が育まれていると感じました。業務の中で自然とキャリアオーナーシップが育まれる環境なのだと。

――実際に話を聞くと「自然とキャリアオーナーシップが育まれる」というのが分かりますね。このような事例に触れられるAWARDは意義のあるものだと思いますが、企業への採用支援などに、どう活かしていきたいと考えていますか?
伊藤: これから「人材不足」はもっと顕著になっていきます。その過程で「採用と人材育成」はより密接になっていくと考えています。このAWARDで学んだことを活かして、企業の「採用をサポートする」とともに、その先の人材育成や事業成長にも寄り添うイノベーション創出への主体的なチャレンジにつながっていくのではないかと思っています。
末廣: 今回の表彰式に参加してみて、企業の育成の背景などをより理解でき、自分自身大きな学びとなりました。採用をサポートする企業の中には、受賞企業と同様の課題や背景を持っている企業もあると思います。そういった企業への提案の幅を広げる機会になったと感じています。だからこそ、AWARDだけでなく、人事の課題全体が見えてくるコンソーシアムの活動と関われる環境がもっとあるとうれしいですね。
――AWARDやコンソーシアムの活動を実務とつなげていく、もっと多くの社員にも携われるようになるといいですね。伊藤さん、いかがでしょうか?
伊藤: 本年度第5期を迎えるコンソーシアムでは、今年から当社社員が手挙げで運営に参加できる仕組みを作る予定です。実際には分科会と呼ばれる課題別の研究会に事務局メンバーとして陪席できるようになります。これにより人事の考えていることや最新の人事トレンドをもっと身近に感じられるようになるでしょう。
末廣: それはいいですね。まずは知りたいと思った社員が接点を持てる環境が必要ですね。ぜひ本年度では進めてほしいです。当社のVALUEの1つである「成長マインド」にもつながります。
――またこういった活動内容を、パーソルキャリアのサービスとして企業のキャリアオーナーシップ発揮に活かしていくにはどうしたらよいでしょうか?
末廣: 中途採用のパートナーとして、だけではなくHR全般の相談相手となれるパートナーシップを築いていきたいと考えています。そのために、企業との対話を深め、具体的な課題やニーズに応じてカスタマイズされた支援ができるよう、私たちも日々学び、成長することが必要です。
――おふたりとも、ありがとうございました。
まとめ
コンソーシアムは、今後もキャリアオーナーシップを推進する活動を続けていきます。企業と個人がともに成長できる環境を整えるための取り組みを強化し、持続的な成長を目指します。また、パーソルキャリアとしても、社員が主体的にキャリアを築く支援を行い、より企業の成長に寄与することを目指します。
※掲載している内容・社員の所属は取材当時のものです。
編集:パーソルキャリア広報部