キャリアオーナーシップのヒント

副業のすすめ:パーソルキャリア社員に聞いた「複業」 体験談。
写真撮影、手話、ライティング……自分らしいキャリアの築き方

「みんなどんな副業をしているのだろう?」「副業する意味って何なんだろう?」「本業との両立はどうしているの?」――そんなギモンの声に答える座談会を実施。参加するのは、パーソルキャリアで複業をする3人です。パーソルキャリアでは2019年4月から複業制度を導入しており、当初は30人程度、2025年3月時点では約600人が申請するまでになりました。3人のリアルな会話から、パーソルキャリアでの仕事にどのような影響を与えているのかについて迫ります。

プロダクト&マーケティング事業本部 デザイン統括部 マネジャー 佐藤 貴明(さとう・たかあき)
プロダクト&マーケティング事業本部 法人プラットフォーム企画部 上口 翔子(かみぐち・しょうこ)
プロダクト&マーケティング事業本部 法人プラットフォーム企画部 上口 翔子(かみぐち・しょうこ)
エージェントサービス事業部 CAクロスインダストリー部 橋本 舞花(はしもと・まいか)
エージェントサービス事業部 CAクロスインダストリー部 橋本 舞花(はしもと・まいか)

*複業の表記について:パーソルグループでは「主業」「副業」という関係ではなく、「複数の職場ではたらく」、またはそうした場を提供したいという思いを込めて、副業を「複業」と表記しています。本コンテンツでも、パーソルキャリア社員が行う副業は、複業と記載しています。

3人の気になるパーソルキャリアでの仕事と複業(副業)の内容は……

――まず、皆さんは普段、パーソルキャリアでどのような仕事をしているのでしょうか。

橋本:私はキャリアアドバイザーとして、主にIT営業職の方々の転職を支援しています。ほかにも、外国籍の方々の転職支援も兼任しています。

上口:私は企業の人事・採用担当者が使用する、中途採用業務全般を一元管理できる無料システム「doda CONNECT」内にある情報サイトのWebディレクションとコンテンツ制作をしています。より良いUI/UXの方向性を検討するほか、コンバージョンを獲得するための施策を考える仕事です。

佐藤:私は、転職サービス「doda」のWebサイト・アプリのUI/UXデザインを担当する10人ほどの組織のマネジャーをしています。プレイヤーとしては、「doda CONNECT」のデザインにも関わっています。

――ありがとうございます。では、複業は何をしているのでしょうか。

佐藤:スチールのカメラマンです。3年ほど前から、主に企業のオウンドメディアのインタビュー記事で使われる写真や、スポークスパーソンのプロフィール写真などを撮っています。

上口:私が複業を始めたのは5年ほど前です。2社で複業をしていて、1社ではライター兼編集者として自分で取材し記事を書くほかに、ライターさんから上がってきた原稿をチェックする編集の役割もしています。もう1社では、SEOやLLMO対策用の記事のフォーマット作りをするなど、編集ディレクターの仕事をしています。

橋本:私は昨年から手話関連の複業を始めました。「東京2025デフリンピック」の応援アンバサダーとして活躍している、手話CGサービスの“KIKI”というキャラクターのモーションキャプチャー※1(日本手話/国際手話/韓国手話)を担当しました。ほかにも、講演会や映画の舞台あいさつなど、さまざまなシーンでの手話通訳のご依頼を頂戴しています。
※1:人や物の動きをデジタルデータ化し、3Dキャラクターやロボットなどにその動きを再現させる技術

複業(副業)を始めたそれぞれのきっかけ

――皆さんが複業を始めたきっかけを教えてください。

橋本:私の両親は聴覚障害者なので、私も幼い時から「CODA」※2として手話を使っています。高校時代には手話の全国大会で東京都代表に、大学時代には母が韓国出身であったこともあり、韓国に留学して韓国手話を学びました。それを知っていた大学時代の同級生が、“KIKI”のプロジェクトに関わっており、声をかけてくれたことがきっかけです。現在は、月に1回程度のペースで複業をしています。
※2:Children of Deaf Adultsの略で、聞こえない、聞こえにくい親を持つ子どもたち

上口:そういうバックボーンがあるんですね。私は2社で複業していると言いましたが、どちらも以前の職場なんです。パーソルキャリアに入社する前はWeb編集者として複数の企業で勤務経験があり、そこでのつながりで仕事をしています。

始めたきっかけは、新卒入社した会社から「よかったら副業でも記事を書きませんか」と声をかけてもらったことです。迷う気持ちもありましたが、当時在籍していた企業では年齢的にも立場的にも若手スタッフの原稿を確認するほうに多くの時間を割いていて、自分の書いた記事を誰かに客観的に校正してもらう機会がなかなかなかったので、スキルアップにもつながるだろうと判断して、複業を始めました。もう1社は前職で、以前担当していた業務の一部を、本業に支障がない範囲で対応しています。

橋本:上口さんは、どれくらいのペースで複業をしているんですか?

上口:ライターさんの原稿をチェックするのが週1本、自分で書くのが月2本というペースです。平日仕事終わりで数時間、週末は土曜日の午前中を複業に充てていて、すべてオンラインでやっています。佐藤さんはどうですか?

佐藤:多いときは毎週のようにありますし、ないときは月0本(笑)。パーソルキャリアはフレックスタイム制なので、コアタイム以外で調整して複業しています。

始めたきっかけは、元同僚が転職先で広報担当になって、「佐藤くんの撮影する写真すごくいいなぁと思ってて。ぜひうちの広報用に撮ってもらえない?」と声をかけてもらったことです。そこから経験を重ねて、ビジネス系の撮影以外にも家族写真など幅を広げていきました。

上口:佐藤さんは、もともと写真がお好きだったんですか?

佐藤:そうですね。私は大学で映像制作を学び、卒業してからは映像制作会社ではたらいていました。その後Web業界に転職し、撮影からは離れていたのですがたまたま中古カメラ店の前を通って、引き寄せられるように入ったんです。そうしたら、フィルムカメラの本体が3,000円、レンズが8,000円という破格のセットがあって。それを店主に勧められて購入して、主にポートレートを撮り始めたんです。現像した写真を人にあげると喜んでもらえて、いつかこんな仕事もできたら幸せだなと思っていました。

上口:声をかけてもらったとき、悩みませんでしたか?

佐藤:そのとおりで、とても悩みました。楽しそうという感情と、プロとしてお金をもらえるレベルなのかという葛藤があって。なので、ワクワク半分、不安半分の状態で始めたのですが、「相手の期待を超えられるか」という普段デザイナーとしてはたらいている自分だからこそのアウトプットに対するチャレンジ精神みたいなものが燃えてきて、やることにしました。

複業(副業)はアカウントを切り替える感覚

――平日の勤務終了後や週末に複業しているということですが、本業とのバランスはどのように取っていますか?

上口:ベースとなる本業あってこその複業なので、本業が忙しいときは複業の仕事量を減らしてもらっています。

佐藤:週末のフリータイムは何をしているんですか?

上口:猫を飼っているので、猫と遊んでいます(笑)。あとは趣味でSNSを運用しているので、そこにアップする写真を撮ったりしています。佐藤さんは?

佐藤:パーソルキャリアでの仕事も楽しみながら、ご依頼がある限りは複業にもしっかりと時間を割いています。お金をもらっている以上、プロとしてのクオリティを担保するのは当然という前提ではあるのですが、好きでやっていることなので、大変だと感じるときもありますが、やりたいという気持ちが勝るのが本音です。

橋本:私は現状月1回くらいのペースですし、先ほどもお話ししたとおり幼いころから手話を使っているので、もちろんプロ意識を持ちつつ、生活の一部としてやっているような感じですね。

佐藤:呼吸をするような感覚ですよね? 自分の場合は、パーソルキャリアの仕事も複業も、とにかく楽しくて。

上口:両方とも楽しいという感覚、分かります。澤円さんの書籍『メタ思考~「頭のいい人」の思考法を身につける』(大和書房)では、複数の場ではたらくときに“エイリアス”の立ち位置を意識すると表現していました。Googleアカウントを切り替えるような感覚で、副業の自分は自分の名前をまとった分身として捉える、と。

私は15年間、編集者として生きてきて、パーソルキャリアに入ってWebディレクターになったんです。なので、パーソルキャリアでの毎日の仕事は、目新しい発見ばかりで。自分が成長していくことに喜びを感じています。

一方で、複業のほうでは、対企業ではなく、一般の読者に向けたコンテンツを作っているので、記事への「面白かった」「この商品買ってみよう」などのコメントに喜びを感じながらはたらいています。それぞれ、違う面白さがあるんですよね。

複業(副業)がもたらす、パーソルキャリアでの仕事への刺激

――複業での経験は、パーソルキャリアの仕事にどのように活きていますか?

上口:私の場合は、まずはコンテンツ制作という共通点があるところだと思います。複業では企画を考えるにあたって最新のトレンドを把握したり、SEOやLLMO、SNSでの反響を意識したテーマを考えたりするので、そこは間違いなくパーソルキャリアでの仕事にも活きています。

また、複業で取材する企業の方がもし「doda CONNECT」を使うとしたら、「どう思うだろうか。どのような弊害が起こり得るだろうか」と想像しながらサービスを作ったり、改善したり。多角的な視点が身についているとも感じます。

佐藤:私の場合は、社外で実績を積んだことで、パーソルキャリアからも広報関連の撮影をしてくれないかと声がかかるようになりました。社長を含む役員陣とも会う機会があり、そこで社員総会などのイベントだけでは聞ききれない会社やサービスへの熱い思いや、今後の夢などを知り、パーソルキャリアでの仕事への熱意もさらに高まったり。あと、自分の撮った写真をTeamsなどのコミュニケーションツールのアイコンにしてくれる人も多く、とてもうれしくなります!

橋本:すてきですね。私の場合は“KIKI”のプロジェクトにスーパーバイザーとして参画している筑波技術大学の教授を通じて、同大学とパーソルグループのパーソルダイバースを結び付けた実績があります。筑波技術大学は、視覚障害者・聴覚障害者であることが入学条件の国立大学なんです。

上口:パーソルダイバースは障害者雇用事業を主軸にしていますよね。

橋本:そうなんです。私とパーソルダイバースのマネジャーで大学に赴いて説明会や、私が企画して交流会を実施しました。転職を希望する障害者の皆さんのお手伝いができたのは、私が手話の複業をやっているからこそ成し遂げられたことです。そして、パーソルキャリアだけでなく、パーソルグループに貢献できたのでとても達成感を持っています。

私は将来的に聴覚障害者だけでなく、外国人材の皆さんの転職支援もしたいと思っています。どんなバックグラウンドの人でも、シームレスに転職できる世の中をつくりたくて。複業は、そのためのステップになると考えています。今の日本は、障害者や外国人だという理由でお見送りになってしまうことが決して少なくないんです。そうすると、できる仕事は限られてしまいます。だから、もっと「はたらいて、笑おう。」を増やしたいんです。

――佐藤さんと上口さんは、複業の経験を活かして、今後パーソルキャリアでかなえたいことはありますか?

佐藤:橋本さんの回答を超えられる自信がない! 上口さん、先にお願いします。

上口:え〜〜(笑)。でも、マジメな話、インターネットでの情報の伝え方や情報の作り方は日々アップデートされているので、そういうものを社内外からインプットして、時代に合ったやり方で、「doda CONNECT」のユーザー、ひいてはパーソルキャリアの顧客に質の高い情報を届けていくことが、私が社会に対して価値提供できることのひとつだと思っています。

佐藤:私はマネジャーではありつつ、いつまでもデザイナーとして生きていたいという思いがあります。これが私のキャリアオーナーシップです。マネジメントだけでなく、アウトプットの質の面でもメンバーを引っ張り、刺激していきたくて。リーダーのスキルレベルがチームの水準の底上げにもなると思うので、デザイナーとして強くありたいです。いつまでも、ものづくりの筋肉は鍛えておかないと、と思っていて、それができているのはカメラマンという複業のおかげです。


(まとめ)
今回の座談会を通して、三者三様の複業の在り方が伝わったでしょうか。皆さんが、副業をする後押しになれば幸いです。なお、パーソルキャリアでは副業を後押しする、副業・フリーランス人材 マッチングプラットフォームサービス「HiPro Direct」を展開中。リモート案件が90%以上で、地方副業の案件もたくさんあります。副業に興味があるけれど、初めの一歩が踏み出せていない人はぜひチェックしてみてください。

 

※掲載している内容・社員の所属は取材当時のものです。

 

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編集:パーソルキャリア広報部 ライター:石川 裕二

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