「タニモク」とは、利害関係のない人(=他人)同士が、3~4人のグループを組み、お互いに目標をたて合うワークショップです。自分の考えを話し、質問を受け、自由に目標をたててもらうことで、思いがけない視点や新しい切り口に気づくことができます。2018年9月の本格スタート以来、個人だけでなく企業や官公庁、学校など多くの組織、団体でも開催され、目標をたて、新たな行動を後押しする機会をつくり続けてきました。
そしてこのたび、「タニモク」の活動を通して得た学びをまとめた書籍『かくれた「強み」をみつけよう。―自分の舞台がみつからないあなたへ』が日本経済新聞出版から発売されます。今回は「タニモク」の開発者であり、著者でもあるミッション共創推進部 三石 原士に、思いや活用方法について話を聞きました。
ミッション共創推進部
三石 原士(みついし・もとし)
「タニモク」開発者/プロジェクトリーダー
本を出版しようと思ったきっかけと、その思い
――これまで多くの「タニモク」ワークショップを開催されていますが、本を出版しようと思ったきっかけを教えてください。
三石: はたらくこと、そしてこれからのキャリアを考える上での新しい切り口を提案したいと思ったのがきっかけです。「タニモク」の活動を通して気づいたのは、自分の強みや伸びしろに気づけない人が多いということ。また、自分一人で悩んだり、自己分析をしたりするために、どうしても思考の枠を閉じてしまう人がたくさんいるということです。他人に目標をたててもらう「タニモク」を経験することで、他者の視点を取り入れることで自分の強みに気づき、前向きに行動できるようになる人を見てきました。こうした学びを多くの人に届けようと考え、本という形にまとめることにしました。
――書籍ではどのようなことを伝えたいですか?
三石: コンセプトは、「他人に頼るキャリア」。一番伝えたいことは、「どんな人にも可能性はある」ということです。人には必ずその人独自の強みや伸びしろがあるのに、それに気づいていない人がたくさんいます。そうした方に一人で悩まなくてもいいこと、もっと他人の視点を取り入れることで、可能性を広げることができると伝えたいと思っています。
『かくれた「強み」をみつけよう。—自分の舞台がみつからないあなたへ』の活用方法
――今回の書籍は、どんなふうに活用するとよいでしょうか?
三石:
キャリアにモヤモヤを感じている人や、自分の強みが分からないと感じている人に、ぜひ手に取ってほしいと思います。本書では一人で今後のことを考えすぎて、堂々巡りになり、行動ができなくなることを「自己分析の沼」と呼んでいます。自分一人で考えていては思考の枠も狭く、選択肢も広がらない状況に陥りがちになるからです。そのため、本書では年齢や職種、業界など、バックグラウンドが異なる人の視点を活かすことや、強みを見いだし、よりよいキャリアにつながる方法を提案しています。大事なことは「人の視点を用いた自分の活かし方」が分かること。そして具体的に他人の視点を取り入れる方法として「タニモク」を紹介しています。
まずはこの本を手に取って、あなたのペースで「タニモク」を楽しんでいただけたらと思います。
――組織や企業で「タニモク」を導入する場合には、どんな効果が期待できますか? また、おすすめの活用法も教えてください。
三石:
組織課題としてよく挙がるのは「関係性」の問題です。普段会話をしていても、信頼関係を実感できていないケースは少なくありません。最近は、組織効力感という言葉もよく使われます。これは「この組織だからこそ、高い目標も成し遂げられる。そして、自分も頑張れる」という感覚のことです。こうした関係性や感覚を高めるためには、お互いの考えややりたいことを知り、興味を持って対話することが欠かせません。
「タニモク」は単なる雑談ではなく、目標をたて合うという型を持ったワークショップなので、お互いの強みや価値観をシェアし、関係性を深める効果があります。その結果、組織全体の満足度やパフォーマンス向上にもつながります。
実際に、新入社員研修やオンボーディングで導入されるケースや、高校のカリキュラムに取り入れられている例もありますので、いろんな場面で活用いただけたらと思っています。
最後に、皆さんへのメッセージ
――最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。
三石:
「タニモク」のコアメッセージは「みつけてもらおう、自分の活かし方。」です。誰にでも強みや伸びしろはあります。もし今、自分に自信が持てなかったり、モヤモヤしたりしていたら、ぜひ他人の力を借りてみてほしい。自分の強みが分かることが、キャリアオーナーシップを育む第一歩になります。
『かくれた「強み」をみつけよう。—自分の舞台がみつからないあなたへ』
著者 三石 原士
出版社 日本経済新聞出版
刊行日 10月17日
Amazonリンク: https://www.amazon.co.jp/dp/4296124277
■「タニモク」編集部のnotenoteでも書籍発売についての記事を掲載しています。ぜひご覧ください!
https://note.tani-moku.jp/n/n714c09b561f1
■タニモク公式ページ
https://tani-moku.jp/
※掲載している内容・社員の所属は取材当時のものです。
◆関連記事
他人に目標をたててもらうワークショップ「タニモク」とは?
毎年開催されている「タニモク」フェスやイベント情報も紹介!
編集:パーソルキャリア広報部