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柔軟なはたらき方

育休取得パパ社員×上司が語る「このチームなら大丈夫」
男性メンバーの育休取得がチームや組織に与えたプラスの影響とは

2022年4月からの育児・介護休業法の施行が始まったことで、男性の育児休業取得への関心が高まっています。今回は、第3子誕生のタイミングで約1カ月間の育休を取得した採用ソリューション営業本部の百瀬翔太さん、育休取得前のマネジャーだった髙木彩名さんと現在のマネジャーの神谷拓己さんにも加わっていただき、育休取得前の不安やさまざまな想い、取得してよかったこと、周りのメンバーや組織への影響などについて話を聞きました。

【育休を取得した人】

百瀬翔太

百瀬 翔太
採用ソリューション事業本部 採用ソリューション営業本部 エリア統括部 中部営業部
2022年4月中旬~5月中旬まで/1カ月間育休取得 長男6歳、長女4歳、次女0歳(2022年8月時点)

【育休取得申請時の上長】

髙木

髙木 彩名/マネジャー
採用ソリューション事業本部 採用ソリューション営業本部 エリア統括部 中部営業部

【育休中・現在の上長】

神谷

神谷 拓己/マネジャー
採用ソリューション事業本部 採用ソリューション営業本部 エリア統括部 中部営業部

※所属部署は2022年8月時点のもの

不安を取り除き、背中を押してくれたマネジャーの存在

神谷: 今回は第3子ですよね? 上の2人のお子さんのときは、育休取得はしなかったと聞いていたのですが。

百瀬: はい。今回は2022年4月中旬~5月中旬までの約1カ月間の育休を取得したのですが、正直なところ、最初はそれほど取得に対して前向きではありませんでした。上の2人のときは妻側の家族のサポートが受けられたので、ぼく自身が柔軟に働くことができれば、育休を取得しなくても何とかなる状況でした。でも今回は、家族のサポートを得るのが難しそうだったことや、出産だけでなく上の子がちょうど小学校に上がるタイミングも重ったこともあり、それなら育休を取得したほうがいいなと思うようになったのです。

神谷: 前向きではなかった、とは?

百瀬: 育休を取得したほうがいいという気持ちがありつつも、やはり1カ月間でも、まったく仕事をしない期間のイメージがつかなかったんです。自分の育休中、自分が担当しているお客さまの対応はどうなるのだろうということも考えましたし、休みの間は自分がまったく関われなくなる不安もありました。だから最初に髙木さんに相談したときは、取得に対する迷いがありました。

髙木: 百瀬さんからお子さんが生まれると聞いたときは、すごく喜ばしいことだと思いました。でも、「育休」というワードが出てきたときに、「ああ、そうか。確かにそれを考えないといけないな」と、ハッとしたんです。

百瀬: 育休取得を前向きに考えられたのは、髙木さんが背中を押すようなコミュニケーションをとってくれたから。あれで踏み切れました!

髙木: だって、育休は絶対に取ったほうがいいと思ったんですよ。

百瀬: 不安だという話をしたときも、「そんなことを気にする必要はないよ」と言ってもらえて、すごく楽になりました。同時に、受け入れてもらえる土壌があることをすごく感じましたね。

神谷: メンバーも協力的でしたよね。

髙木: そうでしたね。百瀬さんは営業部の中でも良いパパのイメージが定着していて、その百瀬さんにお子さんが生まれるなら、チームでフォローするのは自然なことだと捉えるメンバーがほとんどでしたね。「普段は助けてもらっているから、百瀬さんがいない間は自分たちで頑張ろう」と話しているメンバーもいて。

百瀬: ちょっとこそばゆいですけど、ありがたいです(笑)。

神谷: 私が着任して感じたのは、百瀬さんに育休を取ってもらうために何ができるかを、組織としてすごく緻密に考えているな、ということでした。実際、育休中に困ったことは何もなかったですしね。

髙木: そこについては、百瀬さんの引き継ぎが素晴らしかったからです。お客さまごとの状況をきちんとリストアップして私たちに共有してくれたので、私が引き継ぐお客さまのことや、他のメンバーへの割り振りもスムーズに決められました。

百瀬: やはりお客さまに迷惑はかけられないので、引き継ぎはしっかりやって休みに入ろうと。そこはかなり意識しました。

育休取得の経験を、その後の働き方にどう活かしていくか

髙木: 育休中、奥さまとの役割分担などはされたのですか?

百瀬: 生まれてくる赤ちゃんのことは妻に任せて、家のことはぼくが全部やろうと思っていました。出産予定日に合わせて育休を取得したのですが、出産が少し遅れたことで妻と2人の時間が取れたのはよかったですね。子どもが生まれてからは……正直、仕事をしているときのほうが楽だなと思いました(笑)。でもやはり、育休は取得して良かったです。

神谷: 奥さまの反応はいかがですか?

百瀬: 妻とゆっくり振り返ったりはしていないのですが、体がしんどい時期だったので助かったとは言ってくれました。子どもたちも、僕が家にいて一緒に長い時間を過ごせることを喜んでくれたのはうれしかったです。

髙木: お子さんたちにとっても良い時間でしたね!

百瀬: 神谷さんからは、「絶対に忘れてしまうから、育休中とその前後の気持ちを一言でもいいのでちゃんと残しておいたほうがいいよ」とアドバイスをいただきましたよね? あれを毎日実践していました。あらためて振り返ってみると、何かが劇的に変わったというよりは、育休期間を通じていろいろなことが見えてきたように思います。

神谷: 例えばどんなことがありましたか?

百瀬: ひとつは時間の使い方ですね。残業ありきで働くのは良くないと思うようになりました。ただ、今その思いをきちんと実行に移せているとは言えない状態でして。育休中の1カ月間は家のこともできていたのに、仕事が始まった瞬間に何もできなくなってしまったのです。もちろん、やりたい気持ちはあるのですが、仕事が始まるとどうしても仕事が最優先になってしまうというか… …

神谷: そこについては、まさに今、2人でいろいろと話をしているところです。「せっかく育休を取ったのに、働き方が取得前と同じになっているよ」と。百瀬さんが仕事に対してすごくまじめなのはよく分かっています。でも、育休を取得したからこその気づきもあるでしょうし、その経験を何かを変えるきっかけにできるのではということを、一緒に考えていきたいと思っています。

髙木: そうだったのですね。周りから見るとすごくいい感じで戻ってきて、実際に成果も上がっていてすてきだなと思っていました。

百瀬: もちろん、お客さまとの接点の取り方や、限られた時間の中でパフォーマンスを上げるための優先度のつけ方などは、かなり意識するようになりました。例えば、朝早めに業務を開始してその分早く帰れるように調整する、リモート勤務の回数を増やすことで浮いた通勤の時間を家事に充てるなどですね。周りの理解もあり、柔軟に対応してもらえているのですが、自分なりにもう少し努力していきたいです。

神谷: マネジメントとしても、もう少しフラットに「いってらっしゃい」「ただいま」と言える雰囲気づくりは必要だと気づかされました。周りの雰囲気もだし、本人が仕事に戻りやすくなる風土づくりもやっていきたいと思っています。

お客さまとの関係構築のきっかけにも

髙木: 今回の百瀬さんのように育休を取得する人が増えると、将来育休を取得したいと考えている男性社員の心理的なハードルも下がってすごくいいですよね。

神谷: それは間違いないですね。実際、「自分も取得していいんだ!」「育休を取得する具体的なイメージができた」という声も上がりました。また、「自分が育休を取ることはないと思うが、例えば介護休暇など別のことで自分が組織に迷惑をかけてしまうようなことがあったとしても、このチームなら対応してくれるだろうと感じられた」と話してくれたメンバーもいました。

髙木: 周りのメンバーにとっても、自分のライフイベントのタイミングと、今歩んでいるキャリアをどう連動させるかを具体的に考えるいい機会になったようですし、制度を活用しながらキャリアを継続させることに対する「感度」も上がったと思います。

百瀬: 意外だったのは、お客さまからも「育休について話を聞かせてほしい」と声をかけられる機会が多いこと。「パーソルの制度はどういう仕組みになっているの?」と、興味を持っていただけることが、関係構築のひとつのきっかけになっているように感じます。

神谷: それはありますね。我々もお客さまとの会話の中で、百瀬さんの育休の話を起点に「これから採用していくにあたって、きちんと考えないといけないことだよね」という会話につながり、結果的に商談に至ることもありました。思った以上に、多くの場面でその効果が波及しているのを感じますね。

髙木: だからこそ、今回の百瀬さんの育休取得の実績を、さらに意義のあるものにしていくためにも、マネジメントとしてできることはやっていきたいです。例えば、育休取得の可能性がありそうなメンバーには、こちらから「こういう人がいたんだよ」と伝えることで、背中を押すことはできるのではと思っています。

神谷: 大事なことですね。

髙木: あとは、百瀬さんの育休中にもこれまでどおりのお客さま対応ができたのは、メンバー間できちんと情報共有ができていたから。いつでも引き継げる状況をチームで作っておくことができれば、育休や産休だけに限らず、「チームで支えていく」組織にもしていけるのではと思います。

神谷: マネジメントとして大事にしたいことは2つあります。1つは一人ひとりの価値観を理解した上で、それぞれの状況に応じた制度の活用も伝えていくこと。もう1つは、メンバー同士でもお互いの価値観を共有しておくこと。例えば、「百瀬さんという人はキャリアも家族も大事にしていて、百瀬さんが育休を取得することは自然なこと」と皆が日ごろから理解していることで、その後もサポートしやすくなると思います。

百瀬: あらためて、チームの皆さんのサポートには感謝の気持ちしかないですし、パーソルキャリアは力になってくれる人が多い組織だとあらためて気づくことができました。育休の取得を迷う気持ちはよく分かるので、そんなときはまずは社内で信頼できる人に相談してみることをおすすめします。意外と背中を押してもらえるし、知らない制度について教えてもらえることもありますから。

編集:パーソルキャリア広報部 ライター:志村 江

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