社員インタビュー

2023.06.01

デジタルマーケティングの力で、法人顧客が真に求める接点を作る

クライアントP&M本部 クライアントマーケティング部 リードナーチャリング エキスパート   

西野 佳子

法人営業職として10年近く活躍する中で、日々の活動の進め方に課題を感じ、企画職を志した西野 佳子。現在は法人マーケティング部でより一層、法人顧客のニーズに寄り添った施策の立案・実行に携わる西野に、人材ビジネスにおけるBtoBマーケティングの特性や醍醐味を聞きました。

法人顧客にとって最適なマーケティング施策を、事業部横断で企画・実行する

もともと法人営業職だった私がBtoBマーケティングを志したのは、営業の仕事の中で感じていた課題がきっかけでした。私たちが提供する求人関連のサービスは、導入後、長く安定して利用されるものではなく、常にニーズがあるわけでもありません。さらに取引が一度終わると次の発注までの期間も顧客によってまちまちで、ニーズの喚起には多くの営業が苦心していました。

こうした課題を解決したいと思い、私はキャリアチャレンジ制度(*)を使って営業企画を行う部署に異動。そこで課題解決のヒントとして教えてもらったのがマーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)でした。以来5年以上にわたって、MAツールの導入とこれを使ったBtoBマーケティング施策に取り組んでいます。

私が所属する法人マーケティング部は、各事業部を横断し、パーソルキャリアとして取引があるすべての企業に向けてマーケティング施策を行っています。具体的には、法人顧客情報を全社で一元管理し、現在顧客が置かれた状況を鑑みながら、メール配信やイベント・セミナーなどのコンテンツ企画制作などを行うというものです。

そのために活用しているのがMAツールです。法人顧客のデータを分析し、顧客が今知りたい情報、関心をお持ちの情報をとらえてメール配信を中心としたマーケティング施策に反映しています。顧客の反応・状況を踏まえた施策実行により、顧客とより良い関係を築くことができるものと考えています。

*キャリアチャレンジ制度とは:社員が自分自身のキャリアデザインと成長のために、自発的に異動希望を出すことができる制度。応募タイミングは年2回で、異動者を募集しているオープンポジションは常時、社内ポータルサイトやイントラネットに開示されている。

MAツールを導入して1年で、インサイドセールスの商談獲得数が倍増

MAツールの最初の印象は、「営業側は顧客管理ができ、顧客側にはほしくない情報は来ない、魅力的なツールだな」というものでした。ですが当時はまだ信頼度も低く、効果に疑問を持つ人も多かったため、まずは自分たちの部署だけで小規模にMAツールを導入してみました。

導入当初は、「いい感じのメールをいいタイミングで法人顧客に送ると、反応があって受注が生まれる」と安易に考えていましたね(笑)。しかし、そもそも私たちのサービスは「人を雇用する」ためのサービスで、「安いから買っちゃおう」という種類のものではありません。それゆえに、メールを数回送っただけでニーズが喚起できるような、甘いものではありませんでした。

「顧客はどんなことに興味を持っているのか」「メール配信後、営業にどう送客すればいいのか」など、MAツールの参考書を片手に試行錯誤するうち、徐々に成果が出始めました。

たとえば当時、法人顧客との商談機会を作るインサイドセールスの部署で、なかなか商談に至らない事例がたくさん発生していました。ところが、MAツール上で得られた顧客の行動データや過去の取引状況、法人規模などを分析し、商談成立の可能性が高い順にアプローチする方法に変えてみたところ、商談獲得件数がどんどん増え、ついには倍増するという成果が出ました。約1年かかりましたが、ようやくMAツールの効果を実証できましたね。

各事業部で乱立していたMAツールを統合。アプローチできる企業数は最大8倍に

こうして自分たちが細々とやっていた施策に手応えを感じ始めた裏側で、日本中でMAツールが流行り始め、気づくとパーソルキャリアの他事業部でも 独自にMAツールの導入が進んでいました。結果として、顧客から見ると同じパーソルキャリアを名乗るメールがあちこちから届く。社内では各部署のインサイドセールス部隊がアプローチする……。といったことが起こってしまっていたのです。

さらには導入に数十万円から数百万円かかるツールが複数の事業部で重複して利用されている、同じ顧客の情報も部署が違うと参照できないなどの課題も多く発生していました。「これは何とかしなければいけない」。そこで法人企画統括部が主導して、MAツールの統合プロジェクトを進めることになりました。

プロジェクトの最大の目的は、法人顧客に対するコミュニケーションを一本化し、パーソルキャリアとのより良いコミュニケーションを実現すること。さらに、顧客データの統合。つまり、事業部ごとに閉じていた顧客情報を全社的に使えるようにして、事業部を横断したマーケティング施策の機会を増やすことでした。また、ツールを統合することで、ツール毎に蓄積されていた顧客の行動データが一元化される点も大きなメリットでした。

事業部によっては、すでに使い慣れたツールから切り替えることになり、今までやっていたことをどう代替するか、こちらから提案するなどの苦労はありましたが、「データの統合=アプローチできる顧客が増える」ことになるため、どの事業部からも歓迎されました。

2020年度には無事全社でのツール切り替えとデータの統合が完了。統合後は、アプローチできる顧客情報が最も少ない事業部でも2.5倍、一部事業部では8倍にも増加しました。

デジタルマーケティングに専念できる環境があるから、成果が上がる

MAツールを使っていて思うのは「継続力が重要」ということです。MAツールは本気で勉強をし、継続してデータを蓄積していくと効果が出るのですが、逆に言えばそれをしないとうまくいきません。現実には、私自身が最初に思っていたように、「入れたらうまくいく」というところで止まってしまい、他の業務もある中で半端になってしまっている例も多いように思います。

そんな中、パーソルキャリアが成功している理由は、私たちがこの業務に専念させてもらえているからだと思います。法人マーケティング部という部署が独立しているのもそうですが、部内でもメールの送信先や頻度を考える役割、送信するメールに掲載する記事やセミナー、資料などのコンテンツを作る役割、それぞれ整理ができていて、専念できる環境があります。

基本的にはメール送信先や内容、頻度などの判断はこちらに任せてもらえます。顧客の反応を考慮せず、事業部からの要望だけを最優先するような施策を強いられることがないのも、パーソルキャリアの良いところです。

私たちのBtoBマーケティングには、マーケティング手法やツールの理解と営業企画的な考え方の両方が必要だと思っています。ツールは、使っているだけや、施策を考えているだけでも成果が出ているように見えてしまうため、それで満足してしまいがち。しかし、私は施策を実行したあと、ちゃんと振り返って分析し、どれだけ売上増につながっているのか、「成果」を追うことに最もこの仕事の醍醐味を感じます。

今はインサイドセールス部隊が使っているSFAツールと、私たちが使っているMAツールをつなぎ、成果として商談件数や受注件数を計測できるようにしてあります。それで、一生懸命配信していたメール施策が無駄だとわかったこともありますが、施策のシナリオをガラっと変えたら翌月から右肩上がりに商談件数が増え始めたなど、成果は手に取るようにわかりますね。

こうして施策と結果を紐づけることには、自分たちの実力を知る怖さもあります。しかし、事実をきちんと知り、成果につながる施策を取れることこそおもしろい、と私自身は思うのです。

めざすのは、毎日べったりではないけれど、必要なときには私たちのことを一番に思い出していただけるような、法人顧客との理想の関係を作っていくこと。

採用市場は景気によって大きく変動し、その分、マーケティングも他業界より流動的です。だからこそ新しくおもしろい施策を生み出せると思っています。

  • 社員の所属組織および取材内容は取材時点のものになります。
  • 社員の所属事業部名称は、2024年4月時点での名称となります。
  1. TOP
  2. HATARACTION!for CAREER
  3. 社員インタビュー
  4. 西野 佳子