ナレッジ・ノウハウ集
2025.08.15
リファラル採用とは?条件や方法、メリットについて解説
リファラル採用とは
リファラル採用(社員紹介)の仕組み
リファラル採用とは、企業の現役社員が自分の知人や友人、元同僚などを自社に紹介し、その紹介を通じて採用につなげる手法です。英語の「referral(紹介・推薦)」が語源となっており、日本では「社員紹介制度」や「縁故採用」などと呼ばれることもあります。
一般的なリファラル採用の流れは以下のとおりです。
- 企業が社員に対してリファラル採用の募集を告知
- 社員が自身の知り合いの中から、自社にマッチしそうな人材を見つけて紹介
- 紹介された候補者は、通常の選考プロセスを経る
- 採用の可否が決定
リファラル採用では、紹介者となる社員が転職希望者の人柄やスキル、価値観などをある程度把握していることが前提となります。そのため、書類や面接だけでは見極めにくい転職希望者の特性を、事前に把握できるという特徴があります。
なぜ企業はリファラル採用をするのか
企業がリファラル採用を導入する理由は複数あります。まず、採用コストの削減です。また、採用の質向上も大きな理由の一つと言えます。社員が紹介する人材は、その社員自身が「一緒にはたらきたい」と思える人物であることが多く、企業文化や価値観にマッチする可能性が高いと考えられます。実際、リファラル採用で入社した社員の定着率は、他の採用手法と比べて高い傾向にあるという調査結果もあります。
多くの企業では、社員の紹介意欲を高めるためにインセンティブ制度を設けています。紹介した候補者が採用され、一定期間勤務した場合に、紹介者に報奨金を支払うケースが一般的です。パーソルキャリアでもこのようなインセンティブ制度を導入しており、社員が積極的に優秀な人材を紹介できる環境を整えています。
詳細については、採用サイト(▶リファラル採用)で確認することができます。
リファラル応募の条件について
リファラル採用に応募するための条件は企業によって異なりますが、一般的には以下のような要件があります。
まず、紹介者となる社員との関係性です。多くの企業では、紹介者と転職希望者の間に面識があることを条件としています。これは、紹介者が候補者の人物像を正確に把握している必要があるためです。ただし、関係の深さについては企業によって基準が異なり、「元同僚」「友人」「知人」など、さまざまなレベルで紹介が可能な場合があります。
次に、候補者の経験やスキルに関する条件です。通常の採用と同様に、募集しているポジションに必要な経験年数や専門スキルを有していることが求められます。また、紹介のタイミングにも注意が必要です。企業によって、リファラル採用を常時受け付けている場合もあれば、特定の時期や特定のポジションに限定している場合もあります。
一般応募との違いと特徴
リファラル採用と一般応募の最も大きな違いは、「応募の入り口」です。一般応募では、転職希望者が求人サイトや企業の採用ページから直接応募しますが、リファラル採用では社員の紹介が必要となります。
そしてリファラル採用の場合、紹介者からの推薦状や事前情報が選考の参考資料として活用されることがあります。ただし、選考基準自体は一般応募と同じであることがほとんどで、紹介があるからといって選考基準がゆるくなるわけではありません。
リファラル採用で転職するメリット
1. 企業に対する安心感がある
リファラル採用のメリットの一つは、転職先企業に対する安心感があることです。実際にその企業ではたらいている人からの紹介であれば、企業の実情を事前に詳しく知ることができます。
また、紹介者の存在自体が心理的な安心感につながります。全く知り合いのいない企業に転職するよりも、信頼できる知人がはたらいている企業のほうが入社時の不安が軽減されます。
2. 選考プロセスがスムーズに進みやすい
リファラル採用は、選考プロセスが一般応募と比べてスムーズに進みやすいという点が特徴です。これにはいくつかの理由があります。
まず、書類選考の通過率が高い傾向にあります。紹介者からの推薦があることにより、企業側は候補者に対して一定の信頼を持って選考を開始するからです。また、紹介者が事前に転職希望者の強みや適性を企業側に伝えていることも多く、書類だけでは伝わりにくい魅力が正しく評価されやすくなります。
面接においても、企業側は転職希望者の背景をある程度理解した上で面接にのぞむため、表面的な質問に時間を費やすことなく、深堀りした質疑応答ができます。
3. 入社後のミスマッチが少ない
リファラル採用の大きなメリットとして、入社後のミスマッチが少ないことも挙げられます。
紹介者から得られる情報は、実際の業務内容から職場の人間関係、企業文化、キャリアパスの実態まで多岐にわたります。これらの情報をもとに、転職希望者は自分に合った環境かどうかを慎重に判断できるのは大きなメリットと言えるでしょう。例えば、「チームワークを重視する文化」「個人の裁量が大きい」「上下関係がフラット」といった、実際にはたらいてみないと分からない特徴を事前に把握できます。
また、期待値の調整ができているという側面もあります。紹介者は良い面だけでなく、課題や改善点についても率直に伝えることが多いため、候補者は現実的な期待値を持って入社できます。過度な期待や誤解に基づく失望を避けられるため、入社後の満足度が高くなる傾向があります。
4. 紹介者と同じ会社ではたらける
特に転職という大きな環境変化において、信頼できる知人の存在は心強いサポートとなります。
入社初期の適応期間において、紹介者の存在は特に重要です。社内のルールや慣習、暗黙の了解事項など、新入社員が戸惑いやすい点について、気軽に質問できる相手がいることは大きな安心材料となります。また、社内の人脈形成においても、紹介者を通じてスムーズに広がっていくことが期待できます。
仕事面でも、紹介者との協働によるシナジー効果が期待できます。お互いの強みや弱みを理解している関係であれば、効果的な役割分担や協力体制を築きやすくなります。
パーソルキャリアでは、実際にリファラル採用で入社した社員の声を紹介しています。以下のインタビュー記事で、リファラル採用の実態を詳しく知ることができます。
リファラル採用の注意点
必ずしも選考が有利になるわけではない
リファラル採用について誤解されがちな点として、「紹介があれば選考が有利になる」という考えがあります。しかし、実際には多くの企業で、リファラル採用も一般応募と同じ選考基準で評価されています。
採用の公平性を保つことはもちろん、企業の採用基準を維持することが、長期的な組織の質を保つために不可欠だからです。紹介者との関係性だけで採用してしまうと、スキルや適性が不足した人材を採用してしまうリスクがあります。
転職希望者としては、リファラル採用であっても、しっかりとした準備が必要です。企業研究、自己分析、面接対策など、一般応募と同様の準備を怠らないことが重要です。むしろ、紹介者から得た内部情報を活かして、より深い企業理解に基づいた受け答えができることが、リファラル採用の真の強みと言えるでしょう。
紹介者に迷惑をかけない配慮は必要
リファラル採用では、紹介者との関係性に配慮することが重要です。紹介者は自分の信用を担保にして転職希望者を推薦しているため、転職希望者の行動は紹介者の評価にも影響を与えます。
企業側としても「○○さんの紹介の方」という目で見ているため、選考過程では紹介者に迷惑をかけないために一定の配慮を意識しましょう。もちろん配慮をしすぎて選考がうまくいかなくなっては元も子もないので、自身の合格のために最善を尽くしつつ、紹介者への配慮も忘れないといったバランスを保つことが大切です。
いつでも応募できるわけではない
リファラル採用は、実はいつでも応募できるわけではないという点を認識しておきましょう
多くの企業では、リファラル採用を特定の時期に限定して実施しています。例えば、年度の採用計画に基づいて、四半期ごとに募集期間を設けるケースや、特定のポジションに欠員が出た時のみ募集するケースなどがあります。
募集職種も限定されることがあります。企業によっては、エンジニアやセールスなど、特定の職種のみリファラル採用を実施している場合があります。また、役職レベルによって、リファラル採用の対象とするかどうかを決めている企業もあります。
したがって、リファラル採用を視野に入れている場合は、日頃から情報収集を心がけて、募集のタイミングを逃さないように。また、パーソルキャリアの募集要項を以下に掲載しておりますので、転職希望者の方はぜひご確認ください。
リファラル採用のチャンスを増やす方法
ネットワーキングを積極的にする
リファラル採用の機会を増やすためには、日頃からのネットワーキングが欠かせません。ネットワーキングというと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、要は人とのつながりを大切にし、広げていくことです。
まず、既存の人脈を整理することから始めましょう。学生時代の友人、前職の同僚、現職での社外の知り合いなど、これまでに築いてきた関係性を振り返ってみてください。SNSの普及により、過去の知人とも簡単に連絡を取れる時代になりました。LinkedInやFacebookなどを活用して、しばらく連絡を取っていなかった人とも再びつながることができます。
パーソルキャリアの各種SNSはこちらです。
日頃から知人と友好関係を築いておく
リファラル採用において重要なのは、紹介してくれる人との信頼関係です。表面的な付き合いではなく、一定の信頼関係があってこそ、相手も安心してあなたを紹介できるのです。
定期的に連絡を取り、相手の近況を聞いたり仕事の悩みを聞いたりすることで、関係性は深まっていきます。相手が困っているときに手を差し伸べることも大切です。例えば、有益な情報を共有したり、人を紹介したりすることで、相手にとって価値ある存在になることができます。このような「giveの精神」が、長期的な信頼関係の基盤となるでしょう。
キャリアの棚卸しを行い準備しておく
リファラル採用の機会は突然訪れることが多いため、日頃からキャリアの振り返りや棚卸しをしておくことが重要です。「今、リファラル採用の募集が始まったんだけど興味ある?」と聞かれたときに、スムーズに選考へ進むことができる状態にしておく必要があります。
キャリアの棚卸しについてですが、これまでの経験、身につけたスキル、達成した成果を整理し、言語化しておきましょう。特に、具体的な数字や事例を交えて説明できるようにしておくことが重要です。「売上を20%向上させた」「新規事業を立ち上げて3年で黒字化した」など、定量的な成果には説得力があります。
職務経歴書も常に最新の状態に保っておきましょう。新しいプロジェクトや成果があれば、その都度追記していきます。急に提出を求められても、すぐに対応できる準備があれば、機会を逃すことがありません。
リファラル採用の募集をリサーチしておく
パーソルキャリアでは、リファラル採用についてのページを用意して転職希望者が詳細を確認できるようにしています。パーソルキャリアのキャリア採用サイトにページがありますので、ぜひ確認してみてください。
リファラル採用で転職を希望する方へ
リファラル採用は、転職希望者と企業の双方にメリットがある採用手法として、今後もさらに一般化していく可能性が高いでしょう。転職希望者にとっては、信頼できる情報をもとに、自分に合った企業を見つけやすいという大きなメリットがあります。
本記事で解説したように、リファラル採用で転職を成功させるためには、日頃からの準備が欠かせません。人脈を大切にし、キャリアの棚卸しを定期的に行い、いつでも機会を掴める状態にしておくことが重要です。
監修者:HATARACTION!編集部
"はたらく課題"と"ビジネス"をつなげてとらえ、自分ゴトとして、その解決プロセスを楽しむパーソルキャリアの社員をご紹介します。