キャリアの選択

契約社員から正社員、そしてアシスタントマネジャーへ
自分らしいはたらき方を選び続けられる理由

本連載は、自分の可能性を信じて自らキャリアを切り開く「キャリアオーナーシップ」を発揮した社員の取り組みを紹介。人それぞれ異なる価値観やライフステージの変化などにより多様化するはたらき方のなかで、そのときどうアクションしたのか。はたらく社員の奮闘ぶりをお届けします。

後藤 智映

2012年入社

人事本部 リクルーティング統括部 新卒採用部 企画・業務推進グループ

正社員として働いていた後藤が、転職先であるパーソルキャリア(旧インテリジェンス)には契約社員として入社。2014年に正社員になり、現在は子育てをしながらアシスタントマネジャーとして日々業務に取り組んでいる。
結婚や出産、病気などを経験しながらも正社員へキャリアアップした理由と、はたらくモチベーションについて話を聞いた。

パーソルキャリアへの転職では雇用形態よりも「何をしたいか」を重視

前職では人材派遣業界の営業職の正社員として働いていた後藤。パーソルキャリアには、「ワーク・ライフ・バランス」と「やりたいこと」を考え、契約社員で入社した。

後藤: パーソルキャリアを選んだ理由は2つあります。まずひとつは、結婚を控えていたこと。前職では朝9時から夜遅くまで仕事をしていたので、次は仕事とプライベートのバランスを取りながら働ける職場を希望していました。
もうひとつは、新卒採用に携われるかどうかを軸に転職活動をしていたこと。自分のやりたい仕事に就けることを重視していたので、新卒採用に関われるのであれば雇用形態にはこだわりませんでした。

こうしてパーソルキャリアの新卒採用のアシスタントとして就業した後藤。仕事に対しての情熱は人一倍強かったため、アシスタントの枠を超えたプラスアルファの仕事も次々こなしていった。

まもなくして、仕事でペアを組んでいた社員の退職という一つの転機が訪れた。その影響により、新卒採用の繁忙期は人手不足に陥った。遅くまで会社に残って仕事をする上司や先輩の姿を見た後藤は、ある決断をした。

後藤: 当時のマネジャーに「私にできる仕事はやらせてください」と申し出ました。それは、入社したばかりのころ、未経験者で何も分からない私に上司や先輩は一から仕事を教えくれたり、メンバーは「一緒に成長しよう」と声をかけてくれたり…とたくさん支えてもらったからでした。その人たちが困っている姿を見て、私だけアシスタントの業務範囲内の仕事をしている場合ではないと感じました。「お世話になったみんなを助けたい」という恩返しの気持ちが強くありました。

そうして業務の幅を広げていった後藤の中に「もっとみんなの力になれる存在になりたい」という気持ちが次第に芽生えたという。そしてパーソルキャリアに正社員への登用制度があることを知った後藤は、2つ目の決断をした。

後藤: 正社員登用にチャレンジしたいと上司に伝えました。契約社員の範囲を超えた業務をしていたこともあり、正社員になれる機会があるなら挑戦したいと思ったんです。また、入社した当初に比べ仕事と家庭のバランスをうまく取りながら働けるめどがついたころだったのも理由の一つです。

後藤は一発合格し、2014年10月に晴れて正社員となった。

正社員としての責任が生じ、「もっと組織に価値貢献したい」と感じる場面が増えた後藤。帰宅後にビジネス書を読むなどインプットを心がけた。

また、社内のエンゲージメントを高めるための施策「全員採用プロジェクト」の推進にも挑戦。通常の新卒採用は300人程度の面接官で対応するが、本プロジェクトは、その約10倍の規模で実施した。後藤はオリエンテーションや関係各所の調整、実際の面接など、企画の設計と運用を担った。

プロジェクトは無事成功し、後藤はコーポレート本部のVP(優秀社員賞)に選出された。

育児での時短からアシスタントマネジャーに!業務効率化で切り開いた道

一方、プライベートでは2015年に出産。半年後に職場復帰をして9時から16時の時短勤務が始まったが、プライベートの負荷が想定より大きかったという。

後藤: 仕事と家庭のバランスを取りながらうまくやっていけのるか、不安が大きかったです。復帰後は、退社後1時間かけて保育園まで子どもを迎えに行く日々。帰宅したら、今度は子どものごはんやお風呂、家事などやることがたくさんあり、正直疲弊していました。

そこで後藤は上司と相談し、負担を軽減するために16時までの勤務時間を15時までに短縮した。1時間早く帰宅できたことで、これまで手が回らなかった家事をこなせるようになったという。

母子ともに新しい生活に慣れた2年後、後藤は勤務時間を9時から16時に変更した。仕事にしっかり向き合えるようになり、「組織にどう貢献できるか」を考えながら試行錯誤する中で「アシスタントマネジャーになる」という目標設定をしたという。

後藤: 入社して8年ほど経ち、『私よりも新卒採用に詳しい人はそういないだろう』という域まで知識や経験を深められたという自負がありました。

パーソルキャリアでは、マネジャーとして管理職に進む道、エキスパートとして専門性を極める道、どちらかを自分の意思で選択することができるが、後藤が希望したのはエキスパート職だった。

後藤: このままメンバーとして業務に携わるより、エキスパートとして社内に知識や経験を還元したい気持ちが募ってきて。エキスパートの道を開くためのファーストステップとしても、組織運営についての経験をつけるために、まずはアシスタントマネジャーを目指すことに決めました。

時短勤務という制約の中で、後藤は昇進に向けて業務の進め方を見直した。

後藤: 必要な業務に全力を注げるよう、業務効率化を図りました。ルーティン業務や私の担当業務でもほかの方ができることはお願いし、私は仕事の仕組みや運用面を考えることなど、自分が得意なことで価値発揮ができるように業務体制を整えたんです。

壁を壁と思わない。「仕事が好き」という揺るぎない思いがモチベーション

仕事もプライベートも自分の目指す形に近づいていた矢先、後藤は会社の健康診断で再検査となり、難病認定を受けた。アシスタントマネジャーに昇進したばかりだった。現在は症状を緩和させるための治療を継続している。

後藤: 腎臓の病気で、人よりもすごく疲れやすい状態がずっと続いています。しかし、リモートワークなので、体がつらいと思ったら横になって休むことで、自分の体と仕事の調整をしています。以前のように猛烈にはたらくことはできませんが、自分の知識や経験を活かして仕事をし、キャリアを築くほうが自分に合っていると思います。

壁にぶつかっても、後藤は壁を壁としない。後藤の思考の切り替え方やモチベーションの背景にあるものはなんだろうか。

後藤: シンプルに仕事が好きなんです。「はたらいていたい」という思いが根底にあって揺るがないから、何があっても「じゃあ、どうはたらくか」を考えられるのだと思います。そして私の場合、「周りの人の力になりたい」というのがモチベーションになっています。私が入社したばかりでも、育児で思うように働けなかったときも、会社の人たちがフォローしてくれたり、私のことを気にかけてくれたりしました。だからこそ自分が楽しい、得意と思うことで組織に還元したいです。

自分の思いどおりに働けなくなる出来事があっても、揺るぎない思いがあれば、そのときどきの自分にとってベストなはたらき方を選ぶことができる。「仕事が好き」「組織に貢献したい」というまっすぐな思いが、後藤の迷いのない選択を引き出しているようだ。 

 

※掲載している内容・社員の所属は取材当時のものです。

編集:藤田佳奈美、パーソルキャリア広報部 ライター:畑菜穂子 (制作:プレパラート)

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