昨年11月18日、女性一人ひとりの“Well-living”をデザインするプロジェクト「W society」が提供するライフデザインセミナー「W school」で開催されたウェビナー「私らしいキャリアの作り方〜これからの時代のキャリアオーナーシップとは〜」(主催:W society、共催:ベル ジャポン株式会社「キリ」、後援:一般社団法人 日本経済団体連合会)に、当社「doda」副編集長の川嶋 由美子が登壇しました。
自身のキャリアに対して主体性を持って取り組む「キャリアオーナーシップ」の考え方や、女性を取り巻く労働市場などについてお話しした様子を一部ご紹介します。記事の最後には、自身のキャリアや強みを振り返る「キャリアの棚卸し」についても、ワークシートとともに解説していますので、ぜひ実践してみてください。
「キャリアオーナーシップ」とは
最初のプログラムでは、2024年から日本の女性を応援するプロジェクトをスタートしているベル ジャポン株式会社のマーケティング コミュニケーションマネジャーの畠中 桃子さんとともに、当社川嶋が登壇。
川嶋から「キャリアオーナーシップ」の考え方やキャリアの自己決定と仕事満足度の相関性などについて紹介しました。

川嶋:
キャリアオーナーシップという単語を聞いたことがない方のほうが多いのではないかと思います。当社ではこの言葉を、自分のキャリアに対して主体性を持って取り組む意識と行動、と定義しています。自分のキャリアを、自分が納得して決められている状態と言い換えると分かりやすいかと思います。
そしてそのキャリアオーナーシップは、「①自分を知り、社会を知る」「②自分で選択する」「③自分のなりたい姿に向けて経験を積む」という3つのサイクルで育むことができると考えています。
その後、3つのサイクルのうち、「②自分で選択する」について、そもそも“自分で選択する”ことは満足度につながるのか、自己決定できた人はどんなことを意識して実現したのか、について解説。
川嶋:
「仕事内容もはたらき方も、自分で意思決定してきた」という人は、そうでない人と比較すると仕事への満足度が高く、やりがいも感じていることが分かっています。【図1】
また、自己決定した人の価値観で特徴的なのは、「仲間を大切にする」「チャレンジ精神を持つ」「常に自分自身を磨く」ということを大切にしていること。反対に、「グローバルで活躍することが大切だ」「一つの企業で長くはたらくことが大切だ」など、従来の型にはまった価値観は重要視していないことも特徴です。【図2】

【図1】※1

【図2】※1
※1: 出典:パーソルホールディングス株式会社「キャリアオーナーシップに関する実態調査」
女性を取り巻く労働市場について
ここからは、3つのサイクルの1つ目、「①自分を知り、社会を知る」の“社会を知る”について、今回のテーマである女性にフォーカスをあて、コロナ禍を経て「doda」の女性登録者数が増えていることやその背景について解説しました。
川嶋: 「doda」の女性新規登録者数は2021年以降毎年増加しており、女性の方々が仕事に対して「ここじゃなくてもいいのかもしれない」「ほかの選択肢を見てみたい」と、気持ちが前向きになってきていると言えるのではないでしょうか。企業側も、少子高齢社会が進む労働市場を踏まえて、企業の採用意欲は高まっていますし、家事や育児をしている方でも活躍しやすいようにとリモートワークを導入する企業も増加しています。なので女性にとってのチャンスも増えているんですよね。

また、モデレーターの「W society」主宰である谷村 江美さんからの「自己決定という言葉は重たく感じてしまう側面もある」というコメントについては、「まさに、自己決定って難しいんです。自己決定したからこそ、みなさんは今の環境にいるのだと思います。自分で決めたから頑張る、最適な場にする、という気持ちが大切。一方で、自分で決めたからこそ続けないといけない、という固定概念にとらわれる必要もありません。変化を生み出し続ける意識を持てるかどうかが大切です」と、自分らしくはたらくための考え方のヒントをお話ししました。
キャリアの棚卸しワークショップ~私らしいキャリアの作り方~
最後は、3つのサイクルの1つ目、「①自分を知り、社会を知る」の“自分を知る”ための「棚卸しのワークショップ」について、ポイントやメリットをご紹介しました。

棚卸しを行う際のポイント
・どの年代から書いてもOK
・その時感じていた快・不快に焦点をあてる
・得た能力やスキルが大したことがないと思っても、小さなことでも書き出す
・プライベートな変化を経て変わった価値観も重要
棚卸しを行うメリット
・転職時のミスマッチを防げる
・応募書類でのアピールポイントがスムーズに書ける
・自分の強みや大事にしたほうがいいことが見えてきて自己肯定感が上がる
川嶋: 「人の上に立ったわけではない」「プロジェクトには関わっていたけど、プロジェクトマネジャーではない」など自分の得た能力やスキルを大したことがないと思っている方も多いと思います。でもそうではなく、隣の席の人よりも得意だったことはなんだろう、と考えて書き出してみることがコツです。

畠中さんはキャリアの棚卸しについて、「自分に厳しくしてしまう方も多いと思います。自分に対して励ますこととかも私自身あまりできていないなと…。でも自分で自分を苦しめる必要はまったくないので、自分のやってきたことをこうしたワークシートを使って整理することは必要だと思っています」とコメント。
さらに、実際に棚卸しをした後には、「私は今の会社で4社目なんですが、どの会社でも仲間に恵まれたなということを一番に思い出しました。今までしてきたことは一人じゃできなくて、上司やチームメンバーなど、周りの人に支えられて、いい仕事ができていたんだなと改めて振り返ることができました」と、ご自身のキャリアにおいて大事なポイントが導きだされた感想を話され、キャリアについて振り返る重要性が伝わるワークショップとなりました。
ぜひ、みなさんも、キャリアオーナーシップを育むための3つのサイクル「①自分を知り、社会を知る」「②自分で選択する」「③自分のなりたい姿に向けて経験を積む」について考えてみたり、「キャリアの棚卸し」を通じて自分らしいキャリアについて考えるきっかけにしてみてください。
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編集:パーソルキャリア広報部