柔軟なはたらき方

育休復帰が不安な人は多い!
パーソルキャリアの「育休復帰の不安を軽減する取り組み」とは?

出産前後の産休に続いて、育児のために設けられている「育休期間」。しかし、育休からの仕事復帰に不安を抱える人は多い。パーソルキャリアでは、そんな育休明けの復帰に不安を感じる人に向けて新たな取り組みを開始した。今回は、育休期間の不安と、パーソルキャリアの取り組みについて紹介する。

育休復帰に不安を抱える人は多い

上のグラフは厚生労働省が発表している男女別の育児休業取得率。2021年度時点で、女性の取得率は85.1%と高い数字を記録しているのに対して、男性は13.97%と圧倒的に低い。

そのうえで、出産前後の妻の就業率の変化を見ると、第1子を出産した母親を対象にしたアンケートで、育休を取得して出産後も仕事を継続したと答えた母親は、2015年~2019年の5年間で約42.6%(育休を取得しない人も含めると53.8%)。年々、出産後も継続して仕事をする人が増えている。

いっぽう、厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」によると、2015年~2019年の間で出産前に仕事をしていた人で、第1子の出産を機に退職した人が23.6%いることが分かる。その理由を深堀してみよう。

もちろん過去に比べれば減ってきているが、その理由のトップには「仕事と育児の両立の難しさ」が挙げられている。これがそのまま「育休復帰に対する不安の理由」と言えるだろう。

育休復帰に不安を感じる原因

育休復帰に不安を感じる原因は次の3つに大別できるだろう。

復帰後に気力・体力が持つか不安
割合として多い理由はこれだ。家事・育児に慣れてきたところに仕事への復帰で生活が一変。終業後の短い時間で保育園の準備や送り迎え、買い物、料理、お風呂などさまざまなタスクをこなす気力・体力が持つのかどうか不安を抱える人は多い。
会社に育児と仕事の両立ができる雰囲気がない
時短勤務等の制度があっても制度をうまく利用できないこともまだあるようだ。家事・育児に対する理解が少ない社員が多く、子どもの体調不良による急な休みを取りづらかったりするなど、職場の環境に問題があるケースもある。子育てをしながらはたらくことに理解の得られない雰囲気を感じた場合、はたらきにくさにつながってしまう。
パートナーとの役割分担が難しい
フルタイム、パートタイムどちらも、仕事に復帰したら家事・育児を一人で行うのは大変。パートナーへとの役割分担がしっかりできればベストだが、物理的にできない場合もある。また、「家事・育児は女性が行うもの」といった古い考えにより、母親の負担が大きくなることもまだある。

パーソルキャリアの育休復帰サポート制度

パーソルキャリアには、そのような不安の解消をめざすための育休復帰サポートがいくつかある。

・育休ウェルカムバック制度

・社内報メールなどのフォローメールを定期配信

これらの制度導入・取り組みによって、パーソルキャリアの産育休明けの復帰率は95%以上。産育休に入るメンバーが100人を超える年もあるなど、子育て世帯にとって働きやすい環境を整えている。

■育休ウェルカムバック制度

育休ウェルカムバック制度は、育休中の社員の一時的な就労機会を提供する制度だ。「社員の仕事と育児の両立に対する不安軽減」や「育休中の社員の孤立感を減らす」「育休からのスムーズな復帰支援」を目的に、2022年10月から導入された。対象者と就労条件は次のとおりだ。

▶対象者
3カ月以上の育児休業を取得しており、かつ一時的な就労を希望する社員
・募集業務を遂行できる経験やスキルを保有する社員

就労条件
・原則リモートワーク
・休職者ごとに定められた育児休業給付金の「支給単位期間内」ごとに、10日以下かつ80時間以下であれば自由に設定可能

制度の導入に先駆けて、2021年5月から2022年9月にトライアルを実施。その間に育休中の社員27人が就労した。制度を利用することで「育児中の孤立感」や「仕事復帰に対する不安」などのモヤモヤが解消されたという声が多く寄せられている。

▶トライアル期間に制度を利用した社員の声

「豊富な経験やスキルを持つ育休中の社員に、一時的にでも業務をサポートしてもらうことはできないだろうか」という現場からの声によって生まれた育休ウェルカムバック制度。実際にトライアルを経験した育休中の社員の満足度は高かった。制度を利用してどう思ったのか、社員から寄せられた感想を紹介する。
 
1人目は2021年11月から育休を取得し、2022年8月から同年11月まで制度を利用した社員の声だ。人材開発部で中途入社者や異動者に向けて、営業活動のロールプレイングの練習相手などを担当した。

体験した社員①: 夫以外の人と話せること、会社の雰囲気に触れられることで不安が和らぎました。日々子どもとだけ接していると、復帰できるのかな、大丈夫かなと不安だったけれど、復帰できそうだな、楽しみだなという気持ちに変わりました。ロールプレイングの練習は楽しかったけれど、一方で早く私も直接お客さまに営業活動をしたいという意欲もわいてきたので、有意義な機会だったと思っています。

2人目は2020年10月から育休に入り、2021年11月から2022年4月末までのトライアル期間中に制度を利用。もともとキャリアアドバイザーとして業務を担当していたが、制度利用中にほかの人のカウンセリングを見たことで育休中にスキルの向上ができたと語っている。

体験した社員②: ほかの人のカウンセリングを見られたことで自分のスキル向上につながったと感じました。また、これまでの私のスキルにも合致していたため、受け入れ部署に対して貢献できたのではないかと思っています。2022年の5月から職場復帰しましたが、毎日仕事で社内システムを見ていたおかげで、すんなり業務に入っていくことができました

家事・育児をこなすなか、短時間とはいえ仕事に復帰するのは一見、大変なことのように感じるだろう。しかし、育児は思ったよりも孤独な面が多い。育休ウェルカムバック制度を利用することで「孤独感の解消」はもちろん、「仕事復帰に対する期待感」、最新情報のキャッチアップにより「スムーズに復帰できた」等、育休復帰における不安感の解消にもつながることが分かっている。

育休中のフォローメール

パーソルキャリアでは育休ウェルカムバック制度とは別に、育休中の社員に向けてフォローメールも配信。配信される内容は次の2種類だ。

・四半期(10月末、1月末、4月末、7月末)ごとに、組織体制リリース、イベント表彰、社外リリース記事トピックス、季節もの人事連絡などの社内報を配信

・随時、子育て社員も参加可能で有益なテーマの社内セミナー・社内イベントの案内

育休中は子ども中心の生活になりがちだ。家で過ごすことも多く、1日のなかで大人と会話しない日も出てくる。そうしたなかで閉塞感や社会からの断絶感を覚える人も少なくない。「こういう時期だ」と割り切れれば楽なものの、どうしても焦りがでてくることもあるだろう。
 
フォローメールはそうした育休中の不安軽減を目的にしている。四半期に1度配信される社内報に加えて、育休中でも参加可能なセミナーやイベントの情報を提供することで、少しでも育休中の社員に社会とのつながりを実感してもらえることを期待している。

育休復帰の不安を軽減し、スムーズに復帰できる環境を

育休復帰の不安は事前の準備を行うことで軽減できる部分もある。しかし、不安軽減には周りや会社の理解・サポートが必須となる。パーソルキャリアでは社内の理解を高めるだけでなく、サポート体制も充実させようと今回のような制度を実施しはじめた。次世代を担う子どもを育てている社員がより輝くためにも、今後も子育て支援をさまざまな角度から考えていく。

編集:パーソルキャリア広報部 

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