心身の健康

生理・PMSの悩みにみんなで取り組む!
パーソルキャリアのヘルスリテラシー向上セミナー【前編】

パーソルキャリアでは、DI&E(ダイバーシティ インクルージョン アンド イクオリティ)の一環として、社員の「ヘルスリテラシー」の向上に取り組んでいる。その一つとして、「生理とPMS(月経前症候群)」をテーマに、「管理職向け」と「当事者の女性向け」の2回に分けて社内セミナーを実施した。

生理やPMSの症状は個人差があり、症状の重さを人と比べることは難しい。そのため、つらくても「私だけじゃないし、病気でもないから」「今だけ耐えたら大丈夫」と、ガマンしてしまう女性もいる。また、管理職側の知識や理解が足りず、症状に悩む女性社員に対する適切なマネジメントやケアができていない現状がある。

社員自身の健康に対する意識の向上と、楽しく健康にはたらけるための環境作りを目指して実施したヘルスリテラシーセミナーの内容と参加者の感想レポートを、前編、後編の2回に分けてお届けする。

一人ひとりが、自分の体と向き合うきっかけにしてほしい

生理やPMSなどの症状による労働損失は、年間4,900億円にのぼるという試算*1がある。またパーソルキャリアの調査*2でも、「生理やPMSなどの症状を感じる人」は、女性社員全体の75%程度、そのうち5割超が「仕事に支障がある」ことが明らかになっている。

これは、女性が全社員の半数以上を占めるパーソルキャリアが企業として向き合うべき課題であると考え、2023年の年明けに、キャリアアドバイザーが多く在籍する2つの事業部を対象に、「女性の生理と“はたらく”の関係」について学ぶヘルスリテラシーセミナーを実施した。

セミナーを企画したDI&E推進部マネジャーの松尾れいは、次のように語る。

松尾: 生理に伴う症状には個人差があるほか、症状があっても対策をしていない人が多いのが現状です。当事者の女性には、「女性特有の症状理解と対処法を学ぶ」セミナーを通じて、不調に対する適切な対処法を知ることで、症状の緩和やパフォーマンスの向上につなげてもらうことが狙いです。
また今回は、上司や同僚に相談しづらい、相談されてもどのように対応してよいか分からないという課題を解消するために、「管理職向け」セミナーも企画しました。毎月女性の体に起きる変化の仕組みや症状などを理解した上で、適切なマネジメント法を学べる内容にしています。

管理職の理解を深め、マネジメントに活かす

2023年1月20日、管理職向けのヘルスリテラシーセミナーをオンラインで開催した。対象部門の管理職約200名は必須参加とし、当事者向けの「女性特有の症状理解と対処法を学ぶ」セミナーに先立って実施。理解を深めた管理職側が、自身の部下に対して、後に開催されるセミナーに参加を促すためでもある。

冒頭に、本セミナーの企画者の一人である事業本部長の大浦征也が、参加者である管理職に向けて開催の思いを語った。

大浦: 「はたらいて、笑おう。」というビジョンの実現に向けて、自身や部下の健康に対するリテラシー向上は管理職にとって必須のスキル。メンバーが心身のコンディションに少しでも不安や違和感を感じたときに相談しづらくないように、まずは管理職の皆さんが知識を身につけ、組織運営に活かしてほしいと思います

セミナーでは、女性ホルモンバランスプランナーの金藤美樹穂さんと松尾が、PMSのつらさや、月経量の多さにより会議中に不安になったことなど、PMSと生理に対する自身の体験談を語り合った。セミナー中のコメントでも、参加者の女性管理職から共感の声が多く寄せられた。

また、臨床助産師の岸畑聖月さんは、「現代人の生涯生理回数は昔の何倍?」など、男性管理職も理解しやすいクイズ形式で、生理の仕組みや基礎知識について解説。「9倍」という解答に、参加者からも驚きの声が上がった。
部下から健康についての相談があったときの対処法などについては、「生産性にムラがあるAさん」「生理のトラブルを抱えて通院中のBさん」など、具体的な事例を交えてお話しいただき、セミナー後にも多くの質問が寄せられた。

主なプログラム内容

  • 1.「なぜヘルスリテラシーセミナーなのか」
      事業本部長 大浦征也
  • 2.オープントーク「なぜいま管理職がヘルスリテラシーを学ぶべきなのか」
      株式会社uchu代表取締役/女性ホルモンバランスプランナー 金藤美樹穂 氏 
      DI&E推進部 マネジャー 松尾れい
  • 3.「『もう惑わない』多彩な人材をマネジメントするために、知っておきたい3つのこと」
      株式会社With Midwife CEO/臨床助産師 岸畑聖月氏
  • 4.チームディスカッション「実務の中での対応方法について」

【管理職セミナー】参加者の99%が「ヘルスリテラシーについての理解が深まった」と回答

 管理職向けセミナー後のアンケートでは、「ヘルスリテラシーについての理解が深まったか」という質問に対し、「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた人の合計は99.0%。 また「参加前後でヘルスリテラシーについて意識の変化はあったか」という問いに対しては、「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた人の合計は92.0%だった

また、参加した管理職社員からはコミュニケーションに関する意見が多く寄せられた。

  • 生理やPMSの理解は深まった一方で、ほかの理由で、同様に体調面で悩んでいるメンバーもいると思う。女性の体調に限らず、広く深く対応することの必要性と難易度の高さも改めて感じる。(男性)
  • れまでは漠然と、ただ、「大変だね」と受け止めるのみだったが、具体的な知識を得て、正しい受け止めやコミュニケーションができるようになると思う。(男性)
  • 普段何となく認識していたが、解像度が上がった。きちんとした認識がなければ、メンバーへの理解や配慮、かける一言などコミュニケーションを正しく取ることができないと感じた。(男性)
  • メンバーへの声かけ、声が上げられないメンバーへの寄り添いも意識したいと思った。(女性)
  • 体調の問題と認識していたが、パフォーマンスへの影響があることについて改めて認識した。(女性)

※掲載している内容・社員の所属は取材当時のものです。

編集:パーソルキャリア広報部 ライター:尾越 まり恵

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