キャリアの対話/自己理解

キャリア面談とは?
導入企業が増えた理由やはたらく側が受ける意義を紹介

自分らしいキャリア形成をサポートする制度として、近年、企業による積極的な導入が進むキャリア面談。社員にとっても、自身の強みやキャリアの展望を見つめ直す好機になる。パーソルキャリアでは年に1回必ず上司とのキャリア面談「i-design(アイデザイン)」を実施している。そこで今回はキャリア面談の導入背景や、メリットについて紹介し、パーソルキャリアのキャリア面談についても説明をする。

キャリア面談とは

キャリア面談とは、社員自身が「自分のキャリア形成を中長期的にどのように考えているか」といったポイントを上司や人事と話し、展望を伝える場だ。会社側は各自の希望する業務内容や異動希望などキャリアプランのポイントをヒアリングし、「おのおのが希望するキャリアパスに対して会社からどのようなサポートができるか」を検討する。

キャリア面談を導入する企業が増えた理由

企業によるキャリア面談の導入が増えた理由として、はたらき方の変化によってキャリアの歩み方が変わってきたこともある。経済成長が見通せず、先行きが不透明な状態から、企業が終身雇用を維持することが困難になっており、それまで多くの人がたどってきた「長年勤務する人材に用意されるポストを目指す」というキャリアの積み方が難しくなっている。

多様性やはたらき方改革の浸透によって、さらにキャリアに対する考え方もさまざまになっている。とくに社員自らがキャリアプランを持ち、企業も一人ひとりのキャリアアップを後押しするように変化している。また、会社が各自のキャリアをサポートすることで社員のモチベーションが上がり、生産性の向上にもつながる側面もある。

はたらく個人がキャリア面談を受ける意義

もちろん、会社側だけでなく社員にとってもメリットがある。

■自己理解が深まる
仕事やはたらき方に対する考えを整理することで、自分を深く理解できる。
■中長期的なキャリアビジョンを明確にできる
長期的な目標や達成に向けて、各ステージでやるべきことが明らかになる。

自己理解が深まる

キャリア面談の場では「今後どうしていきたいか」「何をしたいか」といったポイントを聞かれるため、自分の適性や将来について熟慮する機会となる。
キャリア面談の経験がない人は困惑することもあるかもしれないが、面談を通して「どんなふうにはたらきたいか」「自分の強みやできることは何か」といった点がクリアになる。このため、自分自身への理解が進み、キャリアだけでなく、ライフプラン全体の展望にもつながる。

中長期的なキャリアビジョンを明確にできる

キャリア面談を機に自己理解が深まると、中長期的な視点で自身のキャリアを見つめやすくなる。
すると、「この分野の専門性を高めたい」「将来こんなふうに働きたい」といった長期的な目標や、目標実現に向けた中期的ビジョンも明確になってくる。例えば「いつまでにこの資格を取る」「スキルアップのために●●部門への異動にチャレンジしたい」などのステップやステージも強く意識するようになるだろう。

パーソルキャリアのキャリア面談「i-design」

パーソルキャリアでは、自分らしいキャリアデザインを支援する人事施策として、「i-design」というキャリア面談を実施している。具体的には、社員が経歴や資格、強み、課題、中長期的なビジョンやポリシーを書き出したキャリアデザインシートを作成し、今後のキャリアやネクストステップを上司との面談を通して立てていく。また、面談は年1回だが、キャリアデザインシートの更新は目標設定時やライフイベント時など、各自のタイミングで更新できるようになっている。

キャリアは、日常の仕事を進める中で築かれるため日ごろの業務や直近の目標とつなげてとらえられる一方で、将来的に各自の自己資源を拡大させる糧にもなる。
i-designはパーソルキャリアが推進する「キャリアオーナーシップ(キャリア自律)支援」の重要な役割を担っており、ほかの施策もi-designを通して固まったキャリアに近づくために積極的に活用されている。
 
例えば、上司と面談しながら目標を設定して進捗度合いを振り返り、ネクストアクションなどを確認する「目標設定」や「振り返り」、新任マネジャーや次期リーダー候補などさまざまな社員を対象にしたビジョン実現へのシナリオプランニング、選抜者を対象にした国家資格キャリアコンサルタント取得支援など幅広い角度から成長を支援する「研修プログラム」がある。

キャリア面談を受ける上で心がけたいこと

キャリア面談を受ける上では、現在の自分の考えを率直に伝えることが大切だ。
「面談内容が人事評価につながるのではないか」「自分のキャリアプランは無理があると思われるのではないか」と考えて、実際には思ってもいない目標を伝えてしまう人もいるかもしれない。しかし、自分のやりたいことや目指したいことはライフプランとも大きく関連するため、自分の人生に大きく関わってくるので、上司に率直に伝え、これからの担当業務や仕事の進め方などをお互いに伝えあう機会にしたい。そのため現段階でキャリアの展望が固まっていない場合は、正直に面談でその旨を伝え、改めて自分の理想のキャリアプランを考えるきっかけにしてほしい。

キャリア面談を活用して自分らしいキャリア形成を

キャリア面談はキャリアやはたらき方に関する考えを再確認するだけでなく、自身の思わぬ希望や適性に気づくきっかけにもなり得る。面談を機に自分らしいキャリアの道筋がつけられるとライフプランも積極的にデザインできるようになるかもしれない。

パーソルキャリアでは、i-designのように、企業側も社員一人ひとりの特性や希望を面談で把握した上でそれぞれが輝けるキャリアを築けるよう、サポートしている。自分らしさが光るはたらき方を手に入れるきっかけとして、積極的にキャリア面談に臨める環境こそがキャリアオーナーシップにつながるだろう。

 

最新記事キャリアオーナーシップに関する最新の取り組みをご紹介!