キャリア対話

キャリアの対話/自己理解

パーソルキャリアが考えるキャリアオーナーシップを育むための6つの取り組み
〜④キャリア対話/自己理解とは〜

パーソルキャリアでは、“人々に「はたらく」を自分のものにする力を”というミッション実現に向けて、個人が自分のキャリア、そして人生に対して主体性(=オーナーシップ)を発揮する「キャリアオーナーシップ」を育む社会の創造を目指しており、そのために社内でもさまざまな制度の導入や取り組みを行っている。

今回はその取り組みの一つである「キャリア対話/自己理解」について紹介する。

キャリアの対話/自己理解

「キャリア対話/自己理解」がなぜ必要なのか?

社員自身がキャリアオーナーシップを育んでいくために、まずはありのままの自分と自身の可能性を知ることが大切になる。そして、どうありたいかを自ら選択して、なりたい姿に向けて経験を積む、というサイクルを回し続けていくことが重要だ。キャリア対話は、このサイクルの中で大切な「自己理解」を深めるために必要不可欠なものとして位置付けている。対話を通じ、さまざまな角度から自分自身を知るきっかけを得ることができるからだ。「これからどうありたいか」をより主体的に選択できるようにするために、キャリア対話の仕組みを整え、コミュニケーションの質を高めていきたいと考えている。

1on1を「キャリア対話」もできる場としてアップデートする

パーソルキャリアには、社員のキャリアデザインを支援する「i-design(アイデザイン)」という施策がある。これまでの自身のキャリアを棚卸ししながら、それをかみ砕き、自身の強みや今後に向けての課題を整理して、1〜3年後のありたい姿を描いていくのが狙いだ。

「i-design」は自分自身を振り返る機会になるので、自己理解を深めるために非常に有効だと考えている。

そして「i-design」で描いた未来を実現するためには、日々の取り組みやコミュニケーションが重要になる。そこで始めたのが「1on1」の新たな活用だ。「1on1」自体はパーソルキャリア内でずっと行われていたが、どういう場であるか定義されていなかったため、使い方は人によって異なり、多くの社員は仕事の進捗を確認する場として活用していた。

理想の「1on1」の在り方は、上司に仕事の進捗を報告する場としてだけではなく、自身が今どういう状況なのかを共有し、フィードバックを得るというまさに「対話」ができていることだ。振り返りから内省を深め、「何が学びになったのか?」を認識できれば、なりたい姿に向かって経験を積み上げていけると考えている。

そこでパーソルキャリアでは、「1on1」の進め方やポイントをガイドブック形式にまとめて社員に周知した。また、効果的に進めるためのツールも試験導入している。ツール上でアジェンダの設定や対話履歴、フィードバック履歴が残るようになり、その後も継続的な対話に役立てられるようになる。またこのツールはMicrosoft OutlookやTeamsと連携することにより、手軽に活用できる仕組みになっており、2023年度の下期から全社に導入する予定だ。この取り組みを浸透させることにより、実現したい「1on1」に近づけたいと考えている。

パーソルグループ全体の取り組み「Smyle」も有効なキャリア対話の一つ

パーソルグループ全体の施策として、キャリアデザインワークショップ「Smyle(スマイル)」研修がある。自分のキャリアを見つめる機会としては「i-design」や「1on1」と同じだが、大きな違いは、会社の垣根を超えたパーソルグループ内の社員同士で対話できることだ。事前課題の発表や質疑応答を行い、異なる会社や職種の人たちからフィードバックをもらえることがメリットだ。

参加は応募によるためあくまで任意。しかし、何年かに1回の割合で活用している社員が多い。参加した社員から「継続的に参加することで、具体的なキャリアを描けるようになる」という声も多く、パーソルキャリア内の営業部門では、「Smyle」をアレンジした独自の取り組みも行われている。

対話の質を高めるための課題と解決策

「i-design」も「1on1」もキャリア対話を進める上で重要な施策であるが、円滑に進めるためにもう一つの鍵となるのが上司側のコミュニケーション能力だ。実際、コミュニケーション能力に不安を感じている人も少なくない。そこで管理職向けに「1on1スキルアッププログラム」研修を実施している。内容は3回に分けた集合型の研修と、その期間内に得た学びを踏まえて社員との対話の実践をしてもらうというものだ。

さらに、2023年度からは対話スキル向上のための動画研修も開始。キャリア対話はすべて同じアプローチが通用するわけ訳ではないが、一定のパターンや型があることで進めやすくなる。想定される課題や解決方法について、ケースごとに社員が悩みを相談しやすくなる声かけや場づくりなどを動画にまとめた。日々業務で忙しい管理職が活用しやすいよう、短時間の動画にするなど工夫した。

人事部門がハブとなりキャリア対話の機会を提供

キャリア対話は同じ部署の上司と社員だけで行われているわけではない。人事部から社員に直接連絡を取って行う場合もあれば、社員側からの希望で「1on1」を実施することもある。また、必要に応じて社員と他部署の管理職とをつないでキャリア対話の機会を設けることもある。こういった複合的なキャリア対話により、社内のさまざまな職種やポジション、はたらき方を知る機会を持つことで、本人が望むキャリアの選択を実現でき、結果としてエンゲージメントの向上につながるのが理想だ。

キャリアオーナーシップを育むためには、まず自己理解を深めること。それには上司をはじめとしたさまざまな人とのコミュニケーションと、継続的に実施できる仕組みは欠かせない。キャリアの話だけでなく、時にはプライベートな話も交えながら、多くの対話機会を持つことで、「自分はこんなふうにはたらきたいんだ」という意思を明確にし、自分のはたらくスタイルや次の一歩を見つけられる社員が増え、やがてこれらの取り組みが社会に広がっていくことがキャリア対話のゴールといえるだろう。

編集:パーソルキャリア広報部 

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