柔軟なはたらき方

パーソルキャリアが取り組む「複業」への思い
ランサーズ「フリーランスの日2022」登壇レポート

パーソルキャリアが所属するパーソルグループでは、2019年から国内グループ29社、2万5千人(※)を対象にした「複業(副業)」制度を導入。社員の自己実現や経験・価値観・スキルの社会還元などを目的としている。
※2019年10月末時点

2022年12月15日に開催されたランサーズのイベント「フリーランスの日2022」での「副業」がテーマのセッションに、パーソルキャリアの人事マネジメント担当の藤原広行と、複業を行う中嶋駿弥が登壇。セッションでは、多様なはたらき方の制度に取り組むパーソルキャリアが考える「複業」について、藤原は制度設計するマネジメントの視点で、中嶋は複業に取り組む当事者としての視点でそれぞれ語った。本記事では、一部を抜粋してお届けする。

<セッションのテーマ>
〝人生100年時代“ 副業について考える~大手企業の優秀人材も副業でスキルをシェア~
<登壇者>
藤原 広行 パーソルキャリア株式会社 人事マネジメント統括 エグゼクティブマネジャー
中嶋 駿弥 パーソルキャリア株式会社 採用ソリューション企画本部 企画統括部 商品企画部 マッチングPF企画グループ
モデレーター:後藤 信彦氏 ランサーズ株式会社 執行役員

パーソルグループの「複業制度」

―パーソルグループの複業制度とはどんなものですか?

藤原: パーソルグループでは、社員の自己成長を応援する制度として設計しています。その思いは一般的な「副業」ではなく、「複業」という言葉を使っている点にも表れていて、パーソルキャリアを含む複数の場所で働くことによって、成長する機会を増やすことができると考えています。また、自分の能力を社内だけでなく社外でも役立ててもらうことで、自身のキャリアだけでなく地域・社会貢献にもつながります。

―制度の利用状況を教えてください。

藤原: 複業制度の利用は、開始当初30人程度でしたが、2022年12月現在では約270人が複業の届け出を出しており、導入以降、右肩上がりで増加しています。

パーソルキャリアでの「複業」による変化、そして課題とは?

―社員のはたらき方に変化はありましたか?

藤原: はたらくことに対して、いろいろな考え方や選択肢が増えてきています。一つの会社だけでは得られない経験や視点を得て、チャレンジができる状態が作れているのだと考えています。
さまざまな経験を会社の仕事や社会に還元してもらえたら喜ばしいことですが、​少なくとも、自分自身でキャリアの選択肢を広げて活き活きとはたらけるということだけでも、パフォーマンスに良い影響を与えてくれると思います​。

―複業制度の課題はありますか?

藤原: 複業制度をもっと使いやすくすることですね。当社としては、複業制度の活用により、豊かなキャリアを選択できる機会を提供できると考えていますが、現状、複業を認めているのは、原則的に個人事業主として受託するケースとしています。いわゆる二重雇用となる直接雇用での複業は、社会保険手続きの煩雑性や労働時間管理の複雑性などの点から、現状は対象外としています。これは、複業を希望する方にとって、選択肢を狭めてしまっている可能性があります。複業しやすい法整備もなされると、さらに使いやすい制度となり、はたらく選択肢が広がると考えています。

「本業」と「複業」で得られるもの、ウェルビーイング(※)を保つコツ

※ウェルビーイング:心身の健康や幸福

―実際に複業をされている中嶋さんにとって「複業」で得られるものは何ですか?

中嶋: 複業をすることで、本業だけで得られないスキルが身につく満足感は大きいです。例えば、私は複業でライティングを行っていますが、未経験の業界について知ることができます。単にお金を稼ぐということだけではなく、自分の将来なりたい姿まで考えるきっかけとなり、人生の幸福度にも直結していると思いますね。

―両立する中で、ウェルビーイングを保つコツはありますか?

中嶋: 体の健康という視点で言えば、私自身は「本業」「複業」と仕事を分けておらず、「はたらく」か、「休む」かの二軸しかないと考えています。休む時間もしっかり確保し、自分自身の時間や体調などと相談しながら管理することにより、無理のない日々を過ごせています。複業をする方の中には、仕事をやりすぎてしまって体を壊してしまう人もいると聞きますので、自分にとって良いバランスを見つけることが、コツではないでしょうか。

パーソルキャリアが複業を通して描く「キャリアを磨き、楽しめる社会」

―最後にパーソルキャリアが描く、複業制度を通して実現したい社会を教えてください。

藤原: さまざまな環境・状況下にあっても、一人ひとりが新たなスキルを身につけたり、自分のキャリアの可能性を見つけ、自分のキャリアを磨いたりして、はたらくことを楽しめる社会を実現していきたいと思っています。
例えば、今後、高齢化も進み、介護をはじめ、いろいろなライフスタイルを選択する中で、思うように自分のキャリアに向き合えないというケースも増えるかもしれません。ただ、複業は長い時間だけでなく、スポットや日々短時間でできる仕事も可能になるでしょう。

パーソルキャリアでは、そのように、自分で考えて自分に合ったキャリアを実現するはたらき方を『キャリアオーナーシップ』と呼ぶ。“人生100年時代”といわれる現代で、複業は、単に収入を増やすことだけではなく、自身のキャリアの可能性や考え方の幅を広げることにもつながる。
生き方に合わせてキャリアを築いていく時代だからこそ、パーソルキャリアは自社内にとどまらない制度設計をし、キャリアオーナーシップを推進していく。

 

※掲載している内容・社員の所属は取材当時のものです。

 

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