HATARACTION! for NEW GRADUATE

2023.12.26

ユーザーに近いサービスづくりを学ぶ。産学連携でUI/UXデザイナーを育てるワークショップを実施!

私たちパーソルキャリアは、経営やビジネスを行うにあたって「デザインの力」をとても重視しています。だからこそ、デザイン組織の育成やデザインへの投資も積極的に行ってきました

そういった文脈の中で行っているのが、未来のデザイナー育成を目的とした産学連携活動です。2023年夏には、常葉大学造形学部の未来デザイン研究会に所属する学生さんとともに、サービス創造ワークショップを実施。サービスデザインやUI/UXデザインに興味のある8名の方が参加してくれました。

本記事では、開催されたワークショップの概要と、最終発表の様子についてレポート。最後に、ワークショップ企画者のインタビューをご紹介します。

Index

地方に住む女子学生×キャリア。 自分たちをターゲットに、 日常で感じる課題へサービスで応える。

今回ご紹介するのは、2023年7月から3カ月にわたって開催された常葉大学との共同ワークショップです。

テーマは、「地方女子学生がキャリアを構想し就活の糸口を掴むことができるサービス」。パーソルキャリアの「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションにも通じるテーマです。これを基に、3つのグループがサービス開発を行いました。

「地方女子学生」「キャリアを構想する」は、まさに参加している学生さんたち自身がターゲットになり得るテーマ。最終日の冒頭には、「自分たちや周りの友人をターゲットとして考えたとき、参加者の中で共通の課題認識がサービスのヒントになった」という発表がありました。

その「課題」とは、将来の目標がある学生とない学生では、授業や就職活動に対する意欲に大きな差があること。その背景を探ることが、サービスをつくる上で重要なポイントだったようです。

目標があり意欲のある学生には、「こんな人になりたい」とイメージするロールモデルの存在があるのではないか――。参加者のみなさんはこんな仮説を立て、大学の卒業生などにインタビューを実施します。インタビュー内容を分析した結果、得られたニーズを基に3つのグループに分かれ、各グループでひとつずつニーズに応えるサービスをつくることにしました。

それぞれのグループではまず、デスクリサーチ(※1)を実施。その情報を基にユーザーリサーチ(※2)を行い、ペルソナ(※3)を検討しました。ペルソナ検討ののちにサービス内容を具体化していき、UI(※4)やコンセプトムービーまで作成しました。

※1 デスクリサーチ:インターネット検索や資料を基に行う情報収集

※2 ユーザーリサーチ:ユーザーの具体的な状況や考えを知るためのアンケートやインタビューなど

※3 ペルソナ:サービスを利用する理想的なユーザーを想定した架空の人物像

※4 UI:User Interface(ユーザーインターフェース)のことで、ユーザーとサービスをつなぐ接点(ツールやコンテンツ)のこと

ここでは、当日の3グループそれぞれの発表について、要点を絞ってご紹介します。

Aグループ サービス名:「ココほめ」

Aグループの開発したサービスは、「ココほめ」です。長所にフォーカスし、自分の武器を見つけられるサービスとして考案しました。

大学の授業で行うグループワーク後に、振り返り作業として互いにこのサービスを利用することを想定。互いのよかった点などをフィードバックすることで、「他人から見た自身のいいところ」を知ることができるというものです。

自分でも知らなかった長所が見つかることで、自分の強みをつくり、キャリアを考えるきっかけをつくれる。あるいは、褒められることで学生の意欲を醸成できる。そういった点も注目したいポイントでした。

Bグループ サービス名:「ライフミル」

続いてはBグループのサービス。「ライフミル」はその名の通り、これからの「ライフ(人生)」をシミュレーションして「見る」ことができるものです。

アプリ上で自身の大切にしたいことや目指すこと、価値観などを入力。すると、その後の働き方やライフステージの変化などが自動的にシミュレーションされ、人生を想像しやすくなるというサービスです。

入力する指標を変えればシミュレーションで出てくる人生も変わるため、「これを大事にしたいと思ったらこういう人生になるんだな」と比較することが可能。まだ見ぬ未来にワクワクしながらも現実的にキャリアステップを検討できるなど、「最善の妥協」ができる点がアピールされていました。

Cグループ サービス名:「ひろがる」

最後はCグループの「ひろがる」。自分の価値観や興味を基に、ロールモデルの人とつながれるサービスです。

設定された項目に従って自分の興味や価値観を入力していくと、自分だけの「興味チャート」ができあがります。それを基に自己理解を深めるもよし。あるいは、近いチャートの人を探すことも可能です。興味の領域が近い人は、自分のロールモデルになり得る人。そういった人のインタビュー記事をサービス内で読めるようにしたり、直接コンタクトをとれる機能からOB・OG訪問につなげたりすることも想定されていました。

「ロールモデルの存在が意欲の有無に直結する」という本来の課題に対し、ダイレクトに応えられるサービスと言えそうです。

渾身の発表には互いに拍手を送り合う場面も見られ、ワークショップは非常に盛り上がりを見せました。会の最後には、パーソルキャリアでUI/UXデザイナーが所属する組織でプレマネジャーを務める審査員の長沢から、参加者のみなさんにメッセージが送られました。

共同ワークショップ審査員 パーソルキャリア UI/UXデザイナー 長沢 小百合

「どのグループもしっかりリサーチから設計をしていて、大変驚きました。

私が改めてデザインに興味のある学生さんへ伝えたいのは、デザインを信じることとデザインの価値を啓蒙することの重要性です。世の中には、デザイナーのいない会社もあるしデザイナーがいなくてもサービスはつくれます。それでもデザイナーがサービスに関わる意義がある。デザイナーはいちばん、ユーザーを具体的に考えられるからです。

デザインとは、ユーザーにも事業にもいいことを考えること。そんなデザインを重視している企業を選ぶというのも、ひとつの就活の軸になるかもしれませんね。

私が改めてデザインを学ぶ学生さんへ伝えたいことは、自分のデザインを褒め続けてほしいということです。特に、デザインプロセスやアウトプットの価値を言語化してほしいです。デザインはさまざまな関係者と共に取り組む必要があり、プロセスやアウトプットの良さを伝えながら進めることになります。言語化は、その時の引き出しとして役立ちます。はたらく場所はさまざまですが、デザインを信じる仲間として、一緒に良いもの作っていきましょう!」

サービス開発とは、デザインとは。 学びと発見を感じられる、参加者の声。

終了後に寄せられた、研究会メンバーでありパーソルキャリアの内定者である金子さん、研究会指導教員の安武先生のコメントをご紹介します。

研究会メンバー パーソルキャリア 24卒UI/UXデザイナー内定者

造形学部 4年 金子 ゆりさん

「このプロジェクトを進めるにあたっては、理論や手法を手がかりに進めても多くの躓きや混乱がありました。なんとか乗り越えたひとつの打開策として経験を織り交ぜた対話を取り入れたことで、核心に迫っていけたような感覚を味わえたのがよかったです。私たちのぐにゃぐにゃとした脈絡のない生活の中で、例えば妥協を受け入れながら決定していくという小さな場面の連続は、理論では掴められなかっただろうと気づけたので、学生にとって貴重な機会だったと感じています」

研究会 指導教員 安武 伸朗 教授

「プロジェクトの始まりは、『30代のキャリアを考えたくても、女性は変化する要素が多すぎて……』というゼミ4年生の憂いからでした。彼女たちが考えたサービスの核は、デザインの手法やマーケティングの理論ではなく、教員と20代後半の卒業生と4年生が実話と仮説を織り交ぜた問いを繰り返すという泥臭い過程から見つかりました。UX/UIともに未熟だけれど、『産』と『学』が同じ目線で話し合うことで、互いに探索の熱意が高まったことが最大の成果だと思います」

デザイナー採用担当者の想い

今回のワークショップを企画したのは、パーソルキャリアでデザイナー採用を担当する尾家ほの香です。彼女に、「本企画へ込めた想い」と「未来のデザイナーに期待すること」を聞きました。

今回のワークショップは、どのような背景で立ち上がったのでしょうか?

尾家

学生のみなさんに『学ぶ×はたらく』を体験してほしいと考えたことがきっかけです。デザイン、UI/UXについては大学でも学ぶことができますが、実務としてのサービスデザインに触れる機会は少ないと思います。そうすると、就職やキャリアを考えるときに乖離が起こりますよね。

同時に、地方大学の学生、とくに女子学生は、就職に関する視野を広げる機会がなかったり、選択肢が少なかったりすることが課題だと未来デザイン研究会の安武先生から聞いており、その課題にも取り組みたいと考えていました。

『学ぶ×はたらく』を感じてもらいながら、地方大学の女子学生さんたちの課題にも向き合う。そうして考えたのが、今回のワークショップでした。デザインもキャリアも学んでもらうこと。これはパーソルキャリアのミッションとも合致しているので、ぜひやるべきだと思ったんです

パーソルキャリアがデザイナー採用において重視していることはどんなことですか?

尾家

デザインとはアウトプットされたものだけでなく、その背景まで考えることが大事です。だからこそ私たち採用担当も、学生のみなさんと接するときには同じことを重要視しています。

つまり、表面的な印象や提出されたポートフォリオだけで評価はしません。その人自身の価値観やデザインへの想いを理解するのが大切だと考えています。

もともと私は、デザインについて知らないところからデザイナー採用の担当になりました。ただ、デザインについて学ぶうちに大切なことが見えるようになったと思いますし、学びながら自分が成長している実感があります。今回のワークショップで体験した『学ぶ×はたらく』は、私自身にも当てはまりました

デザイナー職の方に期待することはどんなことですか?

尾家

パーソルキャリアのデザイナーは、いわゆる『作業だけをやるデザイナー』ではありません。サービスの上流から下流まで関わってくれることを期待しています。領域を越えてチャレンジできるくらい個人の裁量が大きく、しかし成長するためのサポート環境も整っているのが私たちの特徴だと思います。

たとえば、社内サービス起案イベントやコーチング、資格補助、研修補助など。『若いうちからデザイナーとして裁量を持って成長したい!』という方にはとてもいい環境ではないでしょうか。パーソルキャリアはデザインの力にとても期待している企業です。所属100人を超えるデザイン組織が、あなたを待っています

最後に、デザイナーを志望する学生にメッセージをお願いします。

尾家

パーソルキャリアには、さまざまなバックグラウンドを持つデザインのプロたちがいます。多くの人から、多くの知識やスキルを吸収しながら、はたらけるはずです!そんな環境で成長したいと考えてくださる方は、ぜひ選考でお会いましょう!

※年次・所属部署は取材当時のものです。

  1. TOP
  2. HATARACTION! for NEW GRADUATE
  3. {{ currentPageData.catch }}