心身の健康

生理・PMSの悩みにみんなで取り組む!
パーソルキャリアのヘルスリテラシー向上セミナー【後編】

パーソルキャリアでは、DI&E(ダイバーシティ インクルージョン アンド イクオリティ)の一環として、社員の「ヘルスリテラシー」の向上に取り組んでいる。その一つとして、「生理とPMS(月経前症候群)」をテーマに、「管理職向け」と「当事者の女性向け」の2回に分けて社内セミナーを実施した。

生理やPMSの症状は個人差があり、症状の重さを人と比べることは難しい。そのため、つらくても「私だけじゃないし、病気でもないから」「今だけ耐えたら大丈夫」と、ガマンしてしまう女性もいる。また、管理職側の知識や理解が足りず、症状に悩む女性社員に対する適切なマネジメントやケアができていない現状がある。

社員自身の健康に対する意識の向上と、楽しく健康にはたらけるための環境作りを目指して実施したヘルスリテラシーセミナーの内容と参加者の感想レポートの後編をお届けする。

生理の基礎知識、澤穂希さんの体との向き合い方

管理職向けセミナーから約2週間後、2023年2月7日に開催した「女性特有の症状理解と対処法を学ぶ」セミナーには、男性社員も含めて約1,200人が参加した。

セミナーでは、サッカー界のレジェンド、澤穂希さんをゲストに迎え、現役時代にヘルスリテラシーを高めて、実践した経験を語っていただいた。
澤さんは、生理痛や鉄分不足、女性特有の疾病で低用量ピルを服用したのではなかった。日頃から健康な状態でありながらも、定期的にパーソナルドクターからの女性の健康に関するアドバイスを受け、ご自身のヘルスリテラシーを高められる過程で低用量ピルの服用に至った。これが、結果的に37歳まで現役でプレーすることを可能にし、引退後すぐに妊娠、出産することにつながったエピソードを披露。

臨床助産師の岸畑聖月さんは、「毎月、上司との定例1on1が、生理前の気持ちが不安定な時期に重なって怖い」「大事なプレゼンの日に限って生理がきてしまう」など、当事者の女性なら身近に感じられる事例を通じて、生理の仕組みや基礎知識、その対処法について解説。
PMSによるイライラや気分の落ち込みなどが強い場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性があることを知った参加者からは、「知らなかった」「心当たりがあるのでどきっとした」という声が多くあがった。

主なプログラム

  • 1.なぜヘルスリテラシーセミナーなのか
      事業本部長 大浦征也
  • 2.トークセッション
      元サッカー女子日本代表 澤穂希さん
      国立病院機構 西別府病院 松田貴雄先生
      法政大学スポーツ健康学部 スポーツ健康学科 山本浩教授―
  • 3.「現代社会でも乗り越えられない!?―はたらく私をケアするためにー」
      講師:株式会社With Midwife CEO/臨床助産師 岸畑聖月氏 

【女性特有の症状理解と対処法を学ぶセミナー】参加者の92%が「セミナー後に意識の変化があった」と回答

セミナー後のアンケートでは、「ヘルスリテラシーについての理解が深まったか」という質問に対して、「非常にそう思う」「ややそう思う」の回答合計が97.6%、「参加前後でヘルスリテラシーについて意識の変化はあったか」という問いに対しては、「非常にそう思う」「ややそう思う」の回答合計が92.0%だった。

また、参加者からは次のような感想が寄せられた。

  • 日々の業務が忙しく、自身の健康観察に目を向けられていないと改めて気づいた。(女性)
  • 痛みを我慢していたが、病院に行って相談してみようと思った。(女性)
  • 知っていたつもりの知識が明確になった。声を上げやすくなるきっかけにもなる。(女性)
  • 妻の生理の件でちょうど悩んでいたので話すいい機会にもなり、自分も健康面に気を付けようと思った。(男性)
  • 生理やPMSへの配慮が必要なことは理解していたが、男性側からあえて声をかけにくいことでもあった。会社でオープンにセミナーを開催することで配慮しやすくなると感じた。(男性)

当事者の女性社員だけでなく、男性社員にとっても気付きの多いセミナーとなった。

人間をもっと立体的に捉えられる人であふれる組織でありたい

セミナーを企画した大浦と松尾は、それぞれの思いを以下のように語る。

大浦: 症状が重く、悩んでいる女性が多くいることはこれまでも知っていましたが、当たり障りのない対応しかできていませんでした。私自身がリテラシーを上げたいという思いからセミナーを企画しました。
今回は女性の生理、PMSをテーマにしましたが、これはあくまできっかけに過ぎません。女性に限らず、男性にも更年期があるし、それ以外の病気ももちろんある。今回のセミナーをきっかけに、そういう表面には見えない一人ひとりの事情があるかもしれないことにも思いをはせ、人間をもっと立体的に捉えられる人であふれる組織でありたいと思っています。

松尾: パーソルキャリアが実施した調査では、ヘルスリテラシーが高いと、「はたらく喜び・楽しみ」や「自己決定感」が総じて高い※ということも分かっています。自分自身をより俯瞰的に捉え、適切に対処できる力を身につけることは、まさに自身のキャリアを主体的に考え実現する「キャリアオーナーシップ」の発揮には不可欠なものと言えるでしょう。
私も、長年にわたり生理痛やPMSに悩まされてきた一人です。無理してはたらいていましたので、当時はパフォーマンスも発揮できていなかったと思います。でもヘルスリテラシーを身につけたことで、無用な気分の落ち込みもなくなりましたし、物ごとの考え方がポジティブになりました。やはり健康でないと前向きでいられないなと、過去を振り返ってみると、そう感じます。
自分の経験からも、同じように悩む女性が減ってほしいと心から願っています。

今後は、セミナー開催の対象も全社に広げ、更年期をはじめ、性別にかかわらず多くの社員が悩みを抱えるテーマを取り上げていく予定だ。
これからもパーソルキャリアでは、社員一人ひとりが自分の体と健康に向き合い、リテラシー向上につながる多くの機会を提供していくことで、社員のキャリアオーナーシップ発揮をバックアップしていく。

編集:パーソルキャリア広報部 ライター:尾越 まり恵

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