学び/越境体験

全国拠点の交流を密に!
コロナ下の入社社員をつなぐ「NOROSHI」プロジェクト

「つながりは仕事を豊かにする」。
2022年11月、「NOROSHI(ノロシ)」がパーソルキャリアの各拠点をオンラインで結んで開催された。NOROSHIとは、採用ソリューション事業部が実施している「組織で良い仕事を共有・称賛し、新しい行動につなげよう」という取り組み。
この取り組みは、現場社員が感じた課題が開催のきっかけになった。起案者の廣瀬敦、運営事務局の小野理紗子に、企画への思いを尋ねた。

運営事務局の小野理紗子(左)、起案者の廣瀬敦(右)

きっかけは「全国で社員をつなぐ‟何か”をできないか」という思い

コロナ下でリモートワークが増える中、営業マネジャーの廣瀬は感じていた課題があった。

廣瀬: パーソルキャリアは全国に支社があるのに、拠点間のつながりが薄い。以前は研修などで会う機会もありましたが、コロナ下で入社した新卒社員や中途社員は、リモートワークで拠点のつながりが薄くなっていました。

廣瀬は中途入社以来、一貫して求人広告dodaの提案営業に従事している。転職したてのころ、先輩の営業に同行したり、同僚からアドバイスをもらったりするのはもちろんのこと、知り合った支社のメンバーからの助言で成長できたと実感している。しかしコロナ下でリモートワークとなり、そもそも支社のメンバーとのつながりがなくなってしまった。
そこで、拠点を超えて営業のナレッジをシェアすることでつながりを作れないかと考え、2020年から2021年にかけて全国のオンライン営業ロールプレイング大会を行った。

必要なのは‟競争”より‟称賛”

ところがロールプレイング大会を経て、社員同士が切磋琢磨する様子は見られたものの、つながりができたという実感は弱かったという。

廣瀬: そもそも目的は「つながりを強くしたい」でしたが、結果として競争になっていました。つながりを作るのに効果的な取り組みがほかにあるのではと、考え直しました。

しかし、廣瀬が1人でできることには限界があったため、若手社員の育成を一緒に手掛けてきた営業メンバーの佐野香織、本澤悟、小野理紗子の3人に声をかけた。この時点では「全国横断でつながれる何かをやりたい」ということしか決まっていなかったが、それでもすぐに協力することを決めたと、メンバーの一人である小野は話す。

小野: 私が入社したときはまだコロナもなく、エリアをまたいだ取り組みや研修があり「一緒にはたらいている」という実感を持てました。同期の仕事を見て刺激を受け、成長できる環境が当たり前にあったのです。今はつながりが薄くなり、仕事のインプットに限界があることを痛感していました。なので「全国横断」と聞いてすぐに取り組みたい!と思ったのです。

4人で企画を考えていく中で、発起人である廣瀬にも変化があった。

廣瀬: 企画を進めていくうちに実現したいことが膨らんで、本来目指したいものは何かが見えなくなっていました。そこで、自分がなぜこの企画を始めたのかという原点に立ち返りました。「横のつながり」ができると、「称賛しあう機会」が増え、「仕事への意欲」につながる。これを大事にしたいとメンバーに共有しました。メンバーと議論を重ねるうちに、コロナ下以前に「NOROSHI」という情報共有の取り組みがあったことを思い出したのです。

廣瀬は、以前に実施した「NOROSHI」の概要をすぐに3人に伝えた。これなら横のつながりを作ることができ、仕事を称賛する機会にもなる。4人でコロナ下ならではの「NOROSHI」を開催しようと決断した。

つながりの少ない社員に、つながる機会を提供する

3年ぶりの開催となる「NOROSHI」に向けた準備がスタートした。コロナ下以前の「NOROSHI」は、求人広告の営業全員が参加し、仕事の工夫やポイントのプレゼンテーションを行っていた。しかし今回、プレゼン内容はそのままに、コロナ下で入社した新卒社員や中途社員だけを対象にした。その理由を小野は次のように話す。

小野: 運営メンバーで、つながりを軸に「誰のために、何をやるか」を考え抜き、今つながりが一番必要なのは「コロナ下入社で実際に会って話す機会が少なかった社員」であるという結論に達しました。そして、同じような悩みを持つ社員同士、「情報共有をして、互いに共感・称賛すること」でつながりを得られると思いました。

目的ややることは決まったものの、拠点や部署によって業務量や仕事の進め方も違うため、全国の拠点を巻き込む必要があった。そこで「なぜやるのか」を伝えるために、北海道から九州まで6拠点の管理職に対して説明の場を設け、納得してもらった上で開催にこぎつけた。

エントリー対象となる社員は約80人。新卒部門、中途部門に分かれ、5~6人のグループごとにすべてオンラインで発表・審査を行う。グループマネジャーによる一次審査、ゼネラルマネジャーによる二次審査を経て、新卒2人、中途3人が最終審査に進む。審査の組み合わせも、全国のつながりを意識したグループ分けにするため、一次審査からエリアや部署をまたいでグループを作った。普段一緒にはたらいていない人の仕事のプレゼンテーションを聞けるようにし、違うエリアの良い事例を聞くことで、自身の仕事に参考になればという狙いがあった。

2022年10月から審査が始まった「NOROSHI」は、2022年11月22日にファイナリストによるプレゼンが行われた。画面には全国からの応援メッセージや感想が途切れることなく飛び交い、オンラインとは思えない熱気を帯びた。優勝者は、イベントに参加した社員200人以上による投票で決定。優勝したのは新卒部門・中途部門ともに、企業の課題解決のため新しい手法に挑戦し、変革を提案した事例だった。一次審査から最終審査まで見た廣瀬は、発表をこう振り返る。

廣瀬: エントリーした社員はみな、自分の仕事をしっかり伝えられていました。特に、最終審査に残った社員の発表は「企業の課題について、どう考え、どう動いたのか」を振り返っていました。企業規模や場所を問わず、全国どこでも応用できるという点に共感や称賛が集まったのでしょう。

また、パーソルキャリア代表取締役社長の瀬野尾裕も出席し「コロナ下でコミュニケーションが希薄になる中で、こういった取り組みができることは素晴らしい。最前線で行われている取り組みに触れることも楽しみ」と激励のコメントを寄せた。

自分の仕事を整理して、同僚から刺激をもらう。全国の‟のろし”をオンラインで見る取り組み

プロジェクト名の「NOROSHI」は、離れた場所からでも確認ができる「のろし」に由来する。全国各地から発信された、仕事の成果という「のろし」を見ることで、「一緒にはたらいている」という意識を持てた参加者も多かったようだ。

小野: 同部署のメンバーも参加しましたが、自分の仕事を整理する時間ができ、振り返る良いきっかけになったと話していました。また、初めてほかのエリアではたらく仲間の話を聞いた人も多く、「そういうやり方もあるんだ」「こんなに頑張ってるんだ」と、いい刺激をもらったり、感動したりしていました。

参加者から寄せられたアンケートの回答の中には「『はたらいて、笑おう。』を自分ごとにできるようになった」という声も。グループビジョンのもと、良い事例を共有・称賛し、社員をつなげる場として、しっかりと役割を果たせたようだ。

廣瀬: 競争心をあおるものではなく、ほかの人の仕事を見て、自分の仕事にも活かせる良い場になったと思います。これからもパーソルキャリアらしい文化として、ずっと続けていきたい取り組みです。

その廣瀬の願いどおり、「NOROSHI」は人事部によるバックアップのもと、対象者を拡大して継続することが決まっている。一人の社員の思いから始まった「つながり」は、今後も続いていく。

※掲載している内容・社員の所属は取材当時のものです。

編集:パーソルキャリア広報部 ライター:明知 真理子

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