
2024.12.26
説得じゃない、伴走だ。キャリアアドバイザーが最も重要視する、 転職希望者の「自己決定」とはどんなこと?
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栗 大輝 (くり だいき)
新卒3年目
エージェントサービス事業部 転職支援統括部 CAIT部 キャリアアドバイザー
大学2年生から就職活動を始め、キャリア支援の学生団体やNPOを経験。新卒でパーソルキャリアへ入社した後はIT業界のキャリアアドバイザー(CA)を務めながら、複業として新卒採用領域の企画にも挑戦。新人育成担当である「ブラザー」も経験し、将来的には戦略人事(HRBP)を目指し邁進している。
転職希望者の要望を聞き取り、適切な企業を紹介するキャリアアドバイザー(CA)。人と仕事を結びつけるイメージが強いCAですが、「ただ条件だけでマッチングをさせているわけではない」と栗大輝さんは言います。栗さんが大切にするのは、転職希望者が自分で考え、気づき、自分の将来を決められるように伴走すること。CAが考える、「自己決定」の重要性を深掘ります。

野球嫌いの過去から、誰かの人生に選択肢をもたらす仕事に!?
本日は、CAの仕事内容やそのやりがいについてお聞きできればと思っています。まずは入社の経緯からお聞かせください。
栗
入社の経緯とは直接関係ないかもしれないのですが、私は小さいころから10年ほど野球をやっていまして。今の自分の仕事観にもつながってくるので、その話からしてもいいですか?
はい、ぜひお聞きしたいです。
栗
父も兄も野球をやっていたので、自分も野球をやるのが当たり前。私は、本当は野球があまり好きではなかったのですが、当時は野球がすべてに思えていたというか、ほかの選択肢を知らなかったんです。苦しいながらも「野球は辞められないもの」と思っていました。
転機になったのは大学でした。生まれ育った茨城の田舎から関西の大学に進学し、世界の見え方が変わったからです。野球だけじゃなく、自分にはさまざまな将来の選択肢があることを知りました。当時の気づきは、今の自分が「CAとして誰かのキャリアを支援したい」と思う気持ちともつながっていると思っていて。人の可能性を信じ、選択肢を広げられる人間になりたいと望むきっかけにもなりました。
とても素敵なお話ですね! 大学生のころから、キャリアや就活、人材業界などに興味を持たれていたのでしょうか。
栗
そうですね、就職活動を始めたのは早いほうだと思います。大学2年生くらいから業界研究をしたり、インターンに参加したりしていました。経営学部で組織について学んだり、就活支援の学生団体やNPOで活動したりしていた時期もあるので、もともと人のキャリアや人がはたらく組織には興味があったんですよね。
キャリアや組織に興味があったのはどのような背景があったのでしょうか?
栗
ちょうどコロナ禍で、「未来はどうなるんだろう」「人がいる社会や環境はどうなるんだろう」と考えていたことが大きいかもしれません。これからの人や社会に興味があって、そこからキャリアや組織にも興味が広がりました。就活では幅広い業界を見ましたが、人材業界と人事系コンサル業界には特に興味を持ちました。
パーソルキャリアに入社を決めた理由をぜひ知りたいです。
栗
本気で「はたらく」を良くしたいという気持ちが、パーソルキャリアのビジョンと一致したからです。就活に際してあらためて考えたとき、「これから40年、50年はたらくのって長いよな」と率直に思いました。また、自分の親のはたらく姿を思い出すと、仕事をするのが苦しそうに見えたこともあった気がします。そういった過去見てきたものや将来へ向けて考えたことも含め、人生の大切な時間を費やすのならば、「はたらく」をどうにか良いものにしたいな、と思ったんです。その点で、「はたらいて、笑おう。」を掲げるパーソルキャリアとは目指すものや価値観が近いのではないかと感じました。

「自分と同じ年齢がターゲットなら……」 若手を武器に、ノウハウの確立に貢献できた。
栗さんが担当しているCAのお仕事内容について教えてください。
栗
CAは個人のお客さま、つまり転職の意志がある方と向き合う仕事です。転職希望者さまの要望を引き出したり、それに適した求人を紹介したりするのはもちろん、職務経歴書の書き方についてのアドバイスや面接練習などにも関わります。私が日々接しているのは、主にIT業界を志望する方。現在は70人から90人くらいの方を担当しています。年代はさまざまで、20代から50代の方になりますね。
20代から50代! 幅広い年齢層の方から信頼していただくコミュニケーション力が重要になりますね。
栗
そうですね。転職希望者さまの年齢や経験、スキルによって対応が変わるところも大きいです。例えば私は今入社3年目ですが、比較的若い転職希望者さまに対応する場合は若手社員であることが有利になることもあります。
若手だと有利、とはどういうことでしょうか?
栗
過去のお話しになるのですが、入社して最初の配属が新規で立ち上がったプロジェクトチームでした。24歳以下・第二新卒の方を専門に転職支援をするチームです。配属直後の私はIT業界について知識がまだほとんどない状態。一方で転職希望者の方々と年齢が近かったため、丁寧に関係構築を行い、彼ら彼女らのやる気を引き出す役割を担えました。24歳以下をターゲットとしたチームはそれまでなかったため、チーム内ではノウハウもまだ確立されていなかったのですが、「自分くらいの年齢ならこういったコミュニケーションが嬉しいのではないか」と自分からチームに提案することもでき、良い経験となりました。
なるほど。若い個人のお客さま相手だと、若手であることが武器になることもあるのですね。
栗
もちろん、入社3年目の今は業界知識や現場知識を身につけているため、経験と知識の両方を踏まえた提案もできるようになっていると思います。特に50代以降など、特定のスキルを伸ばしている転職希望者の方の場合は、CAであるこちら側の知識が特に大事。そういったプロフェッショナルの方は、たった一人の入社でも企業が大きく変わることがあります。CAは法人のお客さまとのやり取りはありませんが、間接的にでも「この人の入社でうちの会社は変わるよ!」と喜びの声を聞かせていただけるのは大きなやりがいです。

ティーチングか。コーチングか。 大切なのは、自ら気づいてもらうこと。
転職希望者さまの入社を通して、企業の未来に影響を与えているのですね。
栗
もちろん、転職希望者さま自身にとっても影響は大きいと思います。私たちは、誰かの人生を変えるのでそれくらい責任の大きな仕事をしています。一方、転職希望者さまの大きな決断を良い方向に導けるのはこの仕事のおもしろさだと思います。
人生の変わる決断を良い方向に導く仕事、素敵だと思います。ぜひ具体的にどのようなご経験があるか、お聞きしたいです!
栗
転職希望者さま自身も気づいていなかった選択肢を提示できた経験でいうと、エンジニアの方へのご支援経験があります。その方は、カウンセリングに来ていただいた当初、エンジニアを辞めてほかの職種への転職を希望されていました。希望通りに他職種を紹介することも可能でしたが、職種を変えるキャリアチェンジは年収が下がったり、業務内容が合わなかったりするなどリスクも伴います。私としては、自分が担当する転職希望者さまには後悔しない選択をしてほしいし、真に幸せになる転職を実現してほしい。そのため、転職希望者さまの希望だけを鵜呑みにせずに、理由を深掘りしてみたのです。
すると、エンジニアを辞めたい理由が、残業が多かったりトラブルの多いプロジェクトを担当し続けていたりといった労働環境にあることが分かりました。その方の不満は、エンジニアという職種そのものではなく、自分に合っていない労働環境にあったのです。より良いはたらき方が叶う企業を紹介することで、後悔のない選択をしていただくことができました。
たしかに、条件を聞いてマッチングさせるだけではできないご支援ですね! そういったときは、「あなたの場合はエンジニアを辞めないほうが良いですよ」と説得するのでしょうか?
栗
ニュアンスが難しいですが、「説得」はしません。私がするべきことはあくまで、選択肢の提示だと思っています。よく「ティーチング」と「コーチング」の違いって言いますよね。ティーチングは、コレが正しいですよと指示したり教えたりすること。コーチングは、相手に自ら学んだり気づいたりしてもらうことです。CAに重要なのは、コーチングのほう。「こうしましょう」と促すのではなく、転職希望者さまが自分で気づいて自分で決められるよう、伴走する役割だと思います。一番大切なのは、転職希望者さまの「自己決定」なのですから。

キレイごとかもしれないビジョンを本気で目指す人たち。 この仲間とはたらくことに、意味がある。
今後の目標についても聞かせていただけますか?
栗
はい。最初にお話したように、昔から人のキャリアと人がはたらく組織の両方に興味があります。これまではCAとして個人の転職希望者さまと接し、現場でいろんなことを学ばせていただきました。今後は、組織づくりを行う仕事にチャレンジしてみたいと思っています。まだ確定ではありませんが、現時点ではパーソルキャリアのHRBP(戦略人事)と呼ばれるポジションに挑戦してみたいです。上長や社内メンターにアドバイスをいただきながら、自身の中長期的なキャリアについて考える時間を意識的に取っています。戦略人事は自分のキャリアビジョンを叶えられるポジションだというのが、今の考えです。
戦略人事はどのような仕事をするのでしょうか?
栗
採用の領域に限らず、企業の組織づくりを担当します。例えば人事評価や人材の配置とか。先ほど、たった一人のプロフェッショナルの力で組織が変わることがあるとお話ししましたよね。それはもちろん起こり得る話なのですが、組織によって個人が変わってしまう例のほうが圧倒的に多いと感じます。直接的に言うなら、「環境で人が腐る」ことがある。実際、これまでCAとして残念な想いをしたこともあります。だから、環境や組織は大事。組織をより良くすることで「はたらく」により前向きな影響を生み出したいんです。
なるほど。組織のコンサルタントをするとなると、パーソルキャリアではなく他社に転職することも視野に入れていらっしゃるのでしょうか?
栗
転職支援のプロフェッショナルとして私自身も転職するという選択肢は持っていますが、現時点ではぜひパーソルキャリアで挑戦したいと考えています。理由は大きく二つ。一つは、やはり人と組織に関する専門性が高く、パーソルキャリアだから持っているナレッジがあるからです。
二つ目の理由は、この会社のビジョンと環境がやっぱり好きなことです。もともと「はたらいて、笑おう。」というビジョンに共感して入社しました。ともするとキレイごとにも聞こえるようなこのビジョンを、本気で目指している人がたくさんいる。本気で会社を、そして社会を良くしたいと思っている人たちが周りにたくさんいるんです。だからこそ、自分もこの組織への想いをより強く持ってはたらくことができると考えています。

※年次・所属部署は取材当時のものです。
監修者:HATARACTION!編集部
"はたらく課題"と"ビジネス"をつなげてとらえ、自分ゴトとして、その解決プロセスを楽しむパーソルキャリアの社員をご紹介します。