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2021.06.03

衝突を恐れるな。MVPを受賞した、
若手キャリアアドバイザーのプロ意識とは。

  • 村本 拓夢 (むらもと たくむ)

    新卒4年目

    dodaエージェント事業部 キャリアアドバイザー

    学生時代に海外留学や海外インターンを経験したのち、誰かの役に立てる仕事を志望し、人材業界のCAへ。主に製造業界の技術者へ向けた転職支援を行っている。2019年度社内MVP受賞。

社会人1年目で、業界知識もないのに。自身には、転職経験もないのに。 本当に誰かの転職支援なんてできるのでしょうか。 そんな新人CA(キャリアアドバイザー)の不安を払拭してくれるのが、村本拓夢のプロ意識です。村本が強調するのは、CAは決して知識や経験だけで転職支援をするわけではないのだということ。 転職希望者に寄り添い、転職市場のプロとして対等に意見を交わすからこそ、誰かの役に立てるのだと、彼は語ります。

アメリカに渡って気づいた、日本企業の魅力。

村本さんは、2018年の入社なのですね。最初に、どのような大学時代を過ごしていたか教えてください。

村本

はい。大学時代は短期で海外留学をしたり、海外インターンをしたり。国際交流サークルに所属しており、海外からの留学生と接する機会も多かったです。

海外へ強い興味を持っていたのですね。

村本

そうですね。もともと英語の勉強が好きだったことから関心を持ち始めました。

海外と関わる仕事や英語を活かした仕事も検討されたのでしょうか?

村本

英語も海外も好きですが、仕事は日本の企業でしたいと考えていました。きっかけは学生インターンとして、アメリカではたらいた経験です。私はそこで、日本とアメリカの企業文化に関する違いを感じました。

企業文化の違いとは、どのようなことですか?

村本

はい。アメリカではたらいてみて、個人主義・成果主義が徹底されていると感じました。日本の「チームで頑張る」という姿勢とは真逆の文化だったと思います。どちらが正しいということはありませんが、自分には後者の、チーム一丸となって目標を目指し互いに切磋琢磨する姿勢のほうが合っている気がしたのです。それで就職活動時も、日本企業を中心に検討しました。

日本企業もさまざまありますが、今の仕事を選んだ決め手は?

村本

まず、何かモノを売る有形商材のビジネスよりも、自分を介してお客さまの課題解決を提案できる無形商材のビジネスがいいなと思っていました。中でも、人材業界を選んだのはCAの仕事に興味があったからです。
昔から誰かのためになら頑張れる性格だったので、誰かの人生に寄り添い、話を真摯に聞きながら転職のお手伝いをするCAは向いているだろうと考えました。就職活動で母に職種の相談をしたときに「小さいころから、あなたは誰かに勉強を教えたりするのは得意だったから、誰かに寄り添ってアドバイスをするのは向いているかもね」という話があったことも印象に残っています。
昔からずっと、目の前にいる人のために役立ちたいという気持ちが強かったのでしょうね。

NPOやNGOではたらいたり、仕事とは別にボランティアをしたりする人もいますよね。

村本

そうですね。でも私は、誰かのためになることと、自分の成長や利益になること、仕事を通じてその両方をかなえたいと考えていました。Win-Winの状態ですね。まさに、CAの仕事は自分の望みに合致していたのだと思います。

入社後は希望どおりCAの配属となったのですか?

村本

はい。パーソルキャリアには「キャリアアドバイザーカレッジ」という新入社員を育成する組織があり、CAとして現場へ本配属となる前に、そこで8カ月ほど経験を積みました。

では、キャリアアドバイザーカレッジがどのような組織なのか教えてください。

村本

新入社員の指導担当者が、CAの仕事をトレーニングする組織です。といっても、私たち、つまり新入社員は座学で講習を受けたわけではありませんでした。実際に転職を希望されるお客さまを担当し、指導担当の先輩から細やかにアドバイスを受けながら転職支援を行っていくものです。

半分研修、半分現場といったところですね。

村本

そうですね。転職希望のお客さまも、自分と同年代ぐらいの方を担当するので、比較的コミュニケーションが取りやすいところからスタートできます。

いきなり現場100%ではないわけですね。

村本

はい、もちろん育成体制は手厚く整っています。ただ、私は会社から用意された体制の中で成長するだけではなく、できるだけ早く一人前のCAに成長したかった。そのために使えるものはすべて使う、自分からガンガン情報を取りに行って自ら学ぶことも大切だと考えていました。

考えをていねいに伝えるための「タチツテト」。

自ら情報を取りに行って学ぶ、とは?

村本

私たち1年目と同じフロアには、すでに現場に出ている先輩たちもたくさんはたらいていました。その中には、トップ営業と呼ばれる活躍中の先輩もいる。ならば直接教えを請わない手はないだろうと。キャリアアドバイザーカレッジの求人でも、ちょっと迷ったときは「5分ください!」とアドバイスをもらいにいってみたり、突然「仕事の話が聞きたいので、ランチご一緒しませんか?」と声を掛けてみたりしていました。

積極的な1年目だったのですね。そうすると、キャリアアドバイザーカレッジを終えて現場へ本配属となった後も早くから結果を出せそうです。

村本

そうですね。実際、CAとしての滑り出しはかなり順調で、営業成績も上がっていたと思います。ただ、結果は出る一方で、お客さまからクレームやお叱りをいただくことも多かったのですよ。

どのようなお叱りが?

村本

「言い方がキツい」とか、「不快な思いをした」といったご意見をいただいたことがありました。確かに転職支援というのは、転職希望者にとって耳の痛いことや聞きたくないことも、時にはお伝えしなければならないことがあります。ただ、当時の私はあまりにも伝え方に配慮がなかったのだと思います。

言うべきことだから、そのまま言う。それだけだったのですね。

村本

そのとおりです。同僚から、「村本は意図や背景を伝えなさ過ぎるんだよ」と言われてしまいました。なぜ厳しいことを言うのか。自分がどのように考えて助言しているのか。意図がまったく伝えられていなかったから、お客さまを嫌な気持ちにさせてしまうことがあったのだと思います。

その後、どのように行動を変えられたのですか?

村本

「自分の考えを伝えるためのタチツテト」を考えました。意見を言ったあと、タチツテトで補うのです。

具体的にタチツテトとは?

村本

タチツテトは「タ たとえば」「チ ちなみに」「ツ つまり」「テ であれば」「ト というのも」の5つ。例えば「こういった企業がオススメですよ」と言うだけだと、決めつけのような印象になりますが、「こういった企業がオススメです。というのも……」と理由を付け加えるだけで、相手は納得感を得られますよね。自分の考えを伝えるときはタチツテトを使いこなして、意図や背景まで説明することを心掛けるようにしました。

面白いやり方ですね。

村本

ちょっとした工夫として始めてみたのですが、自分に合っているやり方でした。これにより、クレーム件数がゼロになったのですよ。

CAと転職希望者は、常に対等に向き合わなければならない。

かなり順調にCAとして活躍されているのだと思いました。挫折や失敗の経験はなかったですか?

村本

もちろんありますよ。2年目の半ばぐらいまでは、順風満帆。社内でMVP賞を受賞することもありました。しかしその直後から急に売り上げが伸び悩むようになってしまったのです。

受賞直後から、急に。

村本

本配属直後から売り上げが伸び、しかも社内賞を獲得。そうなると、失敗できない。結果は出して当たり前なのだとプレッシャーを感じるようになってしまったのです。これは悪いループで、プレッシャーを感じて結果がうまく出せない。悪い結果に焦ってしまい、さらにうまくいかない。ちょうど私のチームは調子よく売り上げを伸ばしている時期だったので、一人だけ足を引っ張っている感覚が苦しかったです。

村本さんはどう乗り越えようとしましたか。

村本

まずは上司に相談しました。すると、「悩んでいるのは分かるけど、口で言ってるだけだよね」と返ってきたのです。

厳しいですね!

村本

厳しいですよね。でも私が悩んでいるそぶりを見せながらも、特に自分で行動することなく答えを求めにいったことを、上司は見抜いていたのだと思います。「まずはその意識から変えるべきだぞ」と、教えてくれていたのではないかな。

なるほど。そのことに気づいて、まず村本さんの意識が変わり始めたと。

村本

変わりましたね。意識が変わると、仕事に関わる個々の判断が変わります。自分が結果を出そうと躍起になるのではなく、組織の一員としてどうするべきか、みんなで結果を出すには何をするべきか考える。組織やチームから何を求められているのか、といった目線を意識することで、自分のやるべきことを、組織の立場から逆算して考えられるようになりました。意識が変われば行動も変わりますし、スランプから自然と抜け出すことができたと感じます。

お客さまへの接し方も変わりましたか?

村本

それまでにも意識はしていましたが、いっそうプロとして寄り添うことを心掛けるようになりました。

プロとして、とは? どのようなことが大切なのでしょうか。

村本

お客さまと、対等に接することです。転職希望者には、転職して「いただく」のではないし、私が転職のアドバイスを「してあげる」わけでもありません。それぞれが知識や経験、考え方を持っていて、その中で的確な転職支援を行うことが大切なのだと考えています。

対等に接するためには、先ほどの「タチツテト」も役立ちそうですね。

村本

大いに役立ちます。対等だからこそ意見が異なることもあって、お互い伝え合えるのが対等な関係です。そして意見は、ていねいに伝える。「タチツテト」は、すごく活用していますね。それからもう一つ、新人時代のキャリアアドバイザーカレッジで教わったことも役に立っています。

キャリアアドバイザーカレッジで教わったこととは、どのようなことですか?

村本

当時の上司から、「CAの仕事は、お客さまをいい気分にさせることではない」と教わっていました。いい気分にさせるのがゴールではなく、私たちが考えるべきなのは転職支援を行うことです。だから、意見の衝突を恐れずに強い意志を持つべきなのだと。その意識こそがプロとしての姿勢なのだなと、改めて考えるようになりました。

戦略でチームを動かす。軍師のようなマネジャーに。

今後、チャレンジしてみたいことなどはありますか?

村本

CAとしての仕事はもちろんですが、社内のメンバー教育やマネジメントにも興味が出てきました。ありがたいことにパーソルキャリアには、さまざまな仕事にチャレンジできる文化があります。自分の希望を上司に伝えていたこともあり、3年目ぐらいから社内のリーダー研修などへ積極的に参加できるようになりました。

すでにマネジャーとなるための準備を始めているのですね。村本さんの目指すマネジャー像はありますか?

村本

チームを動かす、軍師のような存在だと思います。というのも私自身、先頭に立ってみんなを引っ張っていくリーダーよりも、作戦や戦略を立ててみんなに動いてもらうのが得意なタイプだから。

軍師タイプのマネジャー。「タチツテト」を自力で編み出したように、どうやったら目的がかなえられるか、戦略考えるのは得意なのかもしれないですね。

村本

そうですね。ノウハウやツールをどんどんメンバー同士で共有して、みんなが動きやすいような「型」になるものを私がつくっていけたらと思っています。
その先には、メンバーそれぞれが自分の強みを活かした唯一無二のCAとして、お客さまの転職支援に臨める組織をつくりたいですね。

そうすれば、お客さまから信頼され、よりよい価値を社会に届けることができる。

そんなチームづくりを想像しては、ワクワクしています。

※年次・所属部署は取材当時のものです。

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