
2023.10.13
きっかけは周囲の課題や悩み。当事者として、まずは女性の「はたらく」を変えたい。
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加藤 杏奈 (かとう きょうな)
新卒5年目
人事本部 DEI推進グループ
大学時代から社会福祉や教育に関心を持ち、在学中に教員免許と社会福祉士の国家資格を取得。パーソルキャリアには2019年に新卒で入社。新卒採用部に配属され、リクルーター、内定者研修オーナー、中部エリア採用責任者などを経て2022年秋、DI&E推進部に異動。女性の管理職比率向上などのミッションに取り組んでいる。
私はこうやって出会った!大学1~2生に伝えたい「社会課題の見つけ方」
大学生の頃から教育や社会福祉に興味を持ち、大学でも教育福祉について学んだ加藤。パーソルキャリアへ新卒入社後は新卒採用部に配属されましたが、社会福祉・女性福祉への課題意識を持ち続け、時間を見つけては外部のイベントなどに参加していたと言います。そして2022年の秋からは、多様性を活かした働き方を推進する部署への異動が実現。そんな加藤に、大学1~2年生からもできる「自己実現の土台となる社会課題の見つけ方」について話を聞きました。

ダイバーシティの実現に向け女性管理職の比率上昇を目指す
加藤さんは2022年の秋、「DI&E推進部」に異動されたと聞きました。具体的に、DI&E推進部ではどのようなお仕事をしているのでしょうか?
加藤
「DI&E(※)推進部」は社内のダイバーシティを推進する組織で、私は、現在は主に女性の管理職比率向上にフォーカスした仕事をしています。管理職ではない方に「管理職に就きたい」と思ってもらえるようなアプローチをしたり、実際に管理職を目指している方がチャレンジの機会を得やすいように研修を実施したり、といった感じですね。
※Diversity, Inclusion & Equality
「ダイバーシティ」について、簡単に説明していただけますか?
加藤
直訳すると、「多様性」ですね!私のいるパーソルキャリアをはじめ、それぞれの企業、あるいはそれぞれの地域には、さまざまなバックグラウンドや属性、価値観を持った方が一緒に働いています。そういった方たちの多様性を認め、積極的に活用し、持てる能力をしっかり発揮できるような環境を整えるのが私たちの役割です。
さまざまな属性の方に向けた幅広い活動をしていきたいという思いはありますが、まずは女性という「マイノリティの中でも最大のコミュニティ」が抱えている課題を解決することが先決と考えて活動をしています。
現在の部署で働く以前から、ダイバーシティに関心があったのでしょうか?
加藤
どちらかというと社会福祉や教育という領域に関心があり、大学でも教育福祉について勉強していました。マイノリティの方やハンデを抱えている方が生きやすくなるにはどうしたらいいのか、といったテーマですね。当時は「教員免許や社会福祉士の資格を取るため」という感覚で勉強していたのですが、その過程で少しずつ女性福祉や「個人が自己肯定感を持つにはどうしたらいいのか」という部分への関心が強くなっていきました。
自分の関心や興味に気づいた瞬間があれば教えてください。
加藤
そうですね…。社会福祉士の資格を取るために実習を受けたり、インターンシップやボランティアに参加したりする中で、例えば子どもや高齢者、障害のある方など、いろいろな方たちと関わることができました。そこで女性が抱えている課題を学んだり、自分の周囲にも「女性であるためにチャンスが得られない人」がいることを知ったりしたんです。そして自分自身が当事者(女性)であることもあって、そのテーマにのめりこんでいった感じだと思います。
加藤さん自身が、「女性であるためにチャンスを得られない」と感じた瞬間はありましたか?
加藤
私は、そういった感覚を持つことがそれほど多くはなかったですね。でも、いろんな方の話を聞く中で「それはとても恵まれたことだったんだ」と感じています。例えば、高校時代には担任の先生から「いろんな学びを得たほうがいい」ということで総合大学への進学を薦められましたし、家族からは「大学に行くならこういうこともやってみたら?」などと前向きに受け取ってもらえました。しかし、外に目を向ければ、「大学なんて行かなくてもいいでしょ?就職も“腰掛け”なんだから」と言われたという友人も実際にいました。
そういった話から、「チャンスの芽を摘まれている人がいる実感」みたいなものはあったかなと思います。

「『はたらく』を変えたい」へのフィット感と手応え
パーソルキャリアを選んだのは、加藤さんが感じていた社会課題を解消できることにつながると感じたからでしょうか?
加藤
私は大学時代、社会福祉士の実習でDV(ドメスティック・バイオレンス)から逃げてきたような女性と出会いました。そこでは、これまでの「女性は働かなくていい」といった社会的風潮を受けて働いてこなかったため、DVなどでつらい思いをしても「働き方が分からず、手に職がないから経済的に自立できない」といった悩みを抱える女性が多くいました。
こうした女性たちを救うにはどうしたらいいのか――と考えたときに、思い当たったのが人材という業界でした。そういったこともあって就職活動では人材業界を中心にエントリーしていたのですが、パーソルキャリアは他社と比べて「『はたらく』を変えたい」というメッセージへの本気度が一番高かったように思います。「『はたらく』を選べる」「『はたらく』をつくる」という世界観にすごく共感できましたし、自分にはとてもフィット感がありましたね!
福祉業界に就職するという方向も検討していたのでしょうか?
加藤
その選択肢はありましたが、大学を卒業してすぐ福祉に飛び込んでしまうと、世間を知らない状態、世の中のさまざまな問題を何も知らないままになってしまうのではないかと考えました。まずは「社会全体を広く知りたい」という思いもあり、パーソルキャリアでの仕事を通して将来的に福祉領域に関われるようなスキルや知識を得て、そして「民間から福祉を変えられる人材になること」も大事だと考えたんです。
入社後は新卒採用部に所属し、現在はDI&E推進部。どのような経緯で異動になったのでしょうか?
加藤
入社1年目の後半にパーソルホールディングスが主催している「DI&Eを考える会」というイベントに参加したんです。いろいろな内容で定期開催されているイベントで、ジェンダーの話や管理職に就くにあたっての不安、外国籍の方や障害のある方の働き方など、多様なテーマを取り扱っていました。そこで「こんなイベントを考えているのはどんな組織なんだろう?」と興味を持ち、「DI&E推進って面白そうだな」と思ったのがきっかけです。
そして2年目以降、業務外ではありますがダイバーシティについて勉強する機会をもらいました。上司にもDI&E推進に興味があることを伝えていた中で、今年からさらに会社としてDI&Eを本格化していくことになり、上司が推薦してくれて異動が決まったんです。
「外から見ていたDI&E推進部」と、「所属してからのDI&E推進部」にギャップはありましたか?
加藤
まったくキラキラした仕事ではなく、とても泥臭い仕事ですね(笑)。すぐには正解が出ない仕事ばかりで、仮説を立てる難易度も高い。自分は途中で異動してきた人間だからこそ、業務に対しても自分のスキルについても、「きちんと対応し、もっと期待に応えなければならない」という焦りを感じています。でも、確実に視座が引き上がった感覚はありますね。異動前に求めていたものにも近いですし、今まさに成長しているという実感がすごいです!

自分のことだけでなく、周囲も見渡して課題を見つける
今後「DI&E推進部」で実現したいことを教えてください。
加藤
多様性を活かしたはたらき方を重視するという点では、パーソルキャリアが世の中をリードする立場になっていけると感じています。企画や施策を社内で次々と進めることで、それが社外にも広がっていく。そんな、パーソルキャリアが「お手本」になるような状態を実現したいですね。
はじめに「管理職になりたいと思ってもらえるようなアプローチをする」「管理職を目指している方がチャレンジしやすい環境を作る」といったお話をしましたが、興味はあるのに「私にはできないかも」「まだ今じゃないかも」と思われる方って、意外に多いんです。ただ、女性は結婚・出産を機に離職してしまうケースも多く、その後の正社員採用が難しいという現状がいまだにあります。そういったライフイベントにあわせて機会損失してしまうケースを減らすため、チャレンジしたいと思ったときにチャレンジできる土壌を作りたいです。
女性管理職以外では、今後は社内のいろいろなコミュニティやいろいろな属性の方を深く知り、その方たちがどんな状況に置かれているのかを把握していきたいと考えています。ただ企画を作るだけでなく、社内全体をくまなく見られる人、立場になっていければうれしいですね!
加藤さんに「女性管理職に」というお話がきたらチャレンジしますか?
加藤
どうでしょうね(笑)。ただ、女性管理職比率に関連する仕事をしていく過程で、「こんなに機会が増えるんだ」とか「チャレンジできることの幅が広がるんだ」というのを知ることができたので、実は結構面白そうだな~と思うようになってきました。
「やりたいことが見つからない」「社会課題解決に取り組みたいけどテーマがない」という学生もいるかと思います。そんな学生に向けて、テーマを見つける上でアドバイスはありますか?
加藤
思わぬところで「自分ってこれに興味があるんだ!」と気づくことができたのが、私の中では大きかったと思っています。幸いにも私は「女性だから」というところで抑圧されることはあまりありませんでしたが、周囲にそのような人がいると知ったとき、「それを変えたい」というきっかけが生まれました。自分自身に関わるテーマや課題だけでなく、周囲の人がどんな思い、悩み、苦しみを持っているのかを知っておくと、それが社会課題に気づくヒントになるかもしれません。
自分の経験から得られるものはもちろん大事ですが、それだけでなく「これ面白そうだな」「こういった問題が起こっているのはなぜなんだろう」と嗅ぎつけられることも大事なのではないかと思います。そこから広がる世界もありますので、周囲にあるいろんな情報を積極的にキャッチアップしてみてください!

※年次・所属部署は取材当時のものです。
監修者:HATARACTION!編集部
"はたらく課題"と"ビジネス"をつなげてとらえ、自分ゴトとして、その解決プロセスを楽しむパーソルキャリアの社員をご紹介します。